<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.176 (会報)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ********************************************************************** CRC会員 各位 「平成12年度第1回CRC実行委員会議事要録」を送付致します。 2000年 9月 5日 CRC 事務局 〒338-8570 浦和市下大久保255 埼玉大学理学部物理 水谷 輿平、 井上 直也 電話 048-858-3377 FAX 048-858-3377 Email ninoue [at] post.saitama-u.ac.jp Homepage http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/CRC/ の「速報」にも掲載します。 ********************************************************************** ************< 平成12年度第1回CRC実行委員会議事要録 >************ 日 時 :平成12年 7月15日 10時30分〜17時00分 場 所 :東大宇宙線研柏キャンパス 大セミナー室A 出席者:坂田通徳(甲南大:委員長)、村木 綏(名大STE研)、谷森 達(京大)、 梶田隆章(ICRR)、神田展行(宮城教育大)、手嶋政廣(ICRR)、 長谷部信行(早稲田大)、太田 周(宇都宮大)、松岡 勝(宇宙開発)、 宗像一起(信州大)、水谷興平(埼玉大)、西嶋恭司(東海大)、(以上委員) 戸塚洋二(ICRR所長)、井上直也(埼玉大事務局)、林田直明(ICRR事務局) 議 事 (1)平成12年度CRC選挙開票結果 ○事務局(林田)より下記の選出投票経緯の報告があり新委員の確認を行った。 2000年5月1日、綾部俊二氏(埼玉大)の立会人の下に開票した結果、全ての 票が有効であり、定足数 104(有権者数310)に対して、有効投票数 121 (郵便 49, Email 72)であった。メール投票では、全て プログラムによる 自動的な解読・選別・集計の作業ができた。 (a)CRC実行委員会委員長 順位 氏 名 得票 所属機関 1. 坂田 通徳 45 甲南大 次点 村木 綏 17 名古屋大 その他 46 白 票 13 以上の結果、坂田通徳 氏 が委員長に選ばれた(2期目)。 (b)CRC実行委員会委員 (定員12名) 当選順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 当選 1. 村木 綏 53 名古屋大 前委員 当選 2. 鳥居 祥二 41 神奈川大 前委員 当選 3. 谷森 達 37 京都大 当選 4. 梶田 隆章 33 宇宙線研 前委員 当選 5. 神田 展行 30 宮城教育大 前委員 当選 6. 手嶋 政廣 29 宇宙線研 当選 7. 長谷部信行 27 早稲田大 当選 8. 太田 周 24 宇都宮大 前委員 当選 9. 松岡 勝 23 宇宙開発事業団 前委員 当選 10. 宗像 一起 22 信州大 当選 11. 水谷 興平 21 埼玉大 補欠候補 柴田 徹 21 青山学院大 前委員7位 当選 12. 西嶋 恭司 17 東海大 補欠候補 佐々木真人 17 宇宙線研 前委員8位、 同一機関3位 補欠候補 柳田 昭平 16 茨城大 前委員9位 補欠候補 榎本 良治 15 宇宙線研 同一機関4位 補欠候補 南條 宏肇 14 弘前大 その他 241 白 票 108 以上の結果、上記の当選 12位までの、12名の方が委員に選ばれた。 (注1)委員長に投票された次点以下の方の票は、委員の票に加算される。 (注2)「委員12名中、前年度委員が6名を越えることはできない」規定により、 前委員7位の柴田徹氏と、前委員8位の佐々木真人氏は委員とならない。 (注3)「同一機関から選ばれる委員の数は、2名を越えることはできない」規定 により、宇宙線研の佐々木真人氏は同一機関3位であり委員とならない。 (注4)もし欠員等が生じた場合、上記の補欠候補の中から、上記(注2)、(注3) の規定を考慮した上で、繰り上げ選出される。 (c)第18期物研連・原子核専門委員会委員推薦候補者 (定員7名) 推薦順位 氏 名 得票 所属機関 備 考 推薦 1. 村木 綏 56 名古屋大 推薦 2. 坂田 通徳 25 甲南大 推薦 3. 木舟 正 19 宇宙線研 推薦 4. 松岡 勝 19 宇宙開発事業団 推薦 5. 谷森 達 17 京都大 補欠候補 福島 正己 16 宇宙線研 同一機関 黒田 和明 15 宇宙線研 同一機関 荒船 次郎 9 宇宙線研 3期委員 補欠候補 山本 嘉昭 8 甲南大 同一機関 太田 周 7 宇都宮大 3期委員 推薦 6. 柳田 昭平 6 茨城大 推薦 7. 鳥居 祥二 5 神奈川大 ジャンケン勝 補欠候補 長谷部信行 5 早稲田大 ジャンケン敗 以上の結果、上記の推薦 7位までの、7名の方が候補者として推薦された。 (注1)学術会議の規則により、物研連委員を4期以上務めることはできない。 これにより、荒船次郎氏と太田周氏は被選挙権を有しない。 (注2)「委員候補者の選出は、原則として同一機関から1名とする」規定 により、福島正己氏、黒田和明氏、山本嘉昭氏は推薦されない。 (注3)「同票の場合は、本人に連絡のうえ、くじ引きにより決定する」規定 により、メールジャンケンを実施して勝者を推薦候補者とした。 (2)新入会員 以下の2名の希望者について紹介があり、両名とも入会が承認された。 竹田 成宏(宇宙線研 学振研究員)、 (推薦者):福島正巳、手嶋政宏 (研究歴):AGASAデータ収集システム開発。GZK cutoff 以上のエ ネルギーを持つ宇宙線の検出。TAオンライン収集ソフト開発。 寺田 聡一(計量研 技官)、 (推薦者):黒田和明、大橋正健 (研究歴):レーザー干渉計型重力波検出器の開発。 干渉計を用いた距離計の校正。 (3)退会者 菅野 常吉氏(無所属)の退会を承認した。 (4)CRC事務局の新体制の件 ( CRC Homepage 速報-89; 平成11年度第3回CRC実行委員議事要録 参照) 事務局林田氏より宇宙線研究所で引き受けている「CRCPOST」の呼び名を 「CRC事務局宇宙線研支部」へ変える提案があり、それを了承した。 (説明) 昨年度までは、CRCの関連機関、近隣分野の団体等から種々の依頼、 ニュースが宇宙線研のCRC事務局へ「CRC事務局宛」で送られて来た。この 様な依頼・ニュース等の宛先は外部に対してあまり変わらない方が良い。 宇宙線研の「CRCPOST」はCRC会員向けのみを想定してつけた名称である。 外部から見てもCRC内部から見ても適当な呼び名を付けた方が良い。 この様な事から。 (a)「CRCPOST」の呼び名を「CRC事務局宇宙線研支部」に変更する。 (b)「CRC事務局」は従来通り担当大学(現在埼玉大学)の名称とする。 参考までに具体的に列挙すると、以下の様な業務分担になる 。 ○「CRC事務局」の業務。 ・ 実行委員会(年4回)、総会(年2回)の準備から議事要録作りまで。 ・ 実行委員長、実行委員との連絡 (特に実行委員会の前など)。 ・「CRC事務局宇宙線研支部」との連絡(実行委員会用の資料取り寄せ等)。 ○「CRC事務局宇宙線研支部」の業務。 ・ 関連機関、近隣分野の団体等から種々の依頼等の受け付け窓口。 ・ CRC News ; 配信依頼メールの受付と会員への配信 (各種委員会報告、 研究会案内、公募案内等)、 ・名簿; 会員の移動、入退会の連絡受付、 ・ 会費; 会費の受付と会計処理、 ・連絡誌; 発行と郵送、 ・「CRC事務局」との連絡、 ・ホームページの管理、 ・CRC選挙事務。 (5)各種委員会報告(村木)    (a) 高エネ研運営協議会:助手に関して任期3年制(厳守)の導入を検討中。 ( CRC Homepage 速報-111; KEK運協報告 参照) (b) 核物理センター:助教授、助手を公募中 ( CRC Homepage 速報-93; RCNP運協報告 参照) (c) STE研:新任助手(さこ隆志氏)、教授(湯田利典氏)の採用を決定。 (d) 物研連: ・現在、次期委員会委員の選出が行なわれている。推薦候補選出に 関する方式を十分理解していなかったため、物理学会からの推薦 委員候補の名簿にCRCから出さなかった。今後充分に注意したい。 ・核融合試験炉η計画(5000億)の位置づけについて議論した。 ・物理教育の改善について答申した。 (6)CRC事務局活動報告(林田) (a)CRC活動 (1) 4月12〜26日; CRC選挙 (2) 4月13日; CRC連絡誌 No.280 発行郵送 (3) 5月 1日; CRC選挙開票 (4) 5月 8日; 会員名簿調査 (5) 6月26日; CRC連絡誌 速報-1号 発行郵送 (6) 随 時 ; CRC News 配信 (b)CRC連絡誌 速報版 「CRC News」を簡素な冊子に編集し、「CRC連絡誌-速報-1号」として 「非メール会員」(71名)に郵送した。 年に3〜4回発行する予定。 (c)CRC News メール配信 ○委員会報告;5件 4/6; 平成11年度第3回CRC実行委、4/25; RCNP運協、 5/23; 平成11年度第4回CRC実行委、6/23; 平成11年度第2回CRC総会、 6/23; KEK運協 ○公募案内;6件 4/5; 名大STE研教官、5/1; 山形大理助手、 5/16; 都立大理助教授、 5/30; ICRR教官3件、6/21; 東工大理工教授、7/7;大阪市立大理教授 ○研究会案内;10件 4/6; 学会シンポジウム企画、 4/13; ニュートリノ研究会、 4/25; IEEE Nuclear Science Sympo、4/25; Geant4講習会、 5/9; ニュートリノ研究会、 5/16; 学会合同セッション、 5/29; 学会・合同シンポジウム、 6/12;ニュートリノ第2回研究会、 6/14; 学会シンポジウムと特別講演、6/21; EUSOワークショップ ○その他のお知らせ;9件 4/13; 柏ICRR会員連絡先、 4/18; 連絡誌、選挙、会費、 4/19; メール選挙用紙配信、 4/25; 選挙投票呼びかけ、 5/8; 会員名簿確認、 5/10; 選挙開票結果、 5/12; 名簿の更新、 5/19; 名簿の更新、 5/26; ICRRニュース40号 ( 詳細は、CRC Homepage の「速報」に掲載しています。) (7)宇宙線関係各プロジェクト報告 (a) TA(手嶋) 宣伝活動の強化、それに関して新既パンフレットの配布があった。 超高エネルギーニュートリノ、ガンマの検出が宇宙線起源解明に 果たす役割が大きい。EUSO計画とは競合しないだろう。 (b) カンガルー(谷森) 10m鏡が稼働。 (c) 重力波(神田) 柏で干渉系の実験予定。低温実験についてのR&Dを予定中。 TAMAはこの夏、10日ほどデータ収集予定。 2000〜2002年にかけて、2ヶ月の観測を予定。 (d) DUST加速器(長谷部) 東大にて 100kV、DUST加速器が9月より稼働予定。 東海村に新加速器が稼働中。 (8)宇宙線物理学賞、宇宙線物理学奨励賞 H12年3月31日のCRC総会で紹介した案について議論した。 (宇宙線物理学賞) 「当初は良いとしても、300人程度のCRCで毎年 賞にふさわしい人が出せる か?」 「特別賞の様な形式で不定期にするという方法をとったらどうか?」。 「その賞の重みはどの様なレベルと認識するか。慎重に詰めるべきである」 「特別賞の様な形式で不定期にする」「その賞の重みはどう認識するか」 などの意見が出て、今回は賞の制定を見送ることにした。 (宇宙線物理学奨励賞) 「賞を開始した当初は候補者が多く出るだろうが、数年もすると候補者の数 が少なくなってしまう様な事は無いか? 候補者数が毎回5人以上ある事 が望まれるが、長期的に人数を維持できるか?」。 「応募者数の見込みを考えると、将来は領域の枠を素核宇の分科会程度にま で広げ、他分野と協調して運営したらどうか」などの意見が出た。 結論として、他分野が既に実施していることを考え、将来は周辺の他分野と 協調して運営することも視野にいれて、下記要綱により今年度より発足させる ことにした。 賞の選考委員会委員を、宇宙線関係者として委員長の水谷興平氏のほかに 手嶋政宏氏と長谷部信行氏、理論関係委員として荒船次郎氏、高エネルギー実 験関係委員として渡辺靖志氏(東工大)、天文学関係委員として槇野文命氏(宇 宙開発事業団)に依頼することにした。尚、この委員の任期は2年程度とする ことにした。 ---------------------------------------------------------------------- 宇宙線物理学奨励賞要綱 (案) (2000.07.15 実行委員会制定) 1.賞の趣旨 広い意味の宇宙線物理学の優れた若い研究者を褒賞し、宇宙線物理学 の将来の発展に資するため、宇宙線物理学奨励賞を設ける。 2.賞の対象分野 対象分野は広い意味での宇宙線物理学とする。 3.賞の選考委員会 選考委員と同委員長は宇宙線研究者会議(CRC)実行委員会で選出し、 構成は、 宇宙線関係者(選考委員長を含む) :3名、 理論関係者 :1名、 高エネルギー実験関係者 :1名、 天文学関係者 :1名 とする。 4.賞の候補者の募集 賞の候補者はCRC会員による推薦、または本人の自薦により募る。 5.対象者は、過去5年間に奨励に値する論文を発表した者のうち、将来重要 な貢献が期待できる研究者とする。 6.1年に1回の選考とし、賞の授与は各回 原則として1名までとする 。 該当者がいない場合もある。 7.公表時(脚注)35才以下の若手による論文を対象とする。ただし、 学位論文を重視する。共同研究に基づく論文では、対象者の寄与が 本質的であることとする。 8.賞状と賞金をCRCより贈呈する。賞金の額はCRC実行委員会が別に定める。 9.講演 受賞者は原則として受賞後の物理学会で特別講演を行なうこととする。 10.選考日程 締め切りは原則として9月末日、選考は 10月〜11月の間に行ない、 11月末に結果を発表する。春のCRC総会で授与式を行なう。 (脚注)博士論文は審査を通過した時点、ほかの論文は雑誌に掲載もしくは プレプリントが発行された時点とする。 -------------------------------------------------------------------- (9)名誉会員的な制度の新設 前年度の実行委員会の審議を引き継いで議論した。 ○「連絡誌郵送などCRC関連情報を提供するが会費は頂かない」 ○「65才以上で、退会の申し出をされたとき、移行をお願いする」 ○「選挙権はなしとする」 ○「それまでの会員年数は15年以上とする」 ○「名称は「OB・OG会員」とする」 など、ほぼ合意を得たので、これらを委員長がまとめ、次回の実行委員会 ぐらいに決定することにした。 (10)2003年第28回国際宇宙線会議 ( 28th ICRC ) 組織委員会の梶田氏より、4月末に日本学術会議に日本での開催の連絡書を 提出したこと、5月半ばに IUPAPへサポートの申請をしたこと、12月末まで に日本学術会議に物理学会から共同主催申請書を提出しなければならない こと、このために近々、暫定組織委員会、暫定プログラム委員会のメンバ ー等を決めなければならないこと、などの準備状況について報告があった。 会議の構成としては、従来通りの OG、SH、HE のほかにプレナリーを主と した重力のセッションを加えることにしているとの報告である。 尚、会場は「つくば国際会議場エポカル」である。周辺にコンビニエンス ストアやレストランも増えており、また徒歩10分ほどのつくばセンターに はレストランも多く昼食にも問題はないとのことであった。 (11)宇宙線研究所関係の諸報告(戸塚所長) ○宇宙線研究所の外部評価が終り、近々その内容がオープンになる。 ○国立天文台の海部台長とLMSAおよびTA・重力波の計画推進につい て相互に支援し合って行くことを確認しあった。 これらの計画につい て近々学術振興会に提出する資料を作成する必要がある 。 ○全国研究所長会議で独立法人化に対応する議論を進めている。 研究所の連携や統合の議論がなされている。 (12)CRC関連諸大学の活性化の方針 前年度の議論を引き継いでフリートーキングした。 ◆活性化を具体化するためには、現在の研究費等の運用、システムの改善が多 くの点で望まれる。CRCとしては、具体的に改善してほしい事項を検討して、 研究団体として格調高いアッピールにまとめて関係する諸機関に提出してい く出していくのが望ましい。これはそれなりに意味のあることである。 この視点立って次の様な事項が議論された。 ○各大学のスタッフの数は2名までという現状が問題である。それを補う意味 で、各大学の研究費等でポスドクが自由に取れる様になるとよい。科研費で もこれがきちんと出来る様になると良い。 ○特定領域研究の研究費の使途の枠を広げるよう要求していくとよい。 ○宇宙線では伝統的に海外でのプロジェクトが多いが、この様な研究がやり易 い様な環境をつくるにはどの様な事柄があるかを研究し、具体的に要求して いくとよい。 ○各大学では、スタッフが少ない環境のなかで、学生教育と大学運営のための あらゆる業務・会議に時間を取られている。個別研究や特定領域研究等の分 担研究において充分な成果を出すために、たとえば半年自由な時間が取れる 様に制度的に保証されるとよい。 ○著者数が多いことなどで他分野に認められ難いことがあるが、これ等につい ては、宇宙線分野としての研究形態等の特徴を研究し、整理したものをまと めて、アッピールしていくとよい。 アッピールの形にまとめることについては次回の実行委員会で議論することに た。 更に、次の様な討論が行なわれた。 ◆発展する分野は必然的に活性化する。多様な研究が存在する分野は発展する 。一極集中させてしまうと各大学の発展が阻害される。最近の大型研究は研 究の成果目標が単一化し、各大学は研究成果で独自性が出せなくなっている 。一方、X線宇宙物理の分野では SNR、SN、銀河等各大学が特徴をもって貢献 している。Telescope-Arrayも CANGAROOもこの点から見ると考えられる研究課 題がきわめて少ない。この様な問題を解決する試みとして、各大学で研究の R&Dを行ない、新しい芽を出させ、またCOEの形成の可能性のあるところで はその方向で取り組む事が考えられる。 ◆KEKは大学院生にとっては、別の大学から来ている若手と交流し、勉強し研究 者として育つ上で良いところであったと思う。 ◆TAは今開発段階であり、参加大学ではsimulationなど重要な貢献をしている。 ◆以前のCRCでは、理研、立教、名古屋、大阪市大、神戸が大きなグループだっ た。これらの大学には数人のスタッフがいて、チームワークが良ければ良い 研究成果を出していた。現在は講座費は減り、科研費がどんどん増えて1,400 億円台に到達した。今後もこの傾向は変わらないだろう。し従って元気のあ るところへ研究費が集まるだろう。例えば宇宙線研究所以外に、京大を極と したり、大阪市大を中心としたりして計画を立てていく様な形も作っていか なければならない。そうしなければ学問が窒息する。 ◆宇宙線研究所では大プロジェクトを立て、一方では地方大学もCOEなど極にな る様な研究を行なっていく。 ◆各大学独自の開発研究(例えば粒子線、SH系、ダスト、年代測定など)を行な っているが、研究が進展して中規模の計画となって来ると ICRRからのサポー ト、宇宙線分野としてサポートをして頂かないと、一定以上伸びることが出 来ない。 ◆研究は旧帝大だけでやれるのか? 少人数のスタッフしか持たない大学はどう するのか? 我々の大学に COEのポストが取れれば良いが、それは出来ない。 今後「COEの分室制」などを作り、小さな大学でもCOE研究員が取れる様にな るとよい。 ◆今のシステムでは光熱費は出せず、人も雇えない。1人のPost Doc. で 500万 円/年要る。 ◆科研費で人が雇えないのは絶対的なものではない。科学技術庁関係では弾力 化が進んでいる。学術振興会から人が派遣されて来る形をとっている。井上 財団でも可能にしてくれている。 (13)次の時代の宇宙線関連分野の将来計画の策定 ◆松岡委員より、飛翔体(ここでは宇宙ステーションに限る)を用いた宇宙物 理学研究の今後について紹介があった。 NASAでは宇宙線観測と全天X線モニタリングに今後重点をおくことに なっている。NASDAでは既に決まっている第1期の3ミッションに続く 2007年頃以降の打ち上げとなる第2期の計画のAOを2001年3月以降にまと める計画ガ進んでいる。イタリヤでは EUSOのR&Dから搭載への採択の可否 が今年度後期に決まる。NASAは第一期の AMSは決まっているが、それ以降 は宇宙線観測では ACCES や ECCO等 R&D が進んでいるが決定はまだなさ れていない。ESAでも第一期のペイロードは宇宙線以外で太陽観測や基礎物 理の小型装置が決まっているが、第二期以降はまだ決まっていない。 第二期以降の装置については、NASDA, NASA, ESA で研究提案者の意向 を尊重して事務的な調整をやることになっている。NASA では OWLを宇宙 ステーションでやる計画は当面なさそうであるが、米国の研究者は OWLを 単独衛星でやる提案もある。 将来計画の策定のために特定領域研究のグルーピングを宇宙線研究所に やってもらうとよいとの意見が出て、これについて次回の実行委員会で議論 することにした。 ◆これに続いて以下の意見が出された。 ○宇宙ステーションの利用は当面、検出器の開発をするには役に立つだろう。    R&D をやって10年のタイムスケールで結果をだすことを期待することにな ろう。 しかし日本としても、長期的なdiscussionをしていくことは重要だ と思う。 ○飛翔体による研究の過去を振り返ってみると、研究成果が出始めるまでにX 線でも太陽でも赤外線でも約15年はかかった。飛翔体の打ち上げにはリスク が常にある。地上で出来るものがあればそれをやって、一定の成果を出しつ つ、実力と研究者のcommunityを形成する。そうすればチャンスが来て飛翔 体へ乗せるには2〜3年で対応出来るような実力をつけることも出来るだろう。 ○CRCは特定領域やCOEの研究計画をグルーピングして、CRCがサポートの文章 を書くというかたちは有効であると思われる。 (14)その他 物理学会でのシンポジウム・特別講演として、春の年会では、 ○ 宇宙塵関係 ○ 年代測定関係 のシンポジウムを企画してもらうことにした。また、特別講演として、 ○ W. Ian Axford氏の「粒子加速」の推薦があった。