***************< 第6回特定・宇宙ニュートリノ研究会 >************** 特定領域研究「ニュートリノ」都立大・東大計画班 宇宙ニュートリノ観測情報融合センター 共催 2001年度最初の研究会、第6回特定・宇宙ニュートリノ研究会を下記の 日程で行います。この研究会は宇宙線研と都立大での交代での開催を基本とし ていますが、新潟大での第4回を挟んで今回は久しぶりに都立大での開催です。 日時:2001年6月2日(土) 場所:都立大学国際交流会館 大会議室 今回のトピックスは「太陽ニュートリノ」です。 なぜ今太陽ニュートリノなのでしょうか。理由はいくつかあります。まずこれ は今最も変化の激しいフィールドです。太陽ニュートリノ観測は今新しい時代 に突入しようとしているからです。約30年前の Ray Davis による Cl 実験 の開始による英雄時代、10年程前に出揃った Kamiokande、二つの Ga 実験 (SAGE, GALLEX)を含む4実験時代を経て、すでに開始されている Super- Kamiokande、SNO による高統計実験時代の幕開けと、後続の KamLAND および Borexino の液体シンチレーターを使う両個性的実験に特徴づけられる第3段階 が開始されようとしています。 この第3段階の間に太陽ニュートリノ問題の実験的解決がなされる可能性も大 いにあります。もしそうならなかったときには、「最終兵器」として pp ニュー トリノのエネルギースペクトルを測定する Xe 実験の出番です。 折しも4月28日から行われるアメリカ物理学会において SNO 実験のプレナリー 講演が予定されていて、噂によると、長い間待ち望まれてきたSNOの荷電反応 データが発表されると言われています。(昨年6月の国際会議「ニュートリノ 2000」であんなに綺麗なスペクトルを見せたのに規格化因子については堅 く口を閉ざしてきたのですから、そろそろ我慢の限界でしょう。) この好機を捉えて我が研究会でも SNO グループの David Wark 氏によって SNO 実験の報告が行われます。(APS meeting の講演者その人です。たっぷり時間を とって聞きたいことを何でも聞くことにしたいと思います。)言うまでもなく、 SNOの荷電反応データが発表されれば、スーパー神岡実験と組み合わせることに よってニュートリノ振動が活性・不活性ニュートリノのどちらをパートナーと して起こっているのかという問題に決着がつく可能性があります。 今回は講演をお願いしたところ、スーパー神岡太陽ニュートリノ観測を中畑さん、 Xe 実験計画については鈴木さん(領域代表)と重厚な布陣がそろいました。SNO の発表を「迎え撃つ」神岡グループの闘志が感じられます。 最近のスーパー神岡実験は大混合角 MSW 解を支持しています。このことが KamLAND 実験によって確証されるかどうかについて我々は大きな関心を持って います。これが確証されれば二つ目の混合角「太陽角」の決定が「大気角」に 続いて日本でなされることになります。さらに二つの大きなレプトン混合角の 存在は素粒子物理学にとって重い問題提起です。この理論的意義を明らかにする ことを目指す講演を広く公募します。我こそはという特に若手の発表者の応募を 期待します。 なお、「太陽ニュートリノ」について全く知らない人でも研究会全体の話について いけるように、pedagogical 講義「太陽ニュートリノの教養物理」も用意しました。 以下にプログラムの現状について記します。 _______________________________________________________________________ 午前:10:00 - 12:40 太陽ニュートリノの教養物理(pedagogical introduction):南方久和(都立大)40min. Super-Kamiokande: 中畑雅行(宇宙線研神岡観測施設)40min. 休憩10分 SNO: David L. Wark (Oxford) 60 + 10 min. 昼食 午後 I:14:10 - 15:30 Solar neutrino analysis: Penya Garay(Valencia)50min. KamLAND の現状:石原(東北大)30min. ----- coffee break ----- 午後 II:16:00 - 17:30 Xe 実験計画:鈴木洋一郎(宇宙線研神岡観測施設)30min. 二つの大混合角の意味するもの(公募)30min. x 2 ___________________________________________________________________ ○ 「講演したい」と思った方は躊躇することなく安田さんまでお申し込み下さい。   yasuda [at] phys.metro-u.ac.jp   最終案内を出す関係で、5月18日に締めきらせていただきます。 ○ 都立大への交通について:   都立大学のホームページをご覧下さい。   http://www.metro-u.ac.jp/accesstmu-j.html ○ 宿泊について:   都立大の最も近くの宿は 橋本シティーホテルです。   都立大の最寄り駅、京王相模原線南大沢より2駅の橋本駅より3分。   電話:0427ー74ー8100   ご予約は各人でお願いします。   (予約の際、「都立大で行なわれる研究会に参加」と言っていただくと   「都立大割引」で少し安くなるはずです。) ○ 旅費補助について:   特定科研費でサポートします。5月10日(木)までに安田さん   ( yasuda [at] phys.metro-u.ac.jp )までお申しで下さい。その際、  ・出張希望期間  ・所属機関とその住所(〒番号も)  ・御身分  ・御自宅住所と最寄りの駅名  ・これまでの御研究の内容を200字程度でまとめた文章   を添えて下さい。又、飛行機に乗る必要のある場合には航空券の見積書も   それまでに送って下さい。   書類手続きに3週間必要とのことですので、締め切り厳守でお願いします。   (なお、他の計画代表の傘下にある方々はそちらの旅費でお願いします。) 以上。 宇宙ニュートリノセンター 梶田隆章 特定領域研究都立大計画班 南方久和