素核研(KEK)運営協議会報告                            (文責 村木 綏)  日 時:2001年3月21日 13:30〜16:30 ○報告事項 ◎菅原機構長報告:独法化について。文科省の四つある検討委員会の一つ、   *業務組織委員会では大学関係者3人が原案を提示した。    教育と運営は一体である。(旧来通り)学長、副学長、評議員会を設置し    それを最高機関とするという案。この案に対して私学関係者、企業関係者    から閉じた大学の形態であると強い反発があった。    文科省で案を作ることになった。 財務関係。交付金を大学がもらい、そ    れで運営していく案が検討されている。大学の財産をどう配分するのかが    問題。地方大学からスタートラインで差が付けられるのは困るというクレ    ームが出ている。   *共同利用研所長懇談会の中にも対応する四部会ができている。 3月15日    全体の懇談会が開かれた。共同利用研は管理運営組織はオープンになって    いる。 今まで通りでよい。   *目標計画評価部会からは、中期目標は長期目標に基づいて実施すべきであ    るとの見解が出ている。 最終的には文部科学省の承認を得て実施する。    新しいことは判断するのが難しい。 多元的評価ができる制度を作ってい    く。 評価の取扱。それを参考にして資源配分する。 長期的視野に立っ    た判断で実施すべきである。   *財務関係部会では施設費と運営費に大きく分けられる。 運営費は基盤的    経費と評価対象型経費に分けられる。 大学の中のプロジェクト研究は別    途予算として欲しい。 大学共同利用機関の共同研究経費や、調査研究経    費も基盤に入れるべきだとの意見が出ている。 運営費は物件費、人件費    は区分しても細目は規制しないでもらいたい。 省庁の枠を超えた組織を    作って欲しい。 Research councilを参考にした。 ◎山田所長報告:   *共同開発研究申請課題の採択課題の報告があった。 申請件数48件、内    素粒子・原子核関係10件中8件を認めた。   *主幹会議で電子サイクロトロン、SFサイクロトロン審査委員会の規則を廃    止した。   *CERN、DESYの近況について。    CERNでは将来計画の検討の一環として、J.Ellisらを中心とする理論的考    察の議論があった。 LHCは輝度を10倍にするとどういう物理ができるか    を検討している。 電磁石を変えてエネルギーを倍増させることも考えて    いる。 LEPの超電空洞がフリーになったので、それを利用してproton    linacを作りPS-SPSに入れることを考えている。 muon colliderのR&Dを    やる。 LHCは一年遅れて2006年夏に稼働の予定。 DESYではTESLAのコロ    キウムがあった。 ドイツ政府はTESLA計画をこの一年間で評価して、国    際的コンセンサスが得られるなら計画をスタートしたいとの考え。 外国    に1/2の予算を期待。 ◎研究活動報告:   *ニュートリノ(中村健):順調に稼働している。ビーム強度はこれ以上    上がらない。 今年のランで2×10^19protons on target。昨年と合わせて    4×10^19となる。 Physics Letterに論文を投稿した。   *加速器(黒川):KEKBの輝度が3×10-33/cm^2/秒に達した。SLACの10月末    の一番良い値に追いついた。   *共通系(近藤):放射線に対する基準が改定になったのでそれに伴う教育    訓練を実施した。 30mSV/年が20mSV/年になった。(ICRP 1990年勧告)。    統合計画に関わる第一回計算ネットワーク研究会を開いた。LHC用の電磁    石の低温試験を実施した。   *JHF(永宮):Linacの建設が始まった。 H14年度概算要求をしないといけ    ない。 施設関係を立ち上げる。 ニュートリノラインを早く立ち上げた    いが、来年度は無理? 4月1日から本格的建設体制の下で作業を始める。    運営会議はKEKと原研の両方から主な人が集まって開く。 利用者協議会    でuserの声を聞く。 外国の産業界のuserも含める。 3月15日の合同協    議会で協定案が認められた。 4月15日運営会議の人名が決まる。 現地    宿地区の住民は保存林を切ることに反対している。 JHF側は75%回復さ    せることを考慮している。 東海村特別委員会から建設OKの解答を6月ま    でには得たい。 ◎協議事項   *客員教官として久野(阪大)、中西(名大)、竹下(信大)、米谷(東大    )、黒田(明治大)、山中(阪大)、田中(長崎科学大)、笹尾(京大)    、原(神戸大)、谷森(京大)を所長に推薦した。   *助手候補として後田裕氏と金子隆志氏を所長に推薦した。