<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.940:2006年10月24日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 **************< RCNP 研究計画検討専門委員会 議事録(案)>************** 皆 様、 平成18年8月8日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門 委員会の議事録(案)をお送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 中村隆司 幹事 秋宗秀俊、與曽井優 ----------------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案)      日 時:2006年8月8日(火)11:00−18:00      場 所:核物理研究センター本館2階会議室    出席者:     下浦(東大CNS)、秋宗(甲南大、幹事)、野海(KEK)、中村(東工大、委員長)、     松多(阪大)、宇都宮(甲南大)、菅沼(京大)、延與(京大基研)、八尋(九大)、     松原(名大)、藤原(RCNP)、酒見(RCNP)、民井(RCNP)、與曽井(RCNP、幹事)     センター長:土岐(RCNP)     研究企画室:畑中(RCNP)     研計委要請:増田(KEK)、野呂(九大)、田中(神戸常盤短大)、板橋(阪大)    欠席者:     浅川(阪大)、飯嶋(名大)、横山(金沢大)    配布資料:     0.議事次第     1.一般実験費執行に関する資料     2.委員名簿     3.B-PAC Program     4.核運委資料より(H18年度予算、概算要求)     5.研究会報告(1件)     6.PRISMのM実験室使用に関する資料     7.プロジェクト申請(2件)     8.天体核物理実験装置の理学部への移管に関する資料     9.UCN実験E226、E228に関する資料    10.研究会申請(9件)    11.前回議事録(案) [1] 報告事項 ============ 1. RCNP各部報告(リングサイクロトロン高分解能実験について) (民井) -------------------------------------------------------------------  RCNPの民井氏より、リングサイクロトロンにおける最近の高分解能測定の結果が (p,p’)反応実験を中心に紹介された。 ・ビーム自身の良質化に伴い、分散整合技術と組み合せてGrand Raiden では 300 MeV 陽子に対して 20 keV 以下の分解能で安定して測定できるようになった。 ・M1クェンチング問題や exotic E1状態(toroidal mode)の探索をテーマに、現在 種々の核に対して前方高分解能測定を進めている。 2. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状と今後の予定に関して報告が為 された。 ・ AVFフラットトップ運転のテストに成功。位相スリットによるビーム制限無し でも良く分離したターン構造が得られている。超伝導ECRイオン源とLiイオン加 速用オーブンの開発を進めている。 ・リング加速空洞粗同調パネル改修を行っている。(8,9月) ・平成19年1-3月はAVF単独運転の予定。 3. プロジェクト報告 --------------------  採択から2年を経過した2件のプロジェクトについて、現状報告が行われた。 ・He-II Spallation UCN Production (増田) He-II bottle の改良等により、2006年6月に行われたE226実験において、超冷 中性子密度として世界最高の 15 UCN/cm3 を達成した。 ・Heavy Ion Physics with Intense Radioactive Nuclear Beams at RCNP (松多) ENコース(重イオン Fragment Separator)の整備を行い、NMR用電磁石を購入 した。今後、順次 E265(36,37P の核モーメント測定)、E244(ベータ崩壊に おける整列相関項)実験を進めていく。 4. 一般実験費執行報告 (執行責任者: 民井) ----------------------------------------- 平成17年度の一般実験費の執行状況と内訳に関して、前回研計委での意見を踏ま えて民井氏より改定資料が配布され、説明があった。 5. B-PAC/Q-PAC委員報告 (委員長: 中村) -------------------------------------- B-PAC/Q-PAC委員のうちのセンター長及び委員長による推薦委員が報告された。 (前回選出したP-PAC内委員と合わせた、今年度B-PAC/Q-PAC委員リストについては 前回議事録を参照。) 6. B-PAC報告 (B-PAC委員長: 下浦) --------------------------------- B-PAC委員長下浦氏より、8月7日に行われた B-PAC の報告があった。7件、合計ビ ームタイム62.5日の課題申請があり、5件を採択、2件をサスペンドとした。採択し たビームタイムは、46.5日、採択予算は420万円である。 7. 研究会報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 平成18年度に行われた研計委採択研究会のうち、前期分1件に関し報告が行われた。 報告書はホームページに掲載されている。 8. 核運委報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 6月25日に行われた核物理研究センター運営委員会の内容に関し、特に平成18年 度予算を中心に報告があった。 9. センター長報告 (土岐) -------------------------  土岐センター長より、以下のような報告があった。 ・センター長改選の年であるが、3期6年勤めたので次は新しい人を希望する。 ・制度変更により助教授、助手は来年度より准教授、助教 等となる。 ・大阪大学より概算要求していた PRISM、LEPS2 はともに通らなかった。LEPS2に 対するRCNP内での来年度予算措置等に関しては次回研計委で議論して欲しい。 10. その他 -----------  理学研究科久野研究室が、PRISM-FFAG用機器開発のためにM実験室を継続使用する 件に関して、幹事より資料をもとに報告があった。 [2] 協議事項 ============ 1. プロジェクト申請 -------------------- 申請のあった下記2件のプロジェクトについて研究代表者のプレゼンテーション および採択の審議を行なった。 ア)Construction of SEPIS polarized 3He ion source I    研究代表者  田中正義(神戸常盤短大) イ)Improvement of energy resolution for measurements using the LAS system    研究代表者  野呂哲夫(九大)、岡村弘之(RCNP) 審議の結果、ア)に関しては、プロジェクトを採択し、予算90万円を認めた。 既にセンター長留め置き予算等で開発が進められてきており、あと僅かな予算で SEPIS法による偏極 3Heイオン生成原理の確認(Phase I)ができるということであ り、早急にスピン交換断面積の測定を行い Phase I を終了させることを要望した。 イ)に関しては、LASの高分解能化の重要性は認めるがセンター付属設備改良のため の R&D であり、研計委で審議、採択を行うプロジェクトのカテゴリーには入らない と判断した。従って、研計委では採択を行わず、センター内における測定器の整備・ 改善の一環としてセンター内外が協力して行って欲しい旨、希望することとした。 3. 天体核物理実験装置の理学部への移管について ----------------------------------------------  理学研究科久野氏よりセンター長宛依頼のあった天体核物理実験装置の理学研究 科への移管に関連して、下記提案について研究代表者のプレゼンテーションおよび 審議を行なった。 ・「低エネルギー原子核反応と原子分子物理学」の提案    代表者  板橋隆久(阪大理)  議論の結果、研計委においては移管の是非それ自体に対しては結論を出さず、以 下のコメントをセンター長に答申するに留めることとした。 ・ 標準太陽模型において低エネルギーでの核反応率の測定は重要であり、特に p-pチェーンの主要部分を占める 3He+3He --> alpha +2p については LUNA グ ループの測定が唯一のものであり、独立な測定装置で追実験することには充分 意義があり、同程度の精度までいくならば測定する価値はある。 ・ しかしながら、研究体制については大きな不安を抱いている。ちゃんとした 成果を挙げるためには板橋氏以外に専任の研究員なり、このテーマで論文を書 く大学院生なりが必須であると考えられ、研究グループにはそうした体制を取 れるよう強く希望する。 ・ 理学研究科に設置することによる教育用目的の使用に対しても意義を認める が、希望装置の中に加速器や他の測定器においても使える汎用装置を含んでい ることから、教育目的に重点がおかれるべきではない。 3. E228実験(conditional approved)について --------------------------------------------  条件付き採択となっていたE228実験(Study of Ultra Cold Neutron production) について議論を行った。採択時の条件は高密度UCN生成の達成であり、本研計委にお けるUCNプロジェクト報告を踏まえて、正式に採択することとした。但し、要求ビー ムタイム日数については達成された高いUCN密度を考慮して再評価し、短縮してもら うよう実験責任者に要望することとした。 4. 平成18年度(後期)研究会申請課題採択 -------------------------------------- 8月4日締め切りの平成18年度(後期)研究会募集に9件の申請があった。 協議の結果、下記の6件、計240万円を採択することとした。 ・「New Frontiers in QCD -- Exotic Hadron and Hadronic Matter --」 連絡責任者: 保坂 淳(RCNP)    開催場所:京都大学基礎物理学研究所 国際セミナー、国外40人、国内100人程度 ・「超新星とニュートリノ原子核反応」 連絡責任者: 酒見 泰寛(RCNP)   開催場所:RCNP 国内ワークショップ、40人程度 ・「核子多体系におけるクラスター現象 -- クラスター国際会議に向けて --」 連絡責任者: 明 孝之(RCNP)    開催場所:RCNP 国内研究会、50人程度 ・「RCNP入射サイクロトロン更新で展開される新しい研究」 連絡責任者: 岡村 弘之(RCNP)   開催場所:RCNP 国内ワークショップ、50人程度 ・「LEPS2ビームラインによるクォーク核物理の新展開」 連絡責任者: 與曽井 優(RCNP)   開催場所:RCNP 国際ワークショップ、国外5人、国内30人程度 ・「少数核子系とバリオン間相互作用」 連絡責任者: 鎌田 裕之(九州工大) 開催場所:RCNP ワークショップ、国外1人、国内30人程度 5. 前回議事録承認 ------------------ 2006年4月14日開催の研計委の議事録案を承認した。 6. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は12月25日(月)に開催することとした。 ======================================