************< 平成13年度第3回CRC実行委員会 議事要録 >************ 日 時;平成14年2月4日 11:10 〜 16:30 場 所;東京大学宇宙線研究所(柏) 大セミナー室 出席者;村木 綏(実行委員長)、谷森 達、坂田通徳、鳥居祥二、福島正己、     鈴木洋一郎、川上三郎、水谷興平、荻尾彰一、宗像一起(以上 実行委員)、     吉村太彦、梶田隆章、瀧田正人(以上 依頼出席者)、     倉又秀一、林田直明(以上 事務局)、 報告 1.宇宙線研(吉村所長) 2.国際会議(梶田) 3.独法化問題について(村木) 4.RCNP、STE研報告(村木) 5. CRC 事務局 6.宇宙線奨励賞(水谷) 議題 1.宇宙線奨励賞について 2.法人化について 3.物研連での報告 4.明野観測所、乗鞍観測所について 5.物理学会総会と秋の企画 6.宇宙線研、各大学の将来計画について 7.次期選挙、名簿確定作業 8.その他 出席予定者の到着時刻の違いから、上にあげた順番通りには進行しなかった。 以下は時間の順序にしたがった記録です。 報告 1.宇宙線研(吉村所長) 〇教官人事    理論助教授 KEK助手、久野純治氏(3月16日着任予定)    TA助手 東大D3 浅岡陽一氏(4月1日着任予定)    神岡助手 KEK COE研究員 大林由尚氏(3月1日着任予定)    カンガルー教授 決定に至らず。 〇SK事故関連    事故対策委員会、事故究明等委員会、現地事故対策班の組織をつくり、事故   の原因究明、対策を立てている。爆縮のシミュレーションや実証実験を行い、   事故直前のデータなどを解析し、最初に壊れたPMの同定を行い、2つのPMまで   に絞り込んでいる。FRP+アクリルカバーのテストを行っている。 〇平成15年度主要概算要求    SK全面復旧経費。TA。LCGT。低バックグランド施設教官。アガサ撤去費。   カンガルーセンター化。その他。 〇研究員公募    COE研究員が廃止され、継続の研究員もCOE5名、研究所3名といるので、新た   な募集はしない。しかし、分野指定の学術研究支援員(東大の呼称)を、ニュ   ートリノ関係で2名公募する。3月1日締め切。財源は科研費直接校費。 〇研究所シンポ    2月5日(実行委員会の翌日)。案内と参加を要請。 〇21世紀COEプログラム申請    東大物理学専攻への協力と研究所独自の申請を準備中。 〇法人化関連    所内に法人化検討委員会を設置。    東大内で中長期目標ヒアリングが予定。    全国利用、大型将来計画を控えて東大内の位置づけが焦点。    東大内には3検討委員会がある。    全国研究所長会議で、グランドデザイン WG案。    文科省の高等教育局からだけでなく、研究振興局につながる予算のルート    の創設の提案。 〇研究部改編。    予算措置の伴わない改編が出来るようになり、法人化に向けて研究活動が   外部からよくわかるように研究部、観測所、施設の改編を行う。   所長試案を以下に示す。(よりよいものに変更し、当初は細部にこだわらない。   研究部は研究内容で人員配置を行い観測所、施設、センターはハード・ソフト   の装置のため、という形にする。)  ★研究部   ・ニュートリノ研究部       神岡+ニュートリノセンターの人員   ・超高エネルギー宇宙線研究部   空気シャワー、エマルジョン、ガンマ線   ・極限宇宙研究部         重力波、理論、SDSS、その他の新規大型                    研究開発    すべての所員をどこかの研究部に所属させる。    極限宇宙研究部から予算要求して新規大型プロジェクトが実現した時は、    そのたびに新たな研究部を立ち上げる。  ★観測所、施設、センター    検討中   今後の取り組み   研究部改編は概算要求を伴わない形が可能なら法人化前に早急に着手。   観測所、施設、センター改編は慎重に進めるが、早期の合意形成は重要。  △独法化に伴い、上のの2つの予算要求のチャンネルは重要。  △大型研究に対する大学のサポートを得るためにどうしたらよいか。 2. 国際会議(梶田)     秋の学会以後の活動を報告。  〇秋の学会(沖縄国際大学)で組織委員会の開催。  〇H14年度科研費申請  〇H14.1.10 組織委員会開催(つくば国際会議場)    会場の視察    担当の決定      総務:梶田、手嶋      会場:吉田、手嶋      行事:萩尾、伊藤      広報生涯:金行、吉越      財務:瀧田、大橋      募金:梶田、谷森、大橋      出版:森、佐々木、松原    スケージュール表の作成    次回の組織委員会は春の学会。    総予算 おおよそ4600万円。募金目標1000万円。最低700万円。    現在の経済状況から、困難が予想される。   △ 募金は募金委員会を設立したほうがよい。   △ 担当者に転出予定者がいるので、その手当てが必要。 5. CRC事務局報告(林田) (前回(9月22日)実行委員会 以降) (a) 訃報     平成13年9月25日、元大阪市立大学の 勝俣 五男 様が ご逝去されました。     謹んで御冥福をお祈り致します。 (b) CRC活動    (1) 9月22日; 平成13年度第2回CRC実行委員会    (2) 9月23日; 平成13年度第1回CRC総会    (3) 10月24日; 非E-mail会員へ連絡誌-速報-7号発行郵送(52通)    (4) 11月17日; 第2回(2001年度)宇宙線物理学奨励賞選考委員会    (5) 「CRC News」メール配信 (資料-1 参照) (c) 会計報告 (2001.02.04現在 概算)     会費完納者;251名 ( 77 %)     残 金  ;74 万円     支出予定 ;連絡誌 25万円 + 奨励賞 20万円 = 45 万円 ------------------------------------------------------------------- ● 審議 (a) 選挙    ○ 3月中旬〜4月初旬、「CRC実行委員長・委員」の選挙を行う。    ○ 選挙人名簿確認作業(「所属」は原則として、4月からの所属とする)    ○ 今回の新入会員は選挙権を持ち、「4月からOBOG会員の方」は選挙人 から外す。 (b) OBOG会員    下記の2名の方が、2002年度からOBOG会員への移行を希望された。    2人とも資格条件に問題は無いので、OBOG会員への移行が認められた。   ○ 神谷美子 (2001/09/23 申し出)。 ○ 豊田好男 (2001/12/14 申し出)。 (c) 新入会員 ○ 山元 一広 (4月から宇宙線研 COE研究員) 推薦者; 黒田和明、大橋正健       (研究歴); 東大 理物理卒、2001年3月東大博士課程 修了            重力波レーザー干渉計の鏡熱雑音の推定方法について            これまでより精度の高い方法及び実現技術を開発し、            検出感度の高感度化に貢献した。 ○ 安東 正樹 (東大理 助手) 推薦者; 黒田和明、大橋正健       (研究歴); 京大 理物理卒、1999年3月東大博士課程 修了            TAMAレーザー干渉計の感度を制限する雑音源を解明し、            安定動作のために必要な制御技術の開発に貢献した。 ○ 片岡 淳 (東工大理 助手) 推薦者; 槇野文命、松岡 勝       (研究歴); 東大 理物理卒、2000年3月東大博士課程 修了            大学院時代は、Astro-E搭載用 硬X線検出器の開発。            X線衛星ASCAとRXTEのデータをAGNについて解析。            一年間 CANGAROOの一員としてオーストラリアで観測し、            次世代ガンマ線カメラを開発。            本年4月より東工大で、宇宙ステーション搭載用全天X線            モニター(MAXI)のハードウェア開発を担当    研究歴等が紹介され、3人とも入会が認められた。 議題2、3および報告3. 独法化問題について(村木)      独法化のもとでの研究所のありかたについて、大きく分けて    「総合学術研究院」といった全ての研究所を統括する組織を作る案と    1研究所が1法人になる案が考えられている。    この問題について、実行委員会の議論をもとに、核専委・物研連に対する    CRCの意見は以下のように纏められた。  ---  核専委・物研連に対する申し入れ事項  ---    CRC実行委員会では、法人化に際して大学付置の共同利用研究所の在り   方について議論しました。 その結果、大学付置共同利用研究所が法人化後も   その機能を十分に発揮するためには、次のような事項が実現されることが強く   望まれるとの結論に達しましたので申し入れます。 (1)共同利用研究所が行う共同研究のための資金や、大型科学推進資金の設置。 (2)NASAや米国の高エネルギー研究等におけるように、大学または研究機関へ    共同研究推進のための資金等を直接配分すること。わが国におきましても    このような方式が実現すれば、各大学・機関にいる優秀な研究者の力を    共同研究等に結集できるので大変望ましいと考えます。これはまた各大学    のレベルの向上に大きく貢献すると思われます。 (3)各大学の研究者が共同利用研究所を利用する場合、共同利用研究が効果的    にできるように、研究振興局のfundの設置が強く望まれます。例えば、今    まであった員等旅費の項目が法人化後も継続されることや、共同利用研究    費の大幅増額等が強く望まれます。   物研連におかれましては学術会議等を通じ積極的に上記のような弾力性のある   資金の設立を働きかけていただくよう要望します。    宇宙線研究者会議 実行委員会 議題1、報告6. 宇宙線奨励賞(水谷)    5名の応募があり、資格審査をまず行い全員資格のあることを確認して審査   を行った。その結果2名まで候補者を絞り込んだが、それ以上は無理なので、   この2名を奨励賞受賞者とした。     この審査委員会の報告を、実行委員会は了承した。   このお二人には、この春の学会で特別講演をしてもらう。    この奨励賞に関連して、「高エネルギー宇宙物理連絡会(高宇連、HEAPA)   からの以下に示した申し入れがあり、これについて議論を行った。  >村木様  >  >宇宙線物理学奨励賞に高エネルギー宇宙物理連絡会(高宇連=HEAPA)が共催と  >して加わることの了解は得られたと理解していますが、今のままの規約では少  >しまずいので、以下のような改定を案を考えました。できるだけ原案を変えな  >いないようにしたつもりです。CRC実行委員会で検討をお願いします。  >尚、改定案の大枠は高宇連運営委員会では了解済みですので、あとはCRC実行  >委員会でOKがいただければ今年からGOできます。  >  > 現規約からの改定個所  >  > 名称を「宇宙線物理学奨励賞」→「宇宙線・高エネルギー天体物理学奨励賞」  > 規約中「宇宙線物理学」とある部分は「宇宙線・高エネルギー天体物理学」へ  > 規約中「CRC」とあるところは(CRCおよびHEAPA)と置き換える  > 選考委員の構成について、「宇宙線関係3,理論1、高エネルギー1、  > 天文学関係1」とあるうち、「天文学関係3」とし、その委員(3人)は  > HEAPA推薦とする。  > 授与式は春のCRC総会のときに行われている現状をかえず、式のみ主催を  > CRC・HEAPA合同とする  >  >尚、HEAPA運営委員長は私(小山)から河合氏に代わりましたが奨励賞の件は  >しばらく小山が担当します。1月30,31に名大にいきますので、そのとき最終  >規約案につき相談(必要なら)できませんか。  >  >小山    この要請に対して、高連に関わる人からの応募意欲をそがないように、   実行委員会での議論を踏まえて以下の文章を小山先生に送ることにした。   小山先生     宇宙線物理学奨励賞の運営を高宇連と合同で実施する件に関して、2月   4日のCRC実行委員会で議論しました。 この件に関して、CRCとしては継続   審議してゆくことになりましたのでお伝えします。    以下CRC実行委員のメンバーから出された主な意見を列挙します。   1. CRCと高宇連はメンバーが半数程度重なっており共催であると、考え直さ     ないといけない。   2. そういった点を十分考えて規定を「広い意味での宇宙線」という言葉で     時間をかけて作りました。(約2年かけた)   3. 規定を変更するとなると、あらためてCRC総会のレベルから議論をし直さ     ないといけないことになります。   4. 現に天文関係の審査委員は槙野先生(X線)です。   5. 今回奨励賞を受賞したのはX線の人だから、あえて共催にしなくてもよい     のではないか。   6. 共催となるとこの賞の規定を一からやり直すことになる。(CRCレベルから)   7. 審査員一名をX線天文学からと増員することは可能なのではないか。   8. 同一レベルでない共催ならありうるかもしれない。賞金はCRCで出す。   9. 高宇連自身で奨励賞を作られてもよいのではないか。   10. 今はどんどんと論文を出してもらったらどうだろうか。      以上のような議論がありましたので、紹介させていただきます。                 2月12日 CRC実行委員会委員長 村木 綏 議題4.明野観測所、乗鞍観測所について      宇宙線研究所内の委員会やAGASAのメンバーの議論がある。    AGASAがなくなると、明野観測所の維持は難しい。    AGASAグループの議論では、2年後に終了する予定である。    その計画は、2002年 full 運転。          2003年 撤去概算要求で年度末に撤去。          この後は、AUGER がデータを出すだろう。    AGASA以外の明野観測所の利用者からは、観測所の継続要求がある。    例えば、大阪市大のグループは、インドのウーティと明野の緯度の違いを    利用して、太陽からの磁気雲の観測をしてみたいとの新しい要求が出ている    。その時の電気代等は、所長は臨時経費から支出する可能性を考えている。    しかしAGASAの終了の明野観測所に対する予算的影響は大きい。 議題5. 物理学会      秋の学会の企画は、次の実行委員会で提案、議論する。    3月25日までに案があれば寄せてほしい。    次の世話人は吉田滋氏。秋の会場は立教大学。 議題6. 宇宙線研と各大学の将来計画      宇宙線研としては、100億くらいの計画は可能であろう。200〜300億の    計画になると困難である。次期将来計画としては、ガンマの後、超高エネ    ルギーTA、重力波が並ぶ。    しかし、緊急課題があれば考慮するし、次回外部評価(2004年)で見直しが    必要になるかもしれない。重力波は、三所長(宇宙線研、天文台、高エネル    ギー研)の合意に基づいて行われているが、独法化の組織変更に伴い、合意    の再確認が必要になるかもしれない。宇宙線研としては、小型、機動力のあ    るプロジェクトを含め、研究所の維持が法人化に絡み一番の課題である。    次回の外部評価に対しては、CRCとしての意見を述べていく。 議題7. 次期選挙、名簿確定作業      次期選挙を行う。そのための会員の確認を行う。    会員の移動をご存知の方は、事務局まで。 議題8. その他      岬氏からの研究会の提案に関して    実行委員会として研究会は開催しないことを決めた。    これに関連して、共同利用の採択などについて議論があった。    東大宇宙線研究所の共同利用研究の募集要項にあるように、施設の利用か    所員との共同研究が原則であることが確認された。    宇宙線研の部改編については、実行委員会、総会で議論を行うこととした。    特に、新しいプロジェクトをどのように取り込む仕組みを作るかが、議論    の要になる。    3月、名古屋で実行委員会、研究会を開催することが委員長より提案され、    了承された。    尚、議題6や宇宙線研の部改編については、録音をおこした詳細な報告を    行なう予定である。 ------------------------------------------------------------- ● (資料-1) 「CRC News」メール配信 39 件(9月23日〜2月3日) ○ 委員会報告; 4 件     11月08日; 原子核専門委員会報告     11月12日; 第25回 KEK運協報告      1月07日; 平成13年9月CRC実行委員会・総会 議事要録      1月23日; KEK素核研運協懇談会速報 ○ 公募案内; 7 件      9月26日; 特定領域A「ニュートリノ振動とその起源の解明」公募研究募集     10月22日; KEK加速器研究施設 COE研究員公募     10月22日; KEK加速器研究施設 助手公募     10月22日; 平成14年度気球観測募集について     10月29日; 理化学研究所・研究員公募     11月06日; 東京大学大学院理学系研究科物理学教室教官公募     11月12日; KEK 教官・研究員公募 ○ 研究会案内; 20 件     10月11日; 特定・宇宙ニュートリノ第8回研究会     10月11日; Tamura International School on Neutrino Physics     10月22日; 「大学と科学」公開シンポジウム     10月24日; 物理学会・シンポジウムのお知らせ     10月29日; BESS・折戸記念セミナー     11月03日; The second bulletin of Xenon01 Workshop     11月12日; The second bulletin of NOON2001 Workshop     11月22日; 宇宙線研究所共同利用研究発表会     11月22日; 高地での新たなガンマ線・宇宙線観測 研究会     11月26日; The XVI Particles and Nuclei International Conference     12月01日; 「物質の起源」研究会     12月05日; 宇宙線所シンポジウム「宇宙線物理学の明日を拓く」     12月06日; 宇宙線研究所共同利用研究発表会     12月25日; 「物質の起源」研究会アップデート     12月26日; 第2回「TAMAシンポジウム」開催のお知らせ      1月08日; 「高エネルギー宇宙の総合的理解」研究会      1月11日; 第2回「TAMAシンポジウム」開催 (2nd Circ.)      1月16日; 第3回Geant4研究会      1月21日; 宇宙線研究所シンポジウム「宇宙線物理学の明日を拓く」      1月24日; 宇宙線研究所シンポジウム ○ その他; 8 件     10月01日; 科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」の見直しに関する情報     10月10日; 訃報:勝俣五男 様 ご逝去     11月26日; 宇宙線研神岡施設の事故関係報告     11月29日; 宇宙線研神岡事故に関して     12月19日; KEK陽子加速器の運転スケジュール変更案内     12月26日; ICRRニュース47号のお知らせ      1月10日; 平成14年度夏前の KEK 12GeV PSの運転等について      1月31日; 物理学会託児室設置のお知らせ