*******************************************************************   ☆ 特定・宇宙ニュートリノ第9回研究会のお知らせ ☆ ******************************************************************* 特定領域研究「ニュートリノ」都立大・新潟大計画班 宇宙ニュートリノ観測情報融合センター 共催 2002年度最初の研究会、第9回特定・宇宙ニュートリノ研究会を下記の 日程で行います。諸事情のためしばらく間隔が開いてしまいましたが、世話人 としてはこの「休暇」を利用して過去2年間の総括・反省を行いました。 我々としては計8回を数えたこの研究会も「曲がり角」に立たされていると いう認識を持っています。 この研究会は実験とこれと密接に関連した現象論との交流を特徴としてきました。 これは今後も維持すべき特色であると思いますが、一方より理論的なあるいは モデル的なアプローチとの有機的関連を十分持てていない憾みがあります。 これらの議論の中から直ちに実行できる改善のための方策として、谷本さんに 世話人に加わっていただき、機動性を保持しつつ理論との関連強化に取り組む ことにしました。この新しい体制の下で研究会は宇宙線研、都立大、新潟大での 交代開催を基本としていきます。 第9回研究会 日時:2002年5月8日(水)午前10時より。 場所:都立大学国際交流会館 中会議室 インフォーマルな議論の機会を持つことの重要性も多くの方々からご指摘を いただいたので、研究会のあり方の議論や時間内に消化しきれなかった点の 議論も兼ねて8日の夜に有志によるインフォーマルな会を持つことにします。 さて今回のトピックスは再び「二重ベータ崩壊」です。 神岡大気ニュートリノ観測によって発見されたニュートリノ振動は、SK・ SNOの共同作業によって太陽ニュートリノでも起きていることが確認され、 レプトンセクターの新しい描像の基礎を提供しています。 これらのニュートリノ振動は重い方の二つのニュートリノ状態の質量の下限 を決定していますが、この絶対値について教えてはくれません。一方、この 質量の絶対値こそが標準模型の彼方に開けている新しい物理世界のエネルギー スケールを教えてくれると期待されます。この質量の絶対値(とくにその上限) について現在最も厳しい制限を与えているのが「二重ベータ崩壊」実験です。 この研究会では改めてこの現象を探索する実験についての理解を深め、 これからの制限の意味することを考え直してみたいと思います。 このため「二重ベータ崩壊」の第一人者である江尻先生にグローバルな オーバービューを与えていただくトークをお願いしました。 昨年の12月「無ニュートリノ二重ベータ崩壊を発見した」と主張する論文 がでてからこれを巡って様々の議論が起きています。これについての理解を 深めることも今回の研究会の目的の一つです。 このニュートリノ絶対質量決定の重要性によって、様々の次世代二重ベータ 崩壊実験が世界的な拡がりをもって議論されています。我が国でもいくつか の可能性が議論されており、一方米国の国立地下科学研究所設立計画との 関連も含めてここ数年の間にこの内のいくつかが実現に向かう可能性が でてきたと思われます。我々としてもこれらについて今までよりもはるかに 高い現実的認識をもっておく必要があります。 軌跡検出を特徴とし0.1 eVレベルの感度を持つ予定のNEMOという欧州の実験が 動き出し、たまたまこの研究会の開催時期にこのグループの主要メンバー数人 が日本を訪れることが判明しました。またとない機会ですので、研究会で NEMO実験についてのトークをお願いしました。 この他にも種々の実験計画があり、これらについてできるだけカバーして みようと思っています。以下のプログラムをご参照下さい。 最近、二重ベータ崩壊に何らかの関連がある理論の論文が増えています。 このような関連した話題の理論のトークを公募しますので皆様奮って ご応募下さい。 プログラム: ____________________________________________________________________ 午前:10:00 - 12:40 二重ベータ崩壊実験のレビュー: 江尻宏泰(RCNP)60+10 min. (最近の"evidence"についてのコメントを含む) 二重ベータ崩壊理論解析のレビュー: 杉山弘晃(都立大理)40 min. 休憩 20 min. Double beta decay study of $^{48}$Ca by ELEGANT VI and CANDLES project: 小川 泉(阪大理)30min. 昼食 午後 I:14:00 - 15:40 NEMO: 講演者未定 40 min. Majorana: 江尻宏泰(RCNP) 20 min. 二重ベータ崩壊とニュートリノ質量階層構造&CP位相(レビュー): 波場直之(三重大工):40 min ----- coffee break ----- 午後 II:16:10 - 17:30 MOON: 能町正治(阪大理)30min. (To be confirmed) XMASS: 森山茂栄(宇宙線研神岡観測施設)30min. 理論講演公募 30min. ____________________________________________________________________ 旅費補助、交通、他: ○ 都立大への交通について:   都立大学のホームページをご覧下さい。 http://www.metro-u.ac.jp/access.htm    ○ 宿泊について:   都立大の最も近くの宿は 橋本シティーホテルです。   都立大の最寄り駅、京王相模原線南大沢より2駅の橋本駅より3分。   電話:0427ー74ー8100   ご予約は各人でお願いします。   (予約の際、「都立大で行なわれる研究会に参加」と言っていただくと   「都立大割引」で少し安くなるはずです。) ○ 理論講演を希望される方はアブストラクトを付けて4月17日(水) までに以下のアドレスにお申し込み下さい。 nu-program [at] phys.metro-u.ac.jp ○ 旅費補助について:   特定科研費でサポートします。4月17日(水)までに以下の アドレスにお申し込み下さい。   nu-support [at] phys.metro-u.ac.jp (講演申し込み用のアドレスとは異なるので注意して下さい。) その際、 ・氏名(フルネームを漢字で)  ・出張希望期間  ・所属機関とその住所(〒番号も)  ・御身分  ・御自宅住所と最寄りの駅名  ・これまでの御研究の内容を200字程度でまとめた文章   を添えて下さい。 ・又、飛行機に乗る必要のある場合には旅行業者から見積書を取って同じ 期日までにFAXで安田宛(0426-77-2483)に送って下さい(研究会当日までに 見積書のコピー・航空券の半券・航空券の領収書の提出がない場合には 旅費の支給が出来なくなってしまいます)。尚、航空券とホテルとの パックは利用できないことになっていますので、必ず航空券のみのもの を購入して下さい。 書類手続きに3週間必要とのことですので、締め切り厳守でお願いします! (なお、科研費をお持ちの方々はそちらの旅費でお願いします。) 以上。 宇宙ニュートリノセンター  梶田隆章 特定領域研究 新潟大計画班 谷本盛光   同    都立大計画班 南方久和