<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.924:2006年 8月 4日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ******< 研究会:「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の 宇宙線及び100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 >******** 各位、  最近、ナミビア共和国(アフリカ)に設置されたHESS実験が 銀河面の沿ってTeVガンマ線放射天体探索を行ったところ、新た なソースが14個ほど発見されたことは皆様のご記憶に新しい ことと思います。  それらのエネルギースペクトルの多くはカニ星雲からのガンマ 線のエネルギースペクトルのよりも「硬い」エネルギースペクト ルを持っており、超新星残骸での宇宙線加速を強く示唆する結果 となっております。  さて、銀河宇宙線全粒子エネルギースペクトルに見られる 折れ曲がり(Knee:3x10**15eV)が超新星残骸の加速限界 に生じているとすると、その宇宙線が超新星残骸と反応する ことによって生成される中性パイ中間子起源のガンマ線が 100TeV領域(10TeV-1000TeV)に放射されることになります。 従って、100TeV領域のガンマ線の加速限界の観測により、 Knee領域まで延びている宇宙線エネルギースペクトルの起源 (どの天体か)を同定すること可能になります。  また、100TeV領域のガンマ線観測と表裏をなすのがKnee領域 及びその前後の領域の一次宇宙線化学組成です。全粒子エネルギー スペクトルのKneeが陽子なのかあるいは重粒子成分なのかの決着 はまだついていません。  以上の状況を鑑みて、 「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の宇宙線及び 100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 というタイトルの肩の凝らない国内研究会を開催いたします。 各講演について講演時間25分+質疑応答10分を予定しております。  講演者の方には発表のppt fileを頂いて、webに載せるかあるいは、 それを当方で簡単な冊子にまとめる格好を考えております。  ご関心のある方は、特に申し込みの必要はありませんので 奮ってご参加ください。 東京大学宇宙線研究所 瀧田正人 ---------------------------------------------------------------- 研究会:「宇宙線の起源、加速、伝播機構とKnee領域近辺の宇宙線及び 100TeV領域ガンマ線放射天体の観測」 日時:8月31日(木)10:00-18:00 場所:東京大学宇宙線研究所6階大セミナー室 プログラム(案)敬称略 10:00-10:35 仮題「加速理論」       東京工業大学 寺澤敏夫   10:35-11:10「最近の銀河宇宙線の直接観測」       早稲田大学  晴山 慎 11:10-11:45 仮題「BASJE実験関連」       東京工業大学 垣本史雄? 11:45-12:20「Knee領域のComposition:Tibet空気シャワー連動実験の結果と次期計画」       横浜国立大学 柴田槇雄 12:20-13:30 昼食 13:30-14:05「Ooty空気シャワー実験による一次宇宙線原子核組成」       大阪市立大学 田中秀樹   14:05-14-40「GRBからの高エネルギーニュートリノ及びガンマ線放射」       京都大学基研 村瀬孔大 14:40-15:15「硬X線で探る銀河系内宇宙線加速源の探査」       理研     馬場 彩 15:15-15:35 ブレーク 15:35-16:10 仮題「大気チェレンコフ望遠鏡関係」       東大宇宙線研 吉越貴紀 16:10-16:45「チベット空気シャワー実験と100TeV領域ガンマ線観測」       東大宇宙線研 瀧田正人 16:45-17:20 仮題「チベット水チェレンコフミューオン観測装置計画」       東大宇宙線研 川田和正 17:20-18:00 討論 ======================================