平成11年度第2回CRC総会議事要録 日 時:平成12年3月31日、17:25〜19:00 場 所:近畿大学 日本物理学会 SK 会場 出席者:(敬称略五十音順) 荒船次郎、伊藤好孝、井上直也、榎本良治、 大内達美、大林由尚、笠原克昌、梶野文義、金行健治、亀田純、 川口節雄、神田展行、菊池順、木舟正、倉又秀一、黒田和明、 小早川恵三、齋藤敏治、坂田通徳、佐々木真人、柴田徹、杉本久彦、 鈴木洋一郎、田村忠久、手嶋政廣、戸塚洋二、中畑雅行、西嶋恭司、 林嘉夫、林田直明、日比野欣也、福島正己、堀田直己、増田公明、 松岡勝、松原豊、三浦真、水谷興平、村木綏、森山茂栄、安野志津子、 山本嘉昭、湯田利典、吉越貴紀 (以上44名) ◆議長選出 実行委員会からの推薦で、神田展行氏に お願いした。 ◆報告1. 事務局 (林田) (a) 御逝去 平成11年11月12日、立教大の 蓬茨 霊運さま が御逝去されました。 謹んで御冥福をお祈り致します。 (b) 退会者 木野 茂 (大阪市大) 太田 清 (埼玉大) 3月30日の実行委員会で、了承された。 (c) お知らせメール配信 委員会報告;7件、公募案内;9件、研究会案内;10件、その他;17件。 ( 詳細は、CRC Homepage の「速報」に掲載しています。) (d) 平成11年度CRC会計収支報告・会計監査報告 (会計:岡田淳) 収入合計(繰越含) 1,367,891 円 支出合計 353,066 円 収支残高 1,014,825 円 (詳細は、平成11年度第4回CRC実行委員会議事要録を参照) -------------------------------------------------------- 上記報告通り適正に処理されていることを認めます。 平成12年3月29日 会計監査 日比野欣也(神奈川大)、 本田 建(山梨大) -------------------- --------------- ◆報告2. 宇宙線研究所 (戸塚) (a) 人事; 湯田利典教授 退官 所研究員2名追加 -->3名となる。 COE研究員4名 (b) 外部評価委員会;2月1、2日に行なわれた。 小田稔先生以下4名で、研究の現状と将来計画の評価を お願いした。近日中に結果が出る予定。 (c) 所は柏新キャンパスに移転した。; 共同利用研究にお越し頂きたい。 共同利用宿舎と食堂は、5月から運用の予定。 (d) 平成13年度概算要求には、所として、TA計画を重点として推し進めていく。 ◆報告3. 原子核専門委員会 (湯田委員) * 日時; 2000年2月22日 (次回は5月11日) (1) 各研究所報告 ○核物理センター(阪大) レーザ光を逆コンプトンで叩き上げて 2.4GeVのガンマ線ビームが出来た。 強度は 5 x 10^6/sec。 ○KEK ◇KEKB(BELL実験) 10月12日から運転再開、真空洩れ修理の後、2月からルミノシティー最大。 最終的に 1 x 10^(33)/cm^2sec。最高1日当たりの積分量は48/pb、BELLは 今までに 0.8/fbのデータ収集(BBbarが80万イベントに相当)。 夏までに約5/fbを期待。 ◇長基線ニュートリノ振動(K2K) 早い取り出し期間; 10月30日〜11月24日、1月14日〜3月24日 昨年のデータ;SKでの期待値(振動がない時)約12に対して、観測値は3イベ ント。今年に入ってからデータ収集は順調。きれいなミューオンイベントも 観測。電磁ホーンが完全でないので改良予定。 ◇大強度陽子加速器計画(KEK + 原研) 文部省、科技庁共同の第3者レビュー中。運営体制が原研側と噛み合わない (共同利用に対する不信?)。 H12年度内示は中性子科学研究(原研)3,102百万 円、陽子加速器高度化の技術開発(KEK)214百万円。 ○素粒子国際センター(東大、4月からセンター長は駒宮氏) 2003年に10年の時期が来る。LEPは順調にエネルギー上昇。 一昨年189GeV-->昨年5月192GeV、10月には202GeVと204-206GeVまで可。 ヒッグス、超対称性粒子等の探索を行なっている。Higgsの質量110GeVまで探 索する。気配もない時は中止(7月にLEP Committeeで決める)。 (2)各グループ ○理論 素粒子サブグループ責任者;青木氏(筑波大) 原子核サブグループ責任者;赤石氏氏(KEK田無) ○各物理 核物理委員会委員の選挙中。2001年秋の分科会(宇,理,高は沖縄)はアメリカ 物理学会と共催でハワイ。 ○高エネルギー ◇JHFに関してのワークショプ JHFにHEのどんなグループが含まれているか、その活動状況を知るため。 ◇リニアーコライダー 1986年から高エネルギー次期基幹計画になっているリニアーコライダー推 進委員会。次回にR&Dレビュー。 (3)国際交流 ○IUPAP 2003年の国際会議申込は12月末が締め切り。現在のところ宇宙線国際会議だけ。 物研連では推進を決めた。 ○ICFA (2月10-11日 Rutherford Lab) ◇Global Science Forum 準備委員会 <--ICFAとは無関係。 高エネルギー物理の計画を役人レベルで議論する。4月にどの様なWGを作るか。 組織等について議論する。 ◇Linear Collider GSFの政治的足枷がかかる前に、JLCの独自プランを作る必要がある。5月には 設計と予算を報告する。 ◆報告4. 物理学研究連絡委員会(山本委員) *日時; 2000年2月23日 (今期の最終回は5月12日) ○第28回宇宙線国際会議日本開催を学術会議へ推薦決定。しかし学術会議共催は 1年に8件。 ○トカマク・プラズマ核融合炉(ITER)検討小委報告。物研連側は「基礎研究の重 要性」X 5部の核融合研連側は「実用、エネルギー生産が特別の意味あり」を 主張。学術会議として統一意見を出すかどうか重要課題。 ○科研費審査委員、核関連は物理学会から推薦された12名から核専委の小委員会 で6名推薦する。公表しない。 ○新物研連委員の選出。核関連(宇、理、高、原)は「学術会議会員+IUPAP+各 分野」でバランスとる。 ○天文研連からLMSA計画の説明(福井他2名)。10m径50台(400億円)、水蒸気量の 少ないアタカマ砂漠(5000m)。 ○戸塚委員が Telescope Array計画について説明、物研連はこの計画を支持する ことになった(64億円)。 ○物理教育問題小委の中間報告と議論。今後採用される教科課程・教科書の研究 の重要性が確認された。新課程では2006年大学入学生から 波動の式 sin( 2πt/T + x/λ)や対数(log)を知らないことになる。 ◆報告5. 素核研(KEK)、阪大RCNP研、名大STE研 (村木) (KEK運営協議会); 1月14日(第15回);(詳細は、CRC Homepage 速報-72 を参照) ○菅原機構長の報告 (1)学術審議会の加速器部会は、今期3月で終了する。科学技術会議に統合され るが、加速器部会が残るかどうかは不明。引き継ぎ事項を検討中。 (2)独法化について共同利用研の意見が広く分布しておりまとまりにくい。 大学の自立性(学問の自由)の確保、中期目標の自主的決定は尊重されな ければならない。共同利用研が大学と一緒に進んでいくことは行革審に認 めてもらったが、法人格を持ったからといって自主性が保証される訳では ないので要注意。 (3)文部省の評価機構。科研費の審査会のような組織を検討しているようだ。 教官14名を決め、評価の在り方の研究や、評価するデータの研究をする。 事務官は52名。運営協議会や評議会ができる。あらゆる分野をカバーする 委員会ができる。10個位の小委員会の下に分科会が作られ、そこが実行に あたる案。 2月中に結論がでる。 (KEK運営協議会); 2月4日(第16回);(詳細は、CRC Homepage 速報-74を参照) ○菅原機構長の報告  (1)学術審議会の最終総会が2月1日あった。バイオサイエンスの推進を建議。    21Cは生物学の時代であると言っている。加速器関係では原子力部会と加速 器科学部会合同の統合計画}評価委員会を設けて,評価作業中。省庁再編に 伴って、学術審議会も改編となるが、大方の委員は再任の予測。  (2)COE関係では、今期7件を認めた。日欧国際ニュートリノ振動実験(Opera)、    海洋生命系ダイナミックス等。重力波天文学と初期宇宙センターの2年延長 も認めた。宇宙線研のγ線ポイントソースも認めた。物理関係は低調だと 言われているので、いい計画を提案してもらいたい。 (3)ICFA関連    OECDで高エネルギー物理に関しglobal science forumに向けた動きがある。 政府関係者も入れて議論すべきであるとの意見が米には強い。しかし、 ICFAとしては研究者が主体となって、グローバルlabの可能性をまず追求し たい。remote control で運転する加速器の建設、国際的な共同研究体制の 実現を目指したい。研究者の考えがまとまった段階で、政府に働きかける。 (RCNP運営委員会); 2月2日;(詳細は、CRC Homepage 速報-80 を参照) ○LEPS(SPring 8を使った実験):    最終的にレーザー強度を5wに上げ5×106γ/秒までゆくことがわかった。 2000.3 より実験開始。φ中間子光生成実験を3月−6月実施する。    2000.4 共同利用実験開始。QーPACで決める(RCNPの人を含んでいないと利 用できない。事故が起こった時の責任の問題から)。    2001〜2002年に偏極ターゲットを用いた実験を開始。 ○Numatronについて    旧核研のNumatronの Tarn IIの移管の可能性について、KEK物質構造研所長 の木村氏から打診があった。RCNP内部で検討した。1.1GeV1nAで加速可能で ある。しかし15億円が要る。12月13日,14日、中期計画を考えるワークショ ップが開かれ検討したが、Tarn IIの移転はしないことに決めたとの所長報 告があり、運営委員のメンバーから、もう少し慎重に考えるべきではなか ったかとの強いコメントが複数の委員から出された。 センター側からは、 維持するために、新しく15億円が必要となり4人のスタッフが要る。世界的 な物理を出せるというプランを研究者集団自身からだしてもらいたかった。  マンパワーや維持費の見込みがたたないからだとの見解が示された。セン ターの将来構造にも関連しており、eA collider (Perl計画)や、AVF/RING の性能向上、ECRイオン源の移管の話もあり、次回運営委員会でセンターの 将来計画の話を整理することになった。 (STE); ○さこ隆志氏を助手に採用。 ○藤本和彦氏が名古屋女子大に転出されたので、教授又は助教授を公募、 締切は5月19日。 ○名大環境研究科ができるので、STE研から 4,5名移ることになった。 ◆報告6. 宇宙研、NASDA (松岡) (宇宙科学研究所) 2000.02 ; X線天文衛星 Astro-E 打ち上げ失敗。 MV4号機のノイズ部分の熱絶縁関係の不具合で、衛星が軌道に載ら なかった --> 原因を究明し、今後の対策を検討中。 --> Astro-E II 復活に向け努力中、一発勝負の研究分野の困難さ! 2000/2001 ; 衛星の打ち上げなし。 2002 ; 中期:MUSES-C(小惑星[1989ML]物質の sample return) 後期:Lunar-A 2003 ; Astro-F (赤外天文衛星 IRIS) 2004 ; Solar-B (宇宙開発事業団 NASDA) 1999.11 ; H-II 8 号機の失敗 --> 回収し原因究明中。 今後の主力ロケット H-II A は、併行して開発進行中。 2003 ; SELENE(月周回衛星) NASDA/ISAS 共同ミッション。 H-II A で打ち上げ --> NASDA/ISAS 共同研究の最初。 宇宙ステーション JEM --> 宇宙環境利用研究システム:招聘研究員組織。 SEDA 〜2003-4 シャトル打ち上げ。 LCDA,MAXI,SIMLES 〜2004-5 H-II A (HTV)で打ち上げ。 H IIA の主力衛星に同乗する 50kg級の小型衛星を公開:2000-2001 MDS-1: NASDA, WEOS(鯨生態観測衛星)、DASH(再突入実験機):ISAS 国際協力 HETE II ; 2000.06 GLAST ; 2004 頃 その他 ; 高エネルギー宇宙物理学連絡協議会(高宇連)の発足 ◆報告7. 第28回宇宙線国際会議 (坂田) ○ 準備状況 1999/11/27、 第1回準備委員会 --> 候補地5ヶ所を検討。 1999/12月、 日本物理学会の共同主催が決定。 2000/01/05、 第2回準備委員会 --> 候補地を4ヶ所にしぼる。 2000/1,2月、 候補地現地調査 2000/2月中旬、第3回準備委員会 -->(場所) つくば国際会議場、 (日程) 7/31(木) 〜 8/7(木)に決定。 2000/2月、 物研連に概要説明書を提出し、承認された。 ○ 今後の予定 4/01に第4回準備委員会をおこなう。 5月、 学術会議に「主催」を申請。 5月末までに、IUPAP-C4 にサポートを申込む。 ◆報告8. 実行委員会報告-- CRC選挙 (坂田) (1) 宇宙線研の柏移転直後と時期が重なり、事務局の都合上、今回の選挙は 4月に入ってから始めることを了承した。 (2) 「委員会構成の「若返り」を促進させるために、若い人を選んで頂ける ことを期待します。」という実行委員会からの呼びかけの文を選挙公示 に明記することとした。 (3) 今回は、物研連・核専委推薦候補者の選挙も実施する。 (4) 昨年と同様に、郵送投票と電子メール投票とを実施する。 ----------------------------------------------------------------------- ◆議題1. 事務局の分業化 (1) 宇宙線研では、会員との連絡や機械的な事務作業に専念する。 CRC News配信、名簿、会費、連絡誌、ホームページ、選挙事務などの業務 は今までと同じ。 (2) 実行委員会と総会の準備から議事要録作りまでは、担当大学でやって頂く。 2000年度から1年間の担当を埼玉大学にお願いしており、内諾を得ている。 (詳細は、2月26日の実行委員会議事要録を参照) 詳細の説明をおこない、承認が得られた。 ◆議題2. 名誉会員制度 退官、現役引退の会員を対象とする、名誉会員制度を新設すべきとの意見が出 ているので、その資格年齢、会費、選挙権、名称、ご本人の意向など、実行委員 会で議論されている問題点が紹介され、今後とも検討していくことになった。 (詳細は、2月26日の実行委員会議事要録を参照) ◆議題3. CRC奨励賞制度 実行委員会で検討されている、この制度の要綱案が紹介された。 (詳細は、2月26日の実行委員会議事要録を参照) [討論] ○ 選考委員に、外国人も入れてはどうか? ○ 奨励賞は、1名の方が重みがあって良いのではないか? ○ 「2名まで」という原案には、0名、1名も含んでいる。 ○ 「物理学賞」は、初めての提案でもあり、慎重に進めたほうが良い。 ○ 「奨励賞」は、早急にスタートさせるべきである。 などの意見が出され、原案が大筋では認められたが、更に検討すべき部分もある ので、次期の新実行委員会で議論して頂くことになった。 ◆議題4. 大学の活性化について ○ 今後の方針(坂田) 1) まとめと今後について、現実行委員会(担当;坂田、神田、佐々木委員)で (a) 今までの議論をまとめる。 (b) 今後への提言(案)を作る。 2) 広くCRC会員からの「意見」、「アイデア」を加える。 3) 長期計画立案の基となる「大風呂敷」的な研究会を開く。 [討論] ○ TAの様な当面の大型計画が通ることが、活性化につながるのでは。 ○ 「CRC関連大学」の活性化を課題としているのであり、「所」の問題だけ ではなく、もっと広い視野を持つべきである。 ○ 最近は、宇宙線シンポジウムに、他分野の人も多く出て来ているので、 他分野との交流も意識して、彼らの関心を得る様な工夫があっても良い のではないか。 これらについて、次期実行委員会で検討することになった。