***************< 平成 12年度第 1 回 CRC総会 議事要録 >*************** 日 時:2000 年 9 月 23 日、17:15〜19:00 場 所:新潟大学 日本物理学会年会 TG 会場 出席者:(敬称略五十音順) 荒船次郎、宇津木敏人、大内達美、岡田淳、笠原克昌、 梶田隆章、金行健治、川上三郎、川口節雄、神田展行、黒田和明、郡司修一、 小早川恵三、古森良志子、榊直人、坂田通徳、佐々木真人、竹田成宏、谷森達、 田村忠久、手嶋政廣、戸塚洋二、中畑雅行、西嶋恭司、林田直明、福島正己、 増田公明、松岡勝、岬暁夫、水谷興平、水本好彦、宗像一起、森山茂栄、 山本嘉昭、湯田利典、吉越貴紀、吉田健二 (以上 37 名) ◆議長選出 実行委員会からの推薦で、宗像一起氏に お願いした。 ◆報告1. 事務局宇宙線研支部 (林田) 以下の情報サービス (a) (b) を行なった。( 詳細は 資料 1 をご参照下さい) (a) CRC活動 関係16件 (b) 「CRC News」メール配信 (No.133 〜 No.181; 計 49件) ○実行委員会その他の 委員会報告;3件 ○人事公募案内;8件 ○研究会案内;15件 ○その他のお知らせ;15件 ○随 時 、CRC News の追記 及び一部訂正 4件 (c) 平成12年度CRC選挙の開票結果 CRC News No.176 (会報) 2000 年9月5日「平成12年度第1回CRC実行委 員会議事要録」参照。 尚、今回の開票では、全ての票が有効投票だった。また、メール投票では、 全てについて、プログラム操作による自動的な解読・選別・集計の作業がで きた。 (d) CRC事務局の新体制の件 昨年度までは、CRCの関連機関、近隣分野の団体等から種々の依頼、ニュー スが宇宙線研のCRC事務局へ「CRC事務局宛」で送られて来た。この様な依 頼・ニュース等の宛先は、外部から見てあまり変わらない方が良い。宇宙線 研の「CRCPOST」はCRC会員向けのみを想定してつけた名称である。外部 から見ても、CRC内部から見ても適当な呼び名を付けた方が良い。 この様な事から。 〇「CRCPOST」の呼び名を「CRC事務局宇宙線研支部」に変更する。 〇「CRC事務局」は従来通り担当大学 (現在埼玉大学) の名称とする。 業務分担は、参考までに具体的に列挙すると、以下の様になる 。 ★「CRC事務局」の業務。 ・ 実行委員会 (年4回)、総会 (年2回) の準備から議事要録作りまで。 ・ 実行委員長、実行委員との連絡 (特に実行委員会の前など)。 ・CRC選挙の実施、その他CRC運営上必要な業務。 ・「CRC事務局宇宙線研支部」との連絡 (実行委員会用の資料取り寄等)。 ★「CRC事務局宇宙線研支部」の業務。 ・ 会費; 会費の受付と会計処理、連絡誌の発行と郵送。 ・ 関連機関、近隣分野の団体等から種々の依頼等の受け付け窓口。 ・ CRC News ; 配信依頼メールの受付と会員への配信 (各種委員会報告、 研究会案内、公募案内等)、 ・名簿; 会員の移動、入退会の連絡受付、 ・「CRC事務局」との連絡、 ・ホームページの管理、 CRC選挙事務。 ◆報告2. 宇 宙 線 研 究 所 ( 戸塚 所長 ) (a) 人事 CANGAROO, Tibet, Super-K 関係人事公募を締め切り、現在審議中。 (b) 平成13年度文部科学省概算要求に宇宙線研究所関係の事項は含まれなかった。 (c) 学術審議会の特定研究領域推進分科会宇宙科学部会において「我が国におけ る天文学研究および宇宙科学について」の審議が始まった。宇宙線研究所の将 来計画である「Telescope Array」が議題に上がる。また「Large Cryogenic Gravitational-wave Telescope」も審議される可能性がある。積極的なご支 援をお願いしたい。 (d) 柏キャンパス移転記念シンポジウム 10月11,12日に開催する。 (e) 柏キャンパス研究棟竣工記念式典および祝賀会を 10月13日に開催する。 (f) 共同利用研究成果報告会を 12月26日, 27日に開催する。 (g) 東大が定年延長を決定した。これに伴い、各部局は任期制導入を早急に検討 することとなった。 (h) 次期所長の選考を始める。 (i) 外部評価委員会の審議結果を印刷公表した。 ◆報告3. 原子核専門委員会、物理学研究連絡委員会 (湯田委員) (詳細は 資料2 をご参照下さい) 物理学研究連絡委員会 (第17期、第9回)が平成 12年5月12日(金)、日本学術 会議大会議室にて開催された。以下に、宇宙線に関係のある部分について報 告する。 〇平成13年度科研費審査委員候補推薦について(報告) 前回委員会の決定に基づき、物理学会、放射光学会、生物物理学会、流体力 学会、高圧力学会、結晶学会、結晶成長学会、応用磁気学会、プラズマ核融合 学会、レーザー学会、形の科学会、原子衝突研究協会の12学協会に候補者の推 薦を依頼した。このうち、結晶成長学会、応用磁気学会、レーザー学会を除く 9学協会から候補者の推薦があった。このうち、第2段審査委員候補者(物理学 会推薦)については、委員長、原子核、物性、物理学一般専門委の委員長が協 議し、学会推薦通りに推薦することを決めた。第1段審査委員については、各 細目ごとに担当する専門委員会で審議し、候補者が決定された。 〇ITER計画W.G.報告について次の方針が承認された。 物研連、核科学総合研連核融合専門委員会合同WGの報告書とし、ここでの議 論のまとめを委員長メモとして付して第4部へ提出することを認める。学術会 議全体へはまわさない。第4部会より上には出さない。核科学研連は複合 領域 であるが、委員長は第4部所属なので、部内にとどめる。 〇物理教育について 物理教育小委員会からの報告について、最初に覧具委員から経緯の説明があ り、続いて兵頭小委員会幹事からの報告書の説明があった。 〇次期物研連委員選出の方法について 従来の方法は次の通り。 (1) 物理分野選出の会員( 5名) (2) IUPAP役員、内12名は IUPAP専門委員会(定数 12)の委員。他は専門分野に 応じて物性物理、原子核、物理学一般のいずれかの専門委員になる。 (3) 日本物理学会からの推薦。IUPAP以外の3専門委員会に各 8名。 (4) 研究グループからの推薦。(物性物理、原子核専門委員会の場合)。 (5) 他研連からの推薦。 原子核専門委員会の定数 (25名) は (1) - (4) により充足される。 物理学一般専門委員会の定数(17)は、(1)-(5)により充足される。 尚、国際組織の役員が研連委員になる場合、研連委員の4期以上の就任禁 止の規則は適用されないという例外規定があるが、物研連としては IUPAP の役員および各 commissionの委員全員にこの例外規定が適用されるもの として理解する。 ◆報告4. 大阪大学・核物理研究センター(RCNP)、及び 名古屋大学・太陽地球環境研究所(STE研) (増田・STE研) (阪大・RCNP) 〇SPRING8との共同研究を進めている。 〇古いスペクトロメータRAIDEN,CARPの処置について検討中である。 (名古屋大・STE研) 〇人事 H12.6.1 - さこ 隆志氏(助手) H12.8.1 - 湯田 利典氏(教授) 〇外国人客員 H12. 9.1 - 12.31 E.Fluckiger H12.10.1 - H13. 1.31 Kh.Arslanov H13. 2.1 - 5.31 I.Axford 〇外部評価を実施することになった。 〇将来計画シンポジウムを開催する。 H12.11.13 - 14 ◆報告5. NASDA 等 (松岡・宇宙開発事業団) 〇NASDA, ISASなど3機関からなる運営本部の設置 〇今後の予定 (ISAS) 2004 ASTRO-E II 打ち上げ。 2005 SOLAR-B 打ち上げ。 (NASDA) 2003 JEM建設開始 2004 SELENE 打ち上げ。 ◆報告6. 第28回宇宙線国際会議 (梶田・ICRR) ○ 準備状況 2000/08 天文学会と応用物理学会の後援を得た。 ◆報告7. 実行委員会報告 (坂田委員長) (a) 新入会者 竹田 成宏 (宇宙線研 学振研究員)、(推薦者); 福島正己、手嶋政廣 (研究歴);明野の AGASAデータ収集システムを構築。AGASAデータを 解析し、GZK cutoff を越えるエネルギーの宇宙線の存在を発表。 現在、TA のオンラインデータ収集ソフトウェアを担当。 寺田 聡一 (計量研究所 技官)、(推薦者); 黒田和明、大橋正健 (研究歴):レーザー干渉計型重力波検出器の開発(学部・修士@学習 院大学、博士・学振 @国立天文台) 干渉計を用いた距離計の校正 (計量研究所) 林 清一 (甲南大理 D1)、 (推薦者); 梶野 文義、坂田通徳 (研究歴);ユタの 7素子テレスコープグループで、Mkn501からのTeV ガンマ線データを解析し、24日周期の統計的評価を行なった。 現在、Cangarooグループで CANGAROOーIII の駆動系を担当。 (b) 退会者 菅野 常吉 (福島市) (c) 名誉会員制度の新設 65才以上の方から退会の申し出のあったときにお願いする。 名称は「OG、OB会員」とする案が出ている。次回学会での総会で決定す ること等を検討している。 ◆報告8. 宇宙線物理学奨励賞 (事務局 水谷) 第1回 (2000年度) 宇宙線物理学奨励賞受賞候補者の募集要領が決まった。 1. 推薦締切 2000年 10月31日 2. 対象者及び論文 1995年4月1日より 2000年10月31日の間に公表された論文(要綱参照の こと)で公表時の対象者の年齢が35才以下であること。 3.推薦・応募手続き 添付の推薦・応募用紙に必要事項を記入し、対象論文の別刷りまたは コピー1部と共に下記に送付・提出のこと。 4. 提出先 CRC事務局 宛て先氏名 : 水谷 興平 宛先住所  :〒338-8570 浦和市下大久保255          埼玉大学 理学部 電話  :048-858-3376 (問い合わせは CRC事務局 埼玉大学 水谷 興平        e-mail : mizutani [at] cr.phy.saitama-u.ac.jp 電話 : 048-858-3376) 5. 発表 2000年12月中旬、CRCニュースにて発表 (予定) *********************************************************************** ◆議題1. 「大学の活性化について」 CRCとしてこうして欲しいということをまとめたいとの議長の言葉を受けて 議論に入った。 [ 討 論 ] ○ 現在、宇宙線はアクティブでない。かっては条件のよくない地方大学に存在 してきた。現在、ほとんどの大学が停滞している。大学が力量を発揮するに は共同利用研の役割が大きい。共同利用研をどうしていくのか、CRCがきちっ とやれない限りうまくいかない。 ○ 具体的に活性化する方法の一つとして、これまでは特定領域研究をとって研 究会を開いて議論してきた。理論や周辺分野も入ってオープンに議論してき た。学生も参加して刺激を受けてきた。今後もこの様なことが続けられる様 に、CRC主導で特定領域研究を要求して欲しい。 ○ 賛成である。宇宙線研究はますます発展すると思う。次期プロジェクトを練 る作業をその様な環境で進めるとよい。特定領域研究を準備する作業を始め て欲しい。 ○ 巨大計画は研究所で進め、大学ではなるべく独立した計画を進めるべだ。 多様化が大切であり、多様性がなくなればその分野は硬直化する。特定領域 研究でも大きい研究所より大学の方が認められやすい。 ★ ほかに意見があればメールか手紙で事務局または実行委員会に寄せてもらう こととし、これらを含んで実行委員会で検討することになった。 ◆議題2. 「CRCおよび実行委員会の運営」 実行委員長より今後の運営方法について意見を聞きたいということで議論し た。 [ 討 論 ] ○ 毎年選挙で委員が交代するのは議論の継続性がなくなるのではないか。 ○ 選挙の方法を変えるべきだ。政策論争をしてのち選挙するとよい。それなら 任期は 2年でもよい。 ○ 推薦するとき推薦理由を記すとよい。 ○ 1年で変わるから形骸化するのだ。 ○ 4─5年続いてもよい。変わりすぎると改革もできない。 などの意見が出された。 ★ これらを考慮して実行委員会で議論していくことになった。 (以上) ************************************************************************* 以 下 本 号 資 料 ( 資 料 1 ) CRC 情報サービス 関係 (a)CRC活動 関係 (1) 4月 6日; 平成11年度第3回CRC実行委員会議事要録 (2) 4月12〜26日; CRC選挙 (3) 4月13日; CRC連絡誌 No.280 発行郵送 (4) 5月 1日; CRC選挙開票 (5) 5月 8日; 会員名簿調査 (6) 5月23日; 平成11年度第4回CRC実行委員会議事要録 (7) 5月23日; 平成11年度第2回CRC総会議事要録 (8) 6月26日; CRC連絡誌 速報-1号 発行郵送 (非メール会員 71名のみ) (9) 7月15日; 平成12年度第1回CRC実行委員会 (10) 9月 5日; (会報)第1回(2000年度)宇宙線物理学奨励賞 受賞候補者の募集   (11) 9月 5日; (会報)平成12年度第1回CRC実行委員会議事要録 (12) 9月18日; CRC連絡誌 No.281 発行郵送 (上記募集要領推薦用紙添付) (13) 9月18日; CRC連絡誌 速報-2号 発行郵送 (非メール会員 67名のみ) (14) 9月22日; 平成12年度第2回CRC実行委員会 (15) 9月23日; 平成12年度第1回CRC総会 (16) 随 時 ; CRC News 配信 (b)「CRC News」メール配信 (No.133 〜 No.181; 計 49件) ○委員会報告;3件 4月25日、大阪大学核物理センター(RCNP)運協報告 6月23日、KEK運協報告    8月 9日、第17回素核研(KEK-IPNS)運協報告 ○公募案内;8件 (項目の詳細は略す) ○研究会案内;15件 (項目の詳細は略す) ○その他のお知らせ;15件 4月13日、柏の宇宙線研の CRC会員の連絡先 4月18日、連絡誌、選挙、会費 のお知らせ 4月19日、CRC選挙のメール選挙用紙配信 4月25日、CRC選挙の投票の呼びかけ 5月 8日、CRC会員名簿確認メール 5月10日、平成12年度CRC選挙の開票結果 5月12日、CRC会員名簿の更新のお知らせ 5月19日、CRC会員名簿の更新のお知らせ 5月26日、「ICRRニュース」40号のお知らせ 7月17日、秋の物理学会プログラムの概略       7月28日、日本物理学会第55回年次大会で託児室が開設      8月10日、CRC会員名簿更新のお知らせ    9月 4日、訃報 ; シカゴのシンプソン氏御逝去    9月 6日、CRC総会 開催のお知らせ    9月18日、物理学会事務局より講演時間変更のお知らせ 随 時 、CRC News の追記 及び一部訂正 4件 ---------------------------------------------------------------------- ( 資 料 2 ) 物理学研究連絡委員会 (第17期、第9回) 議事録(案) 日 時: 平成 12年 5月 12日(金) 場 所: 日本学術会議 大会議室 1. 諸報告 1) 学術会議関係(長岡) 前回以降、総会、部会は開かれていない。 (1) 2002年開催の学術会議共同主催の国際会議として、物研連が推薦した 第23回低温物理国際会議が採択された。 (2) 委員長として、各学協会に科研費審査委員候補者の推薦を依頼した。 2) 各専門委員会 (1) IUPAP専門委員会(郷) 1-1. IUPAP Special Working Group for the Future of Neutronの安岡委 員からこのW.G.の最近の動きの報告があった。このW.G.の第13回の 会議が今年11月、筑波あるいは東海で開かれる。このW.G.の活動を 強化するために中性子線源以外をも扱う Ad hoc working group for international cooperation in large facilities for condensed matter physics を立ち上げつつある。 1-2. 学術会議研究連絡委員会委員の任期は3期までとなっている。 国際組織の役員は例外として5期まで認められているが、この6月に 開かれる総会で、この5期の制限をはずす決定がなされる見通しであ る。IUPAPの各commissionのmember等は、従来、物研連委員に任命す ることにしていたが、来期(第18期)もその方針で行くことを確認し た。物研連としては、これらのmember等は国際組織の役員であると の認識で行く。 (2) 物性専門委員会(興地) 2-1. 物性研、基研、金研、物構研、物性グループ事務局から現状報告が あった。 2-2. 科研費審査委員候補者(固体物性I,II,物性一般)の推薦については物 性専門委員会ですでに承認を得ているメンバーで行なった。 尚、メンバーは専門委員会の幹事3名と委員長を含む6名であり、 物理学会、結晶学会、結晶成長学会、放射光学会、応用磁気学会に 候補者の推薦を依頼したが、結晶成長学会、応用磁気学会からの推 薦はなかった。 2-3. 物性専門委員会から出す予定の対外報告「物性研究拠点整備計画の 具体化に向けて」の審議を時間をかけて行なった。その結果、これ を物性専門委員会の対外報告にすることを専門委員会としては決め た。 2-4. 将来計画との関係で大強度陽子加速器計画の現状報告を永宮氏に、 東大高輝度光源計画の現状報告を寿栄松氏にしていただいた。後者 の話は12日の全体会議でもしていただきたい旨、物性専門委員会か ら寿栄松氏に依頼した。 2-5. 物研連委員の推薦のあり方については次期の委員会で議論していた だくことになった。 (3) 原子核専門委員会(山田(作)) 3-1. 研究所報告、各グループ報告、国際交流関係の報告があり、意見交 換を行なった。 3-2. 将来計画として、JLCの現状報告を岩田氏に、JHFの現状報告を永宮 氏にお願いした。 3-3. 科研費審査委員候補の推薦については、物理学会からの推薦に対し て若干の調整を行なった。 3-4. 来期の引き継ぎ事項を検討した。 (4) 物理学一般専門委員会(江沢) 4-1. 標準研連からの報告があった。 4-2. 物理教育小委員会からの報告があった。 4-3. 科研費審査委員候補の推薦を議論した。 (5) その他 5-1. 応物研連(川久保) JJAPの問題(予算、投稿の量、質、物理学4誌の電子化出版)に関連し て、物理学学術誌刊行協会(IPAP)の構想が報告書の形で出される。 日本からの欧文誌、欧文書の発行の必要性を学術会議で強調して欲 しい。 5-2. 標準研連(清水) 配布資料「標準の研究体制の強化についての再提言」と第16期の提 言の効果についての説明があった。「標準」を科研費の細目に含め る必要性については午後の議題とする。 1. 議題 1) 前回議事録承認 一部修正の上承認された。 2) 平成13年度科研費審査委員候補推薦について(委員長) 前回委員会の決定に基づき、物理学会、放射光学会、生物物理学会、流体 力学会、高圧力学会、結晶学会、結晶成長学会、応用磁気学会、プラズマ-核 融合学会、レーザー学会、形の科学会、原子衝突研究協会の12学協会に候補 者の推薦を依頼した。 このうち、結晶成長学会、応用磁気学会、レーザー学会を除く9学協会から候 補者の推薦があった。 このうち、第2段審査委員候補者(物理学会推薦)については、委員長、原子核、 物性、物理学一般専門委の委員長が協議し、学会推薦通りに推薦することを 決めた。 第1段審査委員については、各細目ごとに担当する専門委員会で審議し、候補 者が決定された。 3) 科研費時限付細目について 清水委員から、標準研連についての報告と関連して、「標準」とい細目を 設けることを5部からは提案されることになっているが、4部からも出される ことが望ましいとの提案があった。 4) 物性物理専門委員会対外報告 最初に委員長から次のような説明があった。 専門委員会による対外報告は、前期までは認められていなかったが、専門委 員会の活動を奨励するという立場から、認められることになった。 「物性研究拠点整備計画」は前期物研連からの対外報告として発表された。 今回の報告はその具体化を目指すものであるが、その内容から物性専門委員 会の対外報告とすることが適当と考えた。 5) 各分野の将来計画について (1) 物性分野 興地物性専門委員長から、拠点整備計画とならんで、大型施設計画も 議論しているが、その一つである「真空紫外線 軟X線高輝度光源計画」 について寿栄松氏に説明をお願いしたいとの申し出があり、承認した。 続いて寿栄松氏から、東京大学高輝度光源研究センター(仮称)の下で上 記の計画が考えられていることとその内容(配布資料)の説明があった。 これに対し、次のような質疑応答があった。 永嶺 : 予算、建設年度は? 寿栄松: 約200億円、3年で完成する予定。 郷 : 他のPhoton Factoryとの関係は? 寿栄松: 他とは強度が桁違いである。例えば東北大から提案されている ものは地域を対象にしているのに対し、これは全国共同研究で ある。先端的技術開発も含んでいる。 江沢 : SPring8の低いスペクトルの部分を使えないのか? 寿栄松: 効率に問題がある。 松岡 : 国際共同利用の可能性は? 寿栄松: 計画が実現するば、国際協力も考える。 永嶺 : 人員体制は? 寿栄松: 固有スタッフ、物性研を含む技官、まわりのユーザーの支援も 期待している。 (2) 原子核分野 原子核分野の将来計画として、リニアコライダー(JLC)計画の現状報告 を岩田氏にお願いし、説明(配布資料: JLC計画)を聞いた。それに対して 、次のような質疑応答があった。 政池: 国際協力は? 岩田: 計画は各地域で進めている。実現のためには国際協力は不可欠で ある。 郷 : 予算的に世界で唯一ということか? 岩田: その通りだが、できるだけ少ない予算を心がけている。 郷 : 理論的には3年程度で実行に移せるとのことだが、どの計画も同じ ように進んでいるのか? 岩田: 難しい質問で、答えられない。 郷 : 他への応用は? 学術的要素はあるのか? 岩田: X線源として使える。 岩田: まだそこまでは行なっていない。 政池: 国際協力で進める努力も続けてほしい。 山田(作): 建設を国際協力で進める方策はICFAで検討中である。 岩田: FEN関係では、DESY,SLAC,KEKの間で検討している。 郷 : 他分野への情報提供は重要である。節目には報告をお願いしたい。 6) ITER計画W.G.報告について 政池委員から報告書(配布資料)の内容説明、永嶺委員から補足説明があっ た。その要旨は次の通りである。 ITER計画検討ワーキンググループ報告(政池) 前回の物研連での現状報告の後、WGで議論を重ね、昨日報告書の最終的 な合意に達したのでその内容を報告する。 WGは、「計画を推進して来た当事者」と「計画に直接関係していない物研 連のメンバー」で構成されているため、WG報告を作成することは困難な作 業であったが、最終的には当事者の方々にも我々の考え方をかなり理解し てもらえたので、報告書としてまとめることが出来た。 我々物研連側のメンバーとしては、物研連WGの提案を受けてこのWGが発足 したこともあり、出来るだけ物研連の議論を報告書に反映するように努力 したつもりである。尚、このWGではITER計画とエネルギー問題との関連に ついては議論していない。 長岡: 今後の進め方としては、次のことを提案したい。 イ. 物研連、核科学総合研連核融合専門委員会合同WGの報告書とし、 ここでの議論のまとめを委員長メモとして付して第4部へ提出す ることを認める。 学術会議全体へはまわさない。第4部会より上には出さない。 核科学研連は複合領域であるが、委員長は第4部所属なので、部 内にとどめる。 ロ. 委員長メモは、政池、永嶺両委員と相談して、委員長の責任で 作成する。メモは後に物研連委員に配布する。 この提案を承認した。 7) 物理教育について 物理教育小委員会からの報告について、最初に覧具委員から経緯の説明 があり、続いて兵頭小委員会幹事からの報告書の説明があった。 8) 次期物研連委員選出の方法について 長岡委員長より次のような提案があり、承認された。 次期物研連の組織は物理分野選出の次期会員の責任で行なわれるが、今期 物研連からの申し送りがとくにない限り、従来通りの方法で委員の選出が なされると思われる。 従来の方法は次の通り。 (1) 物理分野選出の会員 5名 (2) IUPAP役員、うち12名はIUPAP専門委員会(定数 12)の委員。 他は専門分野に応じて物性物理、原子核、物理学一般のいずれかの専門 委員になる。 (3) 日本物理学会からの推薦。IUPAP以外の3専門委員会に各 8名。 (4) 研究グループからの推薦。(物性物理、原子核専門委員会の場合)。 (5) 他研連からの推薦。 原子核専門委員会の定数(25)は(1)-(4)により充足される。 物性専門委員会(定数 21)では(1)-(4)により19名程度までを選任し、残 り2名程度は専門委員会発足後、委員会における協議により決める((5) による委員を含む場合がある)。 物理学一般専門委員会の定数(17)は、(1)-(5)により充足される。 (5)に関しては、IUPAP役員の構成を考慮しながら、応物研連、標準研連 との関連を重視する。但し、他研連から推薦された委員の所属はその方 の研究分野によって決める。 尚、国際組織の役員が研連委員になる場合、研連委員の4期以上の就任禁 止の規則は適用されないという例外規定(従来は5期までの制限があった が、今回その制限も撤廃される。)があるが、物研連としてはIUPAPの役 員および各commissionの委員全員にこの例外規定が適用されるものとし て理解する。 8) 次期物研連への申し送り 委員長から、次の点を申し送りたい旨の発言があり、承認した。 (1) 科学研究費審査委員候補者の推薦。 平成14年度以降も日本物理学会以外の学協会への候補者推薦依頼は継 続する。但し、どの学協会へ何名の候補者の推薦を依頼するかは平成13 年度を参照しながら、各細目ごとに再検討する。 (2) 審議状況の公開。 議事録についての情報公開の方法を検討をする。今期、学会誌への審 議状況の報告が不十分であった。報告が遅滞なくなされるように、物研 連としての体制づくりが必要である。 (3) 物研連委員選出の方法。 日本物理学会以外の学協会への委員の推薦を依頼すべきかどうか。 そのほか、従来からの選出方法の再検討を必要と判断する場合は、早期 に検討を始めてほしい。 (4) 物理教育問題の検討の継続。 今期発表した対外報告では今後検討すべき問題が多く残されている。 小委員会を設置するなどして検討を継続することが望まれる。 以上