「高エネルギー宇宙の総合的理解」 --- 新技術で切り開く宇宙線物理 --- ●日時: 3月8日(金) 午前9時−午後5時 講演 3月9日(土) 午前9時−12時 討論会 ●場所: 東京大学宇宙線研究所 大セミナー室 ●形式: 招待講演と討論会。全講演者および参加者の一部に旅費を提供します。 ●世話人:木舟正(代表)、梶田隆章、佐々木真人 (ご連絡先 sasakim [at] icrr.u-tokyo.ac.jp, 0471-36-3143) ●研究会趣旨: 「宇宙線研究」を「横断」する「科学的意義」をテーマとして昨年度の研究会 を企画したつもりである。しかし、ものごとは、「サイエンスの切磋琢磨のため の議論」が必ずしも直線的に今後の宇宙線研究の諸プランの実現に結びつくよう な単純なものではない。今年度は「技術」からの観点を強調してみたい。 誇張・単純化して極言すれば、例えばカミオカンデの成果は大型の光電子増倍 管に根ざしている。超高エネルギーガンマ線観測のブレークスルーは多チャンネ ル光電子増倍管カメラの導入によってもたらされた。あるいはべスの超伝導磁石 など、技術の重要性を示す例には事欠かない。技術開発がめざましい科学的成果 を生み出す可能性をもつことは当然である。しかし、今回強調したいのは、技術 開発自体のもつ画期性・独創性よりもむしろ、科学的意義の「発展方向ベクトル」 に一致する「技術開発の方向ベクトル」を「正しく」予測することである。昨年 の試みからの「発展」となるかどうか必ずしも自明ではないが、昨年度の研究会 の趣旨を相補的に継承できるものと目論んでいる。 「技術」は分野横断的・学際的な側面を強く有している。宇宙線研究を、二つ の巨大科学:「加速器物理学」と「飛翔体による宇宙科学」との狭間にある中小 サイズの研究と位置付けることができよう。「大学法人化」等々「構造改革」の 抗しがたい流れにさらされている今後の「宇宙線研究」の基盤を確かめるために も必要であろう。 尚、「主催者側の思惑」にあまりとらわれることなく自由で多様な話題提供を お願い致します。提供していただいた話題を上に述べた「研究会趣旨」に沿って さらに発展させるべく、研究会の最終日に「座談会」形式での自由討論を設ける 予定です。コメント、意見、あるいは「叩き台的な将来計画案」の提案などをお 持ちの方は研究会前にご連絡頂ければ幸甚です。自由討論でのガイドラインにし たいと思います。 ●プログラム(仮): ○3月8日(金) 午前9時−午後5時 講演 (敬称略,順序・時間未定) -------------------------------------------------------------------- 木舟正(信州大) イントロダクション 森山茂栄(東大宇宙線研) 液体キセノンを使ったXMASS実験計画 蓑輪眞(東大理) 暗黒物質の直接観測 杉山直(国立天文台) 観測的宇宙論の動向 長谷部信行(早大理工センター) 宇宙線中の超鉄核成分の高精度観測計画 (Heavy Nuclei Exploler) 清水裕彦(理研) 広角屈折光学系を用いた宇宙線観測(EUSO) 吉田哲也(KEK素核研) BESS-Polar南極周回気球実験計画 木舟正(信州大) サブPeV-EeV領域のガンマ線天文学: 意義・現実性・必要条件? 佐々木真人(東大宇宙線研) 1分角精度の広視野宇宙線望遠鏡 川村静児(国立天文台) スペース重力波アンテナDECIGO -------------------------------------------------------------------- 午後6時頃から、懇親会パーティー ○3月9日(土) 午前9時−午前12時 討論会 ------------------------------------------------------------------------