<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.913:2006年 6月26日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ****< 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) >**** 皆様 平成18年4月14日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画検討 専門委員会の議事録(案)をお送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 中村隆司 幹事 秋宗秀俊、與曽井優 --------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案)      日 時:2006年4月14日(金)11:00−17:00      場 所:核物理研究センター本館2階会議室    新旧メンバー合同会議    出席者:     新委員(継続を含む)     下浦(東大CNS)、秋宗(甲南大)、野海(KEK)、中村(東工大)、松多(阪大)、     菅沼(京大)、延與(京大基研)、浅川(阪大)、八尋(九大)、松原(名大)、     横山(金沢大)、藤原(RCNP)、酒見(RCNP)、民井(RCNP)、與曽井(RCNP)     旧委員:     阪口(阪大)、若狭(九大)、初田(東大)、比連崎(奈良女大)、篠原(阪大)、     堀田(RCNP)     センター長:土岐(RCNP)     研究企画室:畑中(RCNP)     研計委要請:外川(RCNP)、矢向(東大)     陪席: 岡村(RCNP)、保坂(RCNP)    欠席者:     新委員(継続を含む)     宇都宮(甲南大)、飯嶋(名大)     旧委員     梶野(甲南大)、二宮(住友イートンノバ(株))    配布資料:     1.議事次第     2.新委員名簿     3.H17年度一般実験費執行に関する資料     4.研究会報告(3件)     5.B-PAC報告(2006年2月23日)     6.プロジェクト申請「(n,p)反応による二重β崩壊核の中間状態の研究」     7.研計委委員の選出と交替に関するガイドライン(案)     8.研究会採択資料(1件)     9.RCNP将来計画WGからの提言    10.前回議事録(案) [1] 委員紹介と委員長・幹事の選出 ================================ 各委員の紹介の後、新委員長および幹事に関して立候補および推薦の手続きがと られ、採決により下記の様に決定した。 委員長: 中村隆司 氏 (東工大) RCNP外幹事: 秋宗秀俊 氏 (甲南大) RCNP内幹事: 與曽井優 氏 (RCNP) 新委員長中村氏が午後からの出席のため、それまでの議事進行を旧委員長比連崎 氏が行う旨、了承した。 [2] 報告事項 ============ 1. 汎用計算機更新について (外川) ---------------------------------  RCNPの外川氏より、更新された汎用計算機について、その概要の紹介と進捗状況 の報告があった。 ・処理能力は大幅に増強された。(全CPU性能は現行の5倍以上、ディスク 200 TB) ・運用可用性が上昇しネットワークサービスが増強された。 ・セキュリティの向上と管理システムの強化が図られた。 ・スーパーコンピュータの更新が予定されている。(2段階調達で行う。2007年 1月初に1段階目の運用開始。) 2. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状と今後の予定に関して報告が為 された。 ・更新後の入射AVFサイクロトロンは、制御系も含めてほぼ順調に共同利用実験に 供されている。今後、フラットトップ(FT)運転と超伝導ECRイオン源の実用化 に向けて調整を進める。 ・1月18日にリング第2加速空洞で真空リークが発生。原因は上側粗同調パネ ル冷却水配管の銅ティグ溶接部の浸食。修繕後は真空度も向上し安定な加速が 得られている。構造上の経年変化による故障なので、第1、3空洞についても 夏季保守点検時に修理を行う予定。 3. LEPS2 の検討に関して (與曽井) ---------------------------------  RCNPの與曽井氏から、SPring-8 に第2レーザー電子光ビームライン(LEPS2)を 建設する計画について、その概要と検討状況について報告があった。  計画の要点は、ビームの大強度・高エネルギー化と、大型大立体角検出器の設置 であり、Θ+(シータ・プラス)の存在の確立を前面に謳って、平成19年度の概算 要求(3年計画)を行っている。大型大立体角検出器についてはブルックヘブン国 立研究所で昨年までK中間子稀崩壊実験に使われていた E949検出器を移設するこ とで先方と合意が取れており、LEPS2の建設は、理研、SPring-8、東北大等と強く連 携・協力して行う計画となっている。 4. H17年度一般実験費執行報告 (執行責任者: 民井) ------------------------------------------------ 平成17年度の一般実験費の執行状況と内訳に関して、RCNPの民井氏より報告があ った。  4千万円の当初予算でほぼ予算額通り執行した。配布資料に一部ミスがあったこと と、各採択実験課題からの年度毎の申請額と執行額の対応表があった方が良いとの 意見が出されたので、資料については次回改訂版を配布してもらうこととした。 5. 研究会報告 (前研計委幹事: 民井) ----------------------------------- 平成17年度に行われた研計委採択研究会のうち、後期分3件に関し報告が行われた。 報告書はホームページに掲載されている。 6. B-PAC報告 (B-PAC委員長: 中村) --------------------------------- B-PAC委員長中村氏より、2月23日に行われた B-PAC の報告があった。7件、合計 ビームタイム56.5日の課題申請があり、3件を採択、1件を条件付採択、3件をサスペ ンドとした。採択したビームタイムは、41.0日、採択予算は355万円である。  条件付採択に関して、条件が満たされたかどうかを誰が判断するのか、という質 問が為されたが、今回の場合は条件が B-PAC からの疑問点に対する回答の要求とい うことであり、採択時のB-PACが責任を持つとの回答があった。(この件に関しては、 研計委後、5月24日に当該実験グループからの回答があり、旧B-PAC 委員でそれを検 討した(E-mail により)結果、2日間のビームタイムを認めることとしたとの報告 があった。) 7. 核運委報告 (センター長: 土岐) --------------------------------- 核物理研究センター運営委員会に関し、土岐センター長より以下の報告が為され た。  教授、助教授、助手の人事の審議を行い、実験部門の教授として岡村弘之氏(東 北大学より)を、また加速器部門の助教授、助手として福田光弘氏(原研高崎より)、 依田哲彦氏(SPring-8より)を採用した。  平成18年度予算の基本方針を議論し、オランダKVIとの連携強化を予算に反映さ せることとした。また、平成19年度の概算要求を LEPS2 で行うことについて議論 を行った。 8. 外部評価委員会に関して (センター長: 土岐) ---------------------------------------------  土岐センター長より、平成18年2月20日から2日間 RCNPで行われた外部評価委員 会について報告があった。委員は永宮氏を委員長として、堀内氏、本林氏、Oset氏、 Harakeh氏、Mecking氏。法人化後のRCNPとLEPS2計画を主に評価していただいた。ま だ答申は出ていないが、厳しい予算状況の中での装置の充実や学生の教育、医学・ 化学との連携などで評価をいただき、また、LEPS2の重要性を理解していただいた。 9. 平成18年度予算に関して (センター長: 土岐) ---------------------------------------------  土岐センター長より、平成18年度予算についてはまだ検討中で最終案には至って いないとの説明があった。基本的には昨年度同様であるが、新たな措置として、KVI からの旅費や、LEPS2の導入に対して予め必要なことなどがある。 10. 概算要求に関して (センター長: 土岐) ----------------------------------------  土岐センター長より、LEPS2の概算要求を行っている旨報告があった。平成19年度 より3年計画とし、現在進行中のHD偏極標的プロジェクトの継続という論理で、先ず は要求している。新たに全国共同利用の予算枠を作るための活動も行っている。 11. その他 -----------  土岐センター長より、大塔コスモ施設についてはシャットダウンの方向で検討を 進めているとの報告があった。 [2] 協議事項 ============ 1. プロジェクト申請 -------------------- 前回研計委において代表者欠席の為、審議保留としていた下記1件のプロジェク トについて、研究代表者のプレゼンテーションおよび採択の審議を行なった。 ・「(n,p)反応による二重β崩壊核の中間状態の研究」    研究代表者  矢向(東大理) 審議の結果、申請プロジェクトを採択することとした。採択にあたっては、48Ti の メタル化には最大限の努力を払うこと、及び、核構造理論研究者と強くタイアップ することを要望することとした。 3. B-PAC委員、Q-PAC委員の選出 ------------------------------ 選出に先立ち、Q-PAC委員のP-PAC(研計委)内委員の数に関する議論が行われた。 これまで特に規程のないまま2人を選出していたが、B-PACと同様にQ-PACも委員の半 数をP-PAC内委員とすることを決定した。 B-PAC/Q-PACのP-PAC内の委員として、下記のメンバーを選出した。 ・B-PAC委員(P-PAC内) 中村隆司(東工大)、藤原守(RCNP)、民井淳(RCNP)、 延與佳子(京大基研)、八尋正信(九大) ・Q-PAC委員(P-PAC内) 野海博之(KEK)、與曽井優(RCNP)、浅川正之(阪大理) 残るB-PAC委員5人とQ-PAC委員3人の選出については、規程に従い、研計委委員長 とセンター長の推薦に委ねることとした。 研計委後に、下記の委員が推薦された ・B-PAC委員(委員長・センター長推薦) 下浦享(東大CNS)、井手口栄治(東大CNS)、R. Zegers(MSU) O. Scholten(KVI)、櫻木弘之(大阪市大) ・Q-PAC委員(委員長・センター長推薦) 早野龍五(東大理)、齊藤直人(京大理)、保坂淳(RCNP) 3. 研計委委員交代に関するガイドラインについて ----------------------------------------------  最近、特に、研計委委員が任期中にセンター内外を異動したような場合に多少混 乱を生じていたので、前研計委幹事民井氏より、研計委委員の選出と交代に関する ガイドラインについての案が示され、議論を行った。一部、文章の修正を行った後、 最終的には訂正版を研計委終了後メールにて回覧し、承認を行うこととした。(そ の後、承認された改訂版はP-PACホームページに「その他関連資料」として掲載。) 4. Q-PAC に関して ------------------  前Q-PACより、Q-PAC の仕事としてLEPSの新規公募課題の採択、既採択実験課題の 現状のレビューとその評価以外に、LEPS の非公募実験の結果についてもレビューを 求めて評価する必要があるかとの疑義が出されたので、それについて議論を行った。 議論の結果、非公募実験は評価の対象としないが、Q-PACとして報告を求めるのは構 わないということとした。 5. 平成18年度(前期)研究会申請課題採択 -------------------------------------- 4月11日締め切りの平成18年度(前期)の研究会募集に1件の申請があった。  研計委の任期が4月1日から3月31日となったことに伴い公募の時期が例年と異な ったことも影響してか、例年に比べて応募が少なかった。次回は早めに公募して締 切り近くで再アナウンスすることを確認した。 協議の結果、下記1件、35万円を採択することとした。 ・「重イオン融合分裂反応機構と超重核合成反応の動力学」 連絡責任者: 滝川昇(東北大理) 国際ミニワークショップ、20人程度 コメント: ・研究会のテーマに強く関係していると思われる原研、理研等の研究者とも  連携して、研究会の規模を多少広げて開催することが望ましい。 ・RCNPへの申請以外に科研費等の予算ソースからの支出の予定がある場合は  それを記載して欲しい。また、申請者以外の世話人のリストを記載していた  だきたい。 4. 将来計画について --------------------  RCNP将来計画ワーキンググループ(WG)からの提言が提出された。これは、前回研 計委においてWG長大西氏から報告のあった、WGからの提言(暫定版)に対して為さ れた議論を踏まえて修正されたものであり、WGとしてはほぼ最終版である旨説明が あった。  「RCNPが photon beam と hadron beam を活用し、原子核構成要素の実体を明ら かにすることによって、クォーク多体系としてのハドロン物理、ハドロン・核子多 体系としての核物理を追求すること」を提言している。内容は、深さを追求したも のとなっているが広さも必要ではないか、等の意見も出されたが、議論の結果、経 過説明及び今後どう検討して欲しいかについて1ページの head letter を付けて、 この提言をそのまま研計委委員長名でセンター長に答申することとした。(研計委 後、委員長案の head letter を研計委委員にメールで回覧し承認を得たのち、提言 をセンター長に答申した。)  研計委としては、提言の中に含まれている物理テーマ、例えばコヒーレント中間 子生成等について、今後研究会を主催するなどの活動をしていくこととした。 7. 前回議事録承認 ------------------ 2005年11月28日開催の研計委の議事録案を承認した。 8. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は8月8日(火)に開催することとした。 ======================================