<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.927:2006年 8月29日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ******< 研究会:「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の 宇宙線及び100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 -2nd- >***** 各位、  最近、ナミビア共和国(アフリカ)に設置されたHESS実験が銀河面の沿って TeVガンマ線放射天体探索を行ったところ、新たなソースが14個ほど発見さ れたことは皆様のご記憶に新しいことと思います。  それらのエネルギースペクトルの多くはカニ星雲からのガンマ線のエネルギ ースペクトルのよりも「硬い」エネルギースペクトルを持っており、超新星残 骸での宇宙線加速を強く示唆する結果となっております。  さて、銀河宇宙線全粒子エネルギースペクトルに見られる折れ曲がり(Knee: 3x10**15eV)が超新星残骸の加速限界に生じているとすると、その宇宙線が超 新星残骸と反応することによって生成される中性パイ中間子起源のガンマ線が 100TeV領域(10TeV-1000TeV)に放射されることになります。従って、100TeV領 域のガンマ線の加速限界の観測により、Knee領域まで延びている宇宙線エネル ギースペクトルの起源(どの天体か)を同定すること可能になります。  また、100TeV領域のガンマ線観測と表裏をなすのがKnee領域及びその前後の 領域の一次宇宙線化学組成です。全粒子エネルギースペクトルのKneeが陽子な のかあるいは重粒子成分なのかの決着はまだついていません。  以上の状況を鑑みて、 「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の宇宙線及び 100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 というタイトルの肩の凝らない国内研究会を開催いたします。各講演について 講演時間25分+質疑応答10分を予定しております。  講演者の方には発表のppt fileを頂いて、webに載せるかあるいは、それを 当方で簡単な冊子にまとめる格好を考えております。 ご関心のある方は、特に申し込みの必要はありませんので奮ってご参加ください。 東京大学宇宙線研究所 瀧田正人 ----------------------------------------------------------------- 研究会:「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の宇宙線及び 100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 日時:8月31日(木)10:00-18:25 場所:東京大学宇宙線研究所6階大セミナー室 プログラム(案)敬称略 10:00-10:05「はじめに: 研究会の趣旨」       東大宇宙線研 瀧田正人 10:05-10:40「衝撃波加速における被加速粒子の最高エネルギー問題」       東京工業大学 寺澤敏夫   10:40-11:15「最近の銀河宇宙線の直接観測」       早稲田大学  晴山 慎 11:15-11:50「チャカルタヤにおけるKnee領域宇宙線観測結果」       東京工業大学 垣本史雄 11:50-12:25「Knee領域のComposition:Tibet空気シャワー連動実験の結果と次期計画」       横浜国立大学 柴田槇雄 12:25-13:30 昼食 13:30-14:05「Ooty空気シャワー実験による一次宇宙線原子核組成」       大阪市立大学 田中秀樹   14:05-14-40「GRBからの高エネルギーニュートリノ及びガンマ線放射」       京都大学基研 村瀬孔大 14:40-15:15「硬X線で探る銀河系内宇宙線加速源の探査」       理研     馬場 彩 15:15-15:50「宇宙線電子観測による宇宙線の起源、加速、伝播機構の解明」 芝浦工業大学 吉田健二 15:50-16:10 ブレーク 16:10-16:45 仮題「大気チェレンコフ望遠鏡関係」       東大宇宙線研 吉越貴紀 16:45-17:20「チベット空気シャワー実験と100TeV領域ガンマ線観測」       東大宇宙線研 瀧田正人 17:20-17:55「チベット水チェレンコフミューオン観測装置計画」       東大宇宙線研 川田和正 17:55-18:25 討論 ======================================