**************************< KEK 運協報告 >**************************                            (文責:村木 綏)   日 時 : 4月19日 10:30〜17:00   場 所 : KEK大会議室 協議事項  ○新委員の紹介の後、会長に岩田正義氏(KEK)、副会長に橋本治氏(東北大)を   選出した。   ○加速器・共通研究施設協議会、機構運営協議員候補者の選出をした。  ○素核研の長期戦略と現行研究の進捗状況を検討し、所長に提言することに、   なっている、素核研研究計画委員会を立ち上げたいという山田所長の提案を   了承した。 委員は運営協議会で推薦する。 理論3、高エネルギー3 、   原子核3、宇宙線・非加速器2とし、なるべく若い研究者が委員になって欲   しいとのことである。   (ここではリニアコライダー(LC)が主要な議題の一つになるが、その他にも    JHFにむけてPSをどうするのかとか、Bell、K2K等の現行の計画についても    議論されるだろう。またより広い分野を対象とした若手研究者の発表の場    も設けたいと所長は考えているようである。)  ○教官人事について   教授に堺井義秀氏、助教授に羽澄昌史氏、助手に里嘉典氏を所長に推薦した。 報告事項  ○菅原機構長   *菅原機構長の後任人事を2002年2月までに決めて欲しいので、機構運協から    依頼があろう。 その後所長選考(6月)、そして総主幹の人事をやることに    なる。 今期は重要な役目を担っている。   *研究所の概要について。 ニュートリノやB-physicsの研究は最重要課題と    して進めていかないといけないが、JHFという新たな計画が発足する。    そのため陽子加速器の運転等今までの研究に影響が出る。 研究体制を変え    ていかないといけない。 統合計画(JHF)を進めるために原研と協定書を結    ばないといけないが、文化の違いもあり相当難航している。 機構長は、    組織が(誰が何をやっているのかわかるように)透明性を保つ必要がある    と考えている。   *リニアコライダー(LC)について。ドイツのTESLA計画の全容ができた。    ドイツ政府の諮問会議で、GSI、重イオン、中性子と兼ね合わせて議論され    、priorityを決める。 米国の方はHEPAPのサブコミィティが結成されてい    る。 こちらも9月中旬には結論を出す。 20年を見通した米国の計画となる。    OECDのメガサイエンスフォーラムの方はCERN、ローマ、KEK(今秋)、SLAC    (2月)と回ってまとめる。2月の会議はICFAと合同の会議となる。C-band、    X-band、TESLAを比較する。   *政府筋では核融合炉ITER計画(約5000億円、日本側が負担する)を日本で引 き受けるかどうかの審議を控えているので、LCの審議に入れない状況がある。   *独法化。 前回(3月末)のCRCへの報告とあまり変わっていない。    [ 文部科学省は、国大協案を中心にまとめるだろうが、経団連関係者のある    人はそれが出た段階で徹底的にたたくと言っている。 {そんなことしたら、    企業は結局自分の首を絞めるだけなのに(この部分は村木の感想)}。 機構    長が委員で出ている財務会計委員会では、大学関係者は細かい交付金制度    について議論しているが、企業関係者は興味ないようである。(彼らは、    外の世界でリストラが進んでいる時、大学関係者は、そんなことを無視し    て細かい議論をするのですか?と発言している。]   *JHFについて。1335億円の中味は相当厳しい内容である。このままでは加速    器はできるが、実験はできないことになる。色々な工夫をしてKEKから持っ    ていけるものは持っていかないといけないかもしれない。 実験の予算の手    当はまだできていない状況にある。 第二期のニュートリノビーム計画も    前だし的にやっていくというスタンスでいく。 今までのPSの活動をその    まま保って、6年後にJHFに移行するのは不可能なので工夫してもらいたい。    その全体計画を文部科学省に提案する必要がある。  ○山田所長報告   *4月11日、12日の物研連の報告、総研大関係の報告があった。 総研大では    小平氏が学長になった。 また国立情報学研究所が総研大に加わることに    なった。   *物理実験関係。Bellが20.8fb∧(-1)に達した。 また2月には論文を投稿し    た。 ATLASのmagnetが完成し、テスト中であるとの報告があった。   *ニュートリノK2K関係(中村)。 7月始めまでにデータが昨年の2倍となる。    昨年6月までのデータを用いて、スーパーカミオカンデで観測されたfully    contained 1-ring μ-like eventsのエネルギー分布が示された。   *PS: 統合計画はどうなるか現時点でははっきりしないが人員を再配置する    必要がある。   *加速器関係(神谷)     第一研究系(山崎) 統合計画(JHF)に専念する     第二 〃 (生出) KEKB担当     第三 〃 (榎本) ete−ライナック、LC担当     第四 〃 (佐藤) PS担当    今後2〜3年の間に分室が東海村にでき、そこへ張り付けることになる。    教官20名、技官10名で本当に足りるのか。原研の人を加速器に移せるかと    いう質問が出た。   *人事計画(山田所長):統合計画のためのビームチャンネルの建設と、    もっと先の将来計画(例えばLC等)を考慮した新しい人事計画を作りたい。    それを検討してもらいたいとの発言があった。(3年以内に8名程度の人が    定年退官する。)