********************* < EUSOワークショップ2000 > *********************** EUSO (Extreme Universe Space Observatory)は、Sub-ZeV (10^{20}eV) 宇宙線が 大気中につくるエアシャワーを、軌道上から観測すると言う斬新なアイデアに基 づいた計画です。Sub-ZeV宇宙線は、地上実験で確実に存在していることはわかっ ていますが、検出された数はあまり多くなく、どうしてそんなものが存在できる のかさえわかっていません。EUSOは、軌道上から見ることによって、監視する面 積を飛躍的に増加させることを目標としています。これにより、年間1000個を超 えるSub-ZeV宇宙線を検出できる見積もりになります。こうなれば、いろんなこと がわかってくるに違いありません。 また、高エネルギー物理として見ても、加速器でもまったく到達できないエネル ギーの相互作用を直接調べられる、相対論の破れの検証、量子重力効果など基本 的な物理法則をチェックできるなど、現在、沈滞気味の物理学に、大きなフロン ティアを提供することになるでしょう。やはり、物理はエネルギー・フロントを 開拓しなければ、ワクワクしません。 また、これぐらいのエネルギーになりますと、相互作用の少ないニュートリノで さえ大気中で、エアシャワーを起こしますので、EUSOで検出できます。到来方向 やエネルギーも決まります。KAMIOKANDEが切り開いたニュートリノ天文学の扉を、 EUSOが大きく開くことになるでしょう。 このワークショップは、EUSOが科学に与えるインパクトについて語り合う場にし たいと思います。興味ある人は、奮ってご参加ください。参加希望者は (ebisu [at] atlas.riken.go.jp) まで、ご連絡ください。若干、旅費の援助ができる かもしれません。必要な人はその旨ご連絡下さい。 このメールは転送歓迎です。 戎崎俊一(理化学研究所情報基盤研究部) ------------------------------------------------------------------------- EUSOワークショップ2000のお知らせ Sub-ZeVのエネルギーを持つ宇宙線粒子を捉えるOWL/Airwatchプロジェクトの一環 として、このたび EUSO (Extreme Universe Space Observatory)が、ESAに採用 され、宇宙ステーション(ISS)コロンバスモジュールへの2005年設置を目標に、技 術的な検討が進められています。日本でも、ISSを多角的に利用する一貫として、 佐藤文隆(京大)、梶野敏貴(国立天文台)、戎崎俊一(理研)らを中心にその 科学的、技術的な検討が進められてきました。その一つが、昨年6月に宇宙開発事 業団、筑波宇宙センターで行われた、シンポジウムでした(集録は会場で手渡し の予定です)。理研の清水裕彦が率いるグループでは、EUSOの十分の一のプロト タイプc-EUSOを今年中をめどに作る計画が進行中です。このたび、EUSOプロジェ クトの代表者であるパレルモ大のLivio Scarsi教授が来日するので、下記の要領 でEUSOが与える科学的なインパクトについて検討するワークショップを開催した いと思います。EUSO計画についての詳細については、 http://stj.riken.go.jp/~shimizu/euso/ をご覧ください。 なお、このメールは転送可能です。世話人としては、できるだけ広く配布され、 多くの方参加されることを望みます。参加希望者は、一応、戎崎 (ebisu [at] atlas.riken.go.jp)まで、ご一報いただければ幸いです。 また、当日午後6時からは懇親会(会費1000円)を催しますので、奮ってご参加く ださい。 世話人 佐藤文隆、梶野敏貴、戎崎俊一 ----------------------------------------------------------------------- EUSOワークショップ2000プログラム(6月20日版) 日時: 西暦2000年6月27日(火)午後1時から5時 場所: 理化学研究所和光キャンパス 新食堂二階第一小会議室 13:00-13:10 Opening Remarks (H. Sato: Kyoto U.) 13:10-13:50 Extreme Universe Space Observatory Mission (Livio Scalsi: U. Palermo) 13:50-14:20 Centi-EUSO(H. M. Shimizu: RIKEN) 14:20-14:50 EHE Cosmic Ray observations and Telescope Array Project (M. Teshima: ICRR) 14:50-15:10 CALET (J. Nishimura: Kanagawa U.) 15:10-15:30 HETE and MAXI (A. Yoshida: RIKEN) 15:30-15:50 SNAP/SHOUT/Space SUBARU (T. Handa: U. Tokyo) BREAK 16:00-16:20 Violation of Lorenz Transformation (H. Sato: U. Kyoto) 16:20-16:40 High-Energy Neutrino Source (H. Sato: U. Kyoto) 16:40-17:00 Multiple sub-jets model of GRB (T. Nakamura: Yukawa Institute) 17:00-17:20 Optical/UV Flash Associated with Lightning (Y. Takahashi: Tohoku U.) 17:20-17:30 Closing Remarks (T. Ebisuzaki: RIKEN) BREAK 17:50-18:00 Reception at Hirosawa Club