***************** 平成11年度第1回CRC総会議事要録 *************** 日時:平成11年9月24日、17:20〜19:00 場所:島根大学 日本物理学会 SE会場 出席者:(敬称略五十音順) 荒船次郎、伊藤好孝、内堀幸夫、榎本良治、大内達美 、太田周、大林由尚、奥村公宏、梶田隆章、梶野文義、金行健治、 川上三郎、河内明子、神田展行、北村尚、木舟正、黒田和明、郡司修一、 小井辰巳、小早川恵三、榊直人、坂田通徳、櫻井敬久、櫻澤幸司、 佐々木真人、佐藤修一、柴田徹、柴田槇雄、高橋義幸、竹内康雄、谷森達 、田村忠久、千川道幸、手嶋政廣、歳籐利行、鳥居祥二、中畑雅行、 西川大輔、西澤正己、西嶋恭司、林田直明、原敏、晴山慎、日比野欣也、 福島正己、福田善之、槙野文命、増田公明、松原豊、三浦真、水谷興平、 村木綏、森正樹、守谷昌代、森山茂栄、山田秀衛、山本常夏、山本嘉昭、 湯田利典 (以上59名) ◆報告1. 事務局 (林田) (a) 御逝去 ○ 6月11日、理化学研究所 河野毅様が御逝去されました。 弔電をお送りしました。 ○ 6月16日、元埼玉大 俣野恒夫様が御逝去されました。 弔電をお送りしました。 ○ 6月26日、元名古屋大 上野裕幸様が御逝去されました。 弔電をお送りしました。 謹んで3人の先生方の御冥福をお祈り致します。 (b) 作業、行事 ○ 4月 9日、CRC選挙の開票集計。 (結果) 実行委員長;坂田通徳 実行委員;村木綏、太田周、鳥居祥二、松岡勝、柳田昭平、川上三郎、 梶田隆章、柴田徹、佐々木真人、吉井尚、神田展行、川村静児 共同利実施専門委推薦候補;松原豊、鳥居祥二、宗像一起、梶野文義、 水谷興平、倉又秀一、堀田直己、櫻井敬久、 村木綏、神田展行、柴田徹 (詳細は、CRC homepage http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/CRC/ の「速報」 に掲載しています。) ○ 6月18日、「会費のお知らせ」を郵送。 ○ 7月17日、平成11年度第1回CRC実行委員会 (c) お知らせメール配信 委員会報告; 8件、 公募案内 ; 9件、 研究会案内; 6件、 その他 ; 10件。 ( 詳細は、CRC homepage の「速報」に掲載しています。) (d) 会費納入状況 (9月20日現在) 全会員数 ; 320 名 完納者前納者; 227 名 (71%) 今年度未納者; 50 名 2年目未納者; 20 名 3年目未納者; 11 名 4年目未納者; 12 名 現残金 ; 112万円 支出予定; 50万円 (実行委1回、連絡誌1回、事務経費) ◆報告2. 実行委員会(坂田) 7月17日と9月23日に実行委員会を開催した。 (a) 新入会員 福島正巳 (宇宙線研 空気シャワー部 教授) 寺本吉輝 (大阪市大 助教授) 金行健治 (10/01より 宇宙線研 ニュートリノ情報センター助教授) 森山茂栄 (宇宙線研 神岡 助手) 大林由尚 (宇宙線研 神岡 COE研究員) 歳籐利行 (宇宙線研 神岡 協力研究員(井上フェロー)) 榎本良治 (宇宙線研 空気シャワー部 助教授) 実行委員会で研究歴が紹介され、入会が承認された。 ( 詳細は、7月17日開催、及び9月23日開催の実行委員会議事要録を参照。) (b) 次期CRC事務局 宇宙線研以外の他の大学ができる業務は何か、具体的に検討して、事務 局に提案してもらうことになった。 (c) 実行委員会の年齢構成について ある程度の割合で、若い人が構成メンバーに入る方か望ましいので、 例えば、選挙の際に年齢を考慮するか等 具体案を検討することになった。 (d) CRC関連大学の活性化について 各大学と中央共同利用研の大規模計画との関係などが議論され、今日の 総会で、川上、柴田、神田、梶田の各委員にパネラーになって、問題提起 して頂くことになった。 (e) 他の宇宙線将来計画 松岡委員と鳥居委員からNASDAの最近の状況についての紹介がなされ、 宇宙環境利用も含めた宇宙線研究計画の重要性が認識された。 (f) CRC表彰制度 CRC主催で若手研究者を対象に表彰制度を創ったらどうかとの意見が 出され、佐々木委員が原案を作ることになった。 ( 詳細は CRC homepage 速報-50;「CRC実行委員会議事要録」を参照) ◆報告3.宇宙線研究所 (所長代理 中畑) (a) 人事 梶田隆章 教授 (宇宙ニュートリノ観測情報融合センター) 金行健治 助教授 (宇宙ニュートリノ観測情報融合センター) 榎本良治 助教授 (空気シャワー 高エネルギーガンマ線) (b) 平成12年度概算要求 最重点事項を宇宙線望遠鏡計画とし、平成12年度出発は困難だが引き 続き最大限の努力をしていく。 (c) ICRC 2003 ICRRがホストとなり、梶田隆章教授を組織委員長として進めていく。 (d) 共同利用運営委員会委員 駒宮幸男、小山勝二、西川浩一郎、松岡勝、太田周、村木綏、坂田通徳 、柳田勉、本林透、黒田和明、鈴木洋一郎、木舟正、湯田利典、福島正己 、戸塚洋二 (e) 平成11年度外部評価 研究成果の評価、将来計画、研究体制、人員配置、 共同利用等の妥当 性を評価して頂く。平成12年2月1,2日評価委員会を開催予定。 (f) 共同利用実施専門委員会主催の共同利用研究成果発表会を平成11年12月16, 17日に開催予定。詳細はICRR中畑まで。 ◆報告4. 高エネルギー 素核研運協 (村木) 日時:平成11年9月13日  13:00〜17:00 (於 KEK会議室) 山田所長報告 1. 機構の運協が6月15日に開かれた。(会長:小林誠、副会長:藤井委員)   素核研の評議会が6月21日に開かれた。(会長:西島、副会長:山崎)   機構の評議会が6月23日に開かれた。(会長:江崎、副会長:山崎)   いずれも平成12年度の概算要求を承認した。 2. Bーファクトリーの推進委員会が6/11、7/13、8/25の3回開かれた。   夏の間の改良が順調にいっていると報告された。 3. 独立法人化について   ・8月31日に臨時の大学共同利用機関所長懇談会が開かれた。    3部会の会長他7名よりなる task force が作られた。西田ISAS所長が議長。  ・文部省では5回、今後の国立大学等の在り方に対する賢人の懇談会が開かれ た。   ・9月20日国立大学学長・事務局長会議が開かれ、文部省の方針が示されるだ ろう。 4. 研究プロジェクト進行状況について   ・K2K:ホーンのロングランテストに入った。   ・ベル:日増しに輝度が増えており、3×10^32/cm^2/sに行った。       年内に10倍にもっていってもらいたい。       SLACの国際会議で夏前までに得られた結果を報告した。       50,000 eventsのハドロン事象が得られた。   ・アトラス:LHC実験用の超伝導ソレノイドコイルが日本でできた。 協議事項   ・人事公募:ベル2名、アトラス1名(いずれもAP)、PS1名(助手)の公募に 入ることが承認された。   ・PS PAC委員の改選について:新たに岸本(阪大)、笹尾(京大)、 赤石(所内委員)、久野(所内委員)を選んだ。   ・機構長の推薦について:菅原氏を引き続き、機構長として推薦することを 決めた。 ◆報告5. 阪大核物理センター(RCNP)運協 (村木) 日時:平成11年9月14日  11:30〜17:00 (於 RCNP会議室) ◎RCNPの活動報告   ・B-PACで9課題が採択された。   ・PANIC 2002がRCNPで開催される予定である。   ・RCNPの外部評価委員会が、2000年1月に内外10名により実施される。   ・大阪大学の設置形態に関する委員会が発足した。RCNPを付置研として存続 させることや全国共同利用研としての形態を続ける姿勢でのぞむ。 ◎放射光施設に設置されたRCNPのチャンネルの報告   ・Spring 8の電子ビームにレーザー光線を打ち込み逆コンプトン効果で、 高エネルギー 光子を取り出す実験が成功した。   ・平成12年1月よりプロポーザルを受け付け、4月から夏まで実験をする。   ・核研の電子ビームが無くなった今、それに代わる光子ビームが出現し、 宇宙線実験のカウンターの較正等にも使用できる。   ・現在RCNPのスタッフがいないといけない条件を緩和するよう交渉中。    PACをきちんと発足させないといけないことが話し合われた。 ◎教授人事について   ・一つだけ空席になっていた教授人事を公募することが決まった。    当面クオーク核物理学をやりながら将来計画を推進していく人を募集。 ◎各部報告  ・理論部では、原子核をQCDのラグランジェアン・レベルからすべて記述しよ うという野心的な試みが土岐教授を中心に進められている。 ◆報告6. STE研 (村木); 総務庁行政監査があった. ------------------------------------------------------------------------ ■ 議事1. 次期CRC事務局 (林田) 宇宙線研が事務局を引き受けて多くの業務を電子化し、今年で3年目 になった。電子化されている部分は引続き宇宙線研で引き受けてもよい が、書記、議事録作成、名簿と会費の管理などの業務を他の大学等にお 願いしたい との提案が事務局からあった。 ■ 議事2. IUPAP,2003年ICRC 日本開催について ○ (荒船); 8月初めにGaisser氏から、2003年のICRCを日本で開いてくれとの 依頼がきた。 急拠関係者と相談し、8月にユタ大学で開催された 宇宙線コミッションの会議で、日本が引き受けることになった。 ICRRで主催し、梶田氏を責任者として行なうことにした。 ○ (梶田);近日中に準備委員会を発足させて、場所等を決めていきたいので 御協力をお願いしたい。 ○ (坂田);CRCとしても協力していく方針である。 ■ 議事3. 表彰制度 (佐々木) 対象者年齢、人数、対象論文、賞金額など具体的に書いた案文をメー ルで流して、10月中に会員の皆さんからの御意見を伺うことになった。 ■ 議事4. CRC関連大学の活性化について ★(a) パネラーからの問題提起 ○(川上、大阪市大);宇宙線関連の研究を活性化するためには多様な研究手段や プロジェクトが必要であり、互いに競うことが必要であろう。従って、 中央研究所で行うにふさわしい大規模な研究プロジェクト以外に、地方 大学における比較的小規模な研究も必要であると考える。 中央の大プロジェクトには幅広い人材が必要であり、そこに地方大学 の研究者が積極的に参加することが望ましい。現状では地方大学(国、 公、私立を問わず)で講座制をとっていない大学における人事では、殆 どのケースで他分野(理論や物性等)との競争になる。これは研究手法 が大きく異なる分野との競争になる事を意味し、特に業績の比較・評価 の基準が一致せず、時において人事の遂行に不利になることが多々みら れる様である。 個々のケースでは各々個別の事情はあるにしても、特に中央研究所の 大プロジェクトに参加している場合において、個人の業績評価が他分野 の人たちに充分に認識されない可能性が高いのではないかと危惧してい る(我々の説明不足も大きいかもしれないが)。従って、中央研究所で の大プロジェクト遂行においては、この様な事情にも充分配慮しながら 進める事をお願いしたい。 ○(柴田、青学大);多くの地方国立大学、私立大学は現在、中央の大計画に頼っ ているが、大計画以外にも多くの重要な研究対象があるので、そちらに も目を向けるべきである。特に粒子線分野では巨大予算でなくても成果 が期待される研究計画が多くあるので、次々期宇宙線研計画ではそうし た方向も考えるべきである。また、関連大学の活性化については、個別 研究者の努力が大前提であるが、今一つ考えておかなくてはならないこ とは研究環境を良くするための努力、例えば大学院のない大学は、それ を作る努力をするなど、学内行政にもそれなりの努力を祓うべきである 。更にCRC分野の研究ポストを各大学で獲得するためには、個別研究 者のレベルを高めることはもちろんであるが、大プロジェクトに参加し ている(特に若い)研究者の場合には、貢献度を目に見える形にする様に した方が良い。責任ある立場の人は常にその点を考えておくべきである 。その意味では奨励賞なども一つの方法かもしれない。 ○(神田、宮城教育大);若手同士の議論の中で時々研究のアイデアが出ることが あるが、しかし、そのアイデアは地方大学で小規模にやるにはそぐわな いテーマのため消えてしまうことがある。また複数の地方大学の若手同 士で協力研究する際に、適当な場所や実験装置などのインフラを探すの が一苦労であり、継続的にこうした研究を行う基盤が欲しい。 ICRRや CRC は地方大学の若手同士をつなぎ、また彼らのアイデアを活かすため の拠り所になってほしい。 一方若手のほうも、ICRRの共同利用などを充分利用しているとは言い 難い。現状でもかなりのサポートがあるわけで、それをアクティブに利 用を試みる努力が必要である。萌芽的な研究やブレインストームの拠り 所として CRCやICRRを考えて見てはどうか。 ○(梶田、宇宙線研);スーパーカミオカンデは大計画であり、若手や学生も多く 居るが、物理テーマの種類は決して多くはない。また大計画の開発期や 建設期には地方大学の研究者もそれぞれの貢献可能度に応じて分担し、 貢献し易いが、運転、解析期が始まると、研究所の教官と大学の教官で はデータ解析に使える時間にどうしても差があり、また研究テーマが限 られているので、研究所に居る研究者がどうしても主力になる、という 問題があった。この点は、他の将来計画でも共通部分があると思うので 、参考にして頂きたい。 ★(b) 自由討論 ○ 昔の旧核研宇宙線部の時代には、小規模研究ができていたはずだが。 昔の共同利用の研究費配分方式はどうなったのか。 ○ その方式は今は大変困難になった。 ○ 小規模研究のために「計画研究」がある。これを獲得する努力が必要である。 ○ ICRRの「共同利用」という制度は正しく活かされているのか。 ○ その議論をする場合は、「共同利用」とは何かを明らかにしてからにすべき である。 ○ 各大学で「科研費」を取る努力をするだけでは不充分である。特に大型の計 画は中小の大学等ではまず通ることはない。 ○ 各大学では、学科内の他分野の人々にアピールして分かってもらう努力が なかなか大変である。例えば、われわれの分野では論文の共著者が多いが、 他分野の研究者から見れば楽をして論文数を増やしているという見方をされ る。 ○ 研究の高度化が進み、計画の大規模化は必然である。大計画にかかわる各大 学、グループ、個人はどうやってそこでの貢献を内外に示していくか、その 仕方に工夫が必要である。良い工夫が実現すればその計画の成功と、参加大 学・グループの活性化を呼ぶ事になろう。 ○ 研究計画に金が出ると、中央研にいる代表者は上からものを言う様になりが ちである。研究計画へ参加している研究者は平等であることを確認する必要 がある。 ○ 研究者は対等であるという大原則を忘れてはいけない。 ○ 昔と比べて、地方に拠点が無くなった最近では中央研に集中し過ぎている。