********< 原子核専門委員会委員議事録(第18期:第1回) >*********** 日時:平成2年11月8日(水) 13:30 〜 17:00 場所:日本学術会議 5階会議室 配付資料   第18期物理学研究連絡委員会委員名簿   日本学術会議第18期活動計画   物性研究の展望   平成15年度共同主催国際会議の募集について   日本学術会議主催公開講演会の案内   日本学術会議の研究連絡委員会及び専門委員会について   大強度陽子加速器計画ー今年5月以降の動き   宇宙線研究所報告 新委員   二宮正夫、土岐 博、大塚孝治、池田清美、吉村太彦、小林 誠、矢崎紘一、   村木 綏、坂田通徳、木舟 正、福島正己、佐藤文隆、戸塚洋二、駒宮幸男、   駒宮幸男、黒川真一、大島隆義、近藤敬比古、高崎史彦、武田 広   今井憲一、永井泰樹、酒井英行、石原正泰、森 義治、谷畑勇夫、永宮正治 出席者   二宮正夫、土岐 博、大塚孝治、小林 誠、村木 綏、木舟 正、福島正己、   佐藤文隆、駒宮幸男、黒川真一、近藤敬比古、高崎史彦、武田 広   森 義治、永宮正治   日本学術会議の会員である佐藤文隆氏が研連立ち上げ委員として議事進行役をする。 1:新委員自己紹介 2:委員長及び幹事選出   立候補される方がなく、前委員長山田作衛氏の推薦で、欠席であるが矢崎紘一  氏に委員長をお願いすることにした。続いて全体の幹事に高崎を選出した。  また、理論、宇宙線、高エネルギー、原子核の幹事として、二宮、村木、高崎、  今井を選出した。 3:研究所報告  3-1) 基研(報告者:二宮)  - 人事選考中;宇宙物理学教授又は助教授、素粒子論助教授各1名(任期は いずれも5〜10年)採用;COE非常勤研究員3名を追加採用、計7名となる   3-2) 宇宙線研究所(報告者:木舟) - Tibet AS, Super-K, Cangaroo についてそれぞれ助教授、助教授、助手を採用、 - 次期所長の選考開始 - H13年度概算要求:宇宙線望遠鏡計画:文部省留り。H14年に再挑戦 - 柏キャンパス竣工披露(10月13日) - 学術審議会宇宙部会で宇宙線望遠鏡及び大形低温重力波望遠鏡の議論を開始    (* 前者が概算要求の上での優先順位は高い) - 独法化のなかで共同利用研の存在意義をと財政基盤について議論してほしい    との要望 3-3) 素核研(報告者:高崎) - PS部門で助教授2名を採用、COE: 若干名公募中(理論、実験共に)    (* 機構全体でCOE の数は34名) - KEKB は運転を10月10日より再開、現在 までの最高ルミノシティは 2x10^33 (設計値の 1/5)、Belle 積分ルミノシティ8fb-1 を蓄積、来年夏まで正月休み を除いて運転。 - PS は固定標的実験中、K2Kは1月から。 - 概算要求は、JHF立ち上げのために7億減額。 - 大阪での国際会議はほぼ 1000名の参加で成功裏に終了、すばらしい運営が絶賛 された。大阪地区の関係者に感謝 3-4) 核物理センター(報告者:佐藤健次:永井泰樹センター長代理) - 人事(核理論助教授、核実験助手)決定、核理論助教授(9月4日〆切)現在審議中。 また、助教授1名が H13/1月に転出予定。 外国人COE 研究員: RCNP全体で17名(新規9名,継続8名): このうち,核理論 今年度9名(新規4名,継続5名)。若手COE:全体で5名(その内2人が核理論) - 国際会議(GR2000:6月とSpin2000:10月)の会議を無事終了 - Spring8 でのBacksacttered photon beam、大塔コスモ観測所、Cyclotron 等が 動きだした。Backsacttered beamは10 MeV のエネルギー幅で2.4 GeV photonが 2.5 x10^6/sec。これをを使ってK, pi, phi (K+K)の生成を確認。 一方、Cyclotron は相対エネルギー幅 4.5x10^-4で 400 MeV のビームを出す。 BPAC(Cyclotron実験課題採択審査委員会)で12件60日分の課題を採択.Spring8 施設の共同利用のやり方について検討する必要があるとの意見が出された。 - 大塔コスモ観測所では、100Mo の二重β崩壊実験終了。データを解析中. 暗黒物質探索実験:CaF 及びNaI 検出器を用い,現在,進行中. 太陽ニュートリノ問題に関連した太陽熱核反応 3He(3He,2p)4He の断面積測定 装置が完成し,予備実験に成功. - 2002 にIUPAP 主催で国際会議 PANIC を大阪で開催する。 - 来年、阪大創立70周年に合わせて核物理センター設立30周年記念行事を行う。 < Spring8 における Laser-backscattered photon の性能についての補足> 最高 ビーム強度:1E7/sec での運転が許可された. 最高エネルギー: 2.4GeV または,それ以下. エネルギー標識化可能領域: 1.5GeV - 2.4GeV. エネルギー分解能: 15MeV (標準偏差). 偏極: 直線偏光または円偏光. このプロジェクトは高輝度放射光科学研究センターと核物理研究センターとの 共同研究契約のもと,核物理研究センターが全国研究者の共同利用の窓口とな るものである.しかし,現在,共同利用実験のための旅費などが予算化されて おらず,また,核物理研究センターの専任研究者の数が限られているため一定 の制限があるが、「LEPS共同利用に向けての提案」に基づいて,平成13年度よ り開始する予定.なお,この「提案」は,現在審議中で最終案でない。 3-5) 素粒子物理センター(報告者:駒宮) - LEP 実験はHiggs candidates (:2.9 sigma)を確認するために実験を延長す るか否かを近日中に決める。 - COE:1名公募中 - 2/18〜21:白馬シンポ開催 4:各グループ報告 4-1) 理論関係報告(報告者:二宮) - 特になし 4-2) CRC 関係(報告者:村木) - 若手奨励賞を創設 - 12月26、27日に宇宙線共同利用成果発表会を行う。 - 名大太陽地球環境研究所で外部評価委員会を開催、学長より附置研の存在意義 を問われている。 4-3) 高エネルギー(報告者:駒宮) - JLC をどう推進するかを議論中。4月末にR&D 報告会を開催。現在、LC推進会 議が Xーバンド、CーバンドLC、Injector などについての評価の取りまとめを 行っている。年内にMilestone を取りまとめる予定。 4-4) 原子核(報告者:永宮) - 来年秋の 物理学会原子核分会をハワイで日米合同で開催する。 - RHIC (BNL) :6月に1st collision、その後ザイン値の10%まで達した。 - 理研:Phase 1(2003年完成), phase 2(2007年完成)が予定されており、 Phase 2 の予算化が科学技術庁より大蔵に要求。 4-4) 統合計画(報告者:永宮) - 第三者レビューを終了、ポジティブな評価を得た。   (* 報告書の学術ー科学技術上の意義に学問上の意義を書くべきとの指摘あり) - H13年度概算要求 1890億(原研:1150億、KEK:740億)  ただし、現在は、日本新生特別枠を用いて建設着手を要求しており、第1期分 として約1350億が考えられている。 - 運営体制についてのタスクフォースの設置、産業界との話し合い、地元との 様々な話し合いの紹介。60MeV リニアックの建設状況報告 - KEK に新たに専属の事務及び契約担当事務を置く。 5:一般討議 5-1) 素粒子、原子核、宇宙線、宇宙物理関係の科研費の審査委員候補者の推薦を他 の研連に依頼するか否かについて議論し、従来通りとすることにした。 (物性専門委員会は他の研連に推薦を依頼している。) (注:科研費の審査委員の候補者の推薦の推薦について、従来物研連が物理学 会に推薦を依頼し、そのリストをそのまま文部省・学振に推薦リストとし て提出してきたが、たが、昨年は物理学会から物研連に推薦されてきた候 補者を、物研連の核専委が一部調整してから、学振に推薦をしました。) 5-2) 情報公開 核専委の活動をWeb でみられるようにしては、という意見があったが、当面、 電子メールで情報を流すことにし、学術会議のネットが Homepage 整備された らそこにリンクすることにした。 5-3) 今期の学術会議の活動方針について 佐藤氏が、配付資料「日本学術会議第18期活動計画」に基づいて日本学術 会議第18期活動計画の説明をする。吉川会長の強い意向で、「俯瞰的な視野 にたった研究の推進」を大きな柱とし、2つの課題、1)人類的課題の解決の ための日本計画の提案、2)学術の状況ならびに学術と社会との関係に依拠す る新しい学術体系の提案、に取り組む。学術会議には運営審議会が設置され、 この下に数多くの常置委員会、特別委員会が設けられ会員がこれに参加して活 動をする。学術会議を科学アカデミーにすることを指向しているようにみえる。 5-4) 今期の委員会で何を議論するかについて自由討論 様々な討論の結果、以下の2つの問題について次回以降検討することにした。 1)独法化にともなって共同利用研、附置研に関係して発生すると予想される 様々な問題(存在意義、大学での研究との関係、教育問題、財政問題等)。 特に、大学等の研究機関が、研究費の一部を、オーバーヘッドとして取出 すと、金を取れる研究のみが生き残り、現在のように、大型研究への参加 を共同利用研の経費にのみ依存していると、大学に金が持ち込めなくなる 可能性があり、存続できなくなる恐れがある。 2)Spring8, 理研、原研などの他省庁の機関や特殊法人の施設の共同利用の あり方について。 また、65歳定年と研究の進め方についても議論する。