<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.861:2005年12月22日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ***********< RCNP研計委議事録(2005.7.25)、議事録案(2005.11.28) >*********** 皆様 平成17年7月25日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画検討 専門委員会の承認議事録、および平成17年11月28日に開催されました同委員会 の議事録(案)をお送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 比連崎悟 幹事 阪口篤志、民井淳 *************************************************************************** RCNP-Z-656 平成17年11月29日 大阪大学核物理研究センター 研究計画検討専門委員会議事録 日時: 2005年7月25日(月) 11:00-16:30 場所: 核物理研究センター 本館2階会議室 出席者: 阪口(阪大)、與曽井(RCNP)、若狭(九大)、浅川(阪大)、宇都宮(甲南大)、 松多(阪大)、中村(東工大)、初田(東大)、比連崎(奈良女大)、篠原(阪大理) 二宮(RCNP)、民井(RCNP)、堀田(RCNP)、酒見(RCNP) センター長: 土岐(RCNP) 研究企画室: 畑中(RCNP) 研計委要請: 坂口(京大)、久野(阪大)、矢向(東大) 陪席: 青木(阪大)、佐藤(阪大)、栗山(阪大)、山田(阪大)、中野(RCNP) 欠席者: 八尋(九大)、梶野(甲南大)、飯島(名大) 配布資料: 1. 議事次第 2. Letter of Intent (1件) 3. 平成17年度 P-PAC/B-PAC/Q-PAC 委員名簿 4. 研究会報告(2件) 5. 平成17年度(後期)研究会申請(2件) 6. 前回議事録(案) [1] 委員長について =================== 前回開催の研計委で委員長に選出された與曽井氏がRCNPに異動したこ とに伴い、委員長の人選方法に関する議論が行なわれた。 特に強い理由がない限りはRCNP外の委員から委員長を選出する方針と することについて改めて合意が得られ、委員長の交替を審議することと した。新委員長として3名の候補が推薦され、挙手による多数決にて比 連崎氏を新委員長とすることを決定した。 この決定を受け、以後の議事は新委員長の議事進行のもと行なわれた。 幹事は、RCNP外から阪口氏、RCNP内から民井氏が継続担当することで 合意がとられた。 [2] 報告事項 ============ 1. RCNP各部報告 リングサイクロトロン実験より (坂口(京大)) ------------------------------------------------------------ リングサイクロトロンを用いた実験のトピックスとして、京大の坂口 氏より下記の2つの研究に関するプレゼンテーションがあった。 ・12C(α,α')反応測定によるα Bose-Einstein Condensation の研究 ・陽子非弾性散乱で中性子分布を探る 2. 入射サイクロトロン更新計画報告 (計画責任者: 畑中) -------------------------------------------- 入射サイクロトロン更新計画の進行状況に関して報告が行われた。 新ディー電極、高周波電源、トリムコイル電源、分析ビームライン、超 電導ECRイオン源、照射実験装置が設置された。ディー中心部の若干の手直 し、およびトリム電源の放射線障害対策を要したが、その後のビーム加速は 順調に進んでいる。 夏期に、制御システムの入れ換え、フラットトップの調整、コンソール室 の改修が行なわれる予定。 3. 核運委報告 (研計委幹事: 民井) ------------------------------------- 6月23日に行なわれた核物理研究センター運営委員会の内容に関して報告 があった。詳細は核運委議事録を参照のこと。 前回の研計委の議論で4人に減らしたQ-PAC委員に関して、人数を6人に戻 し、毎年少なくとも一度は開催する方針で検討してほしい旨の依頼が報告さ れた。 4. 2005年度B-PAC/Q-PAC委員について (前研計委委員長: 與曽井) ------------------------------------------------------ B-PACおよびQ-PAC委員のセンター長・委員長推薦委員の決定に関する報告 があった。 5. 研究会報告 (研計委幹事: 民井) ---------------------------------------- 研計委にて採択された研究会2件に関し、実施状況の報告があった。 6. PRISMプロジェクト報告 (研究代表者: 久野(阪大)) ------------------------------------------------------- PRISMプロジェクトの概要、進行状況、今後の計画に関してプレゼンテ ーションがあった。 平成15,16年度に行なったM実験室での高周波電源、RF空洞を用いた試験 により、実用上充分な性能が得られることが確認された。 阪大理学部とRCNPの共同で、平成18年度特別教育研究経費の申請を行なっ ている。4年計画で高強度高輝度ミューオン源の研究を行なう。RCNPの西実 験室を使用することで相談を進めている。 7. Letter of Intent (研究代表者: 矢向(東大)) ------------------------------------------------------- 東大の酒井氏、矢向氏から提出されたLetter of Intent「荷電交換反応に よる二重β崩壊核の中間状態の研究」に関するプレゼンテーションがあった。 特別推進研究「発熱型荷電交換反応による時間的領域でのスピン・アイソ スピン応答」の一環として、RCNPの(p,n)、(n,p)実験装置を利用した2ν二重 β崩壊の換算遷移行列要素の測定実験を計画している。 8. その他 ------------------------------------- RCNPの與曽井氏より、LEPS プロジェクトとして、SPring-8に新ビームラ インを作る可能性を検討している旨、報告があった。 [3] 協議事項 ============ 1. Q-PAC 委員の人数について --------------------------- 核運委からの検討依頼に基づき、Q-PACの開催方法および委員の人数に関し ての議論を行なった。 Q-PACへのプロポーザルはこれまで通り常に受け付けるが、ユーザーへのア ナウンスのため、毎年定期的に期限を設定してプロポーザルの提出を呼びか けることとした。また、Q-PAC委員の人数を6人に戻すこととし、実験状況報告 やレビューなどを含めて、毎年少なくとも一度はQ-PACを開催することとした。 研計委内からのQ-PAC委員については昨年度同様2人とし、既に2人が委員に 入っているため、追加委員2人についてはセンター長・委員長推薦として決定 を委ねることとした。追加委員について研計委の議論で2名の候補の推薦があ り、委員決定の際に考慮してもらうこととした。 研計委終了後、センター長・委員長推薦委員として早野氏(東大理)、慈道 氏(京大基研)が推薦された。 2. 将来計画について (将来計画WG長: 大西(北大)) ------------------------------------------------- 将来計画WGの検討状況に関し、WG長の大西氏より以下の様な説明があった。 次期計画を立てるためには、現在の施設における成果を出すことが必要で あることからリングサイクロトロン実験施設での実験成果に関してのレビュ ーをWG内で行なった。全体を何らかのキーワードで括ることは難しいが、 ISGDRの確立、ガモフテラー遷移強度の抽出、α凝縮状態の候補の発見、3核 子間力の効果の発見、種々の特徴的な励起状態の発見など新しい知見が得ら れて来ている。今後もクォーク核物理、核子中間子多体系という核物理の両 面で実験研究を推し進めていくべきである。 提言の内容としては、現在のビームや測定器を利用できる形での施設の拡 張を進めるべきと考えている。可変エネルギーの高品質ビームを要する。例 として1GeV程度までのビームエネルギーの拡張や、検出器のアップグレード が考えられる。 研計委委員からは以下の様なコメントが出された。 ・今の物理の延長線上として、例えば分解能が桁で上がった場合の物理を exercise してみると良いのでは。 ・他研究所から出た物理を芽をとるのもよい。ただし系統的かつ大々的に 進めなければその研究所の成果とはならない。 ・かゆいところに手が届くデータが出せるか。誰が見ても間違いないとい う結論が出せるかどうかが重要。 ・これだけ精度を上げれば、これができるというものがなければいけない のでは。 ・うまく具体的な提言ができるかどうか。少数だけでなく(業界の)全体を 引きつけるようなテーマをだせるかどうか。 ・精密物理で定義するか、ビームエネルギーで定義するか。 次回の研計委に報告を出す方針で、さらにWG内での検討を進めることとし た。 3. 平成17年度(後期)研究会申請課題採択 --------------------------------------- 平成17年度(後期)研究会募集に2件計100万円の申請があった。 議論の結果、下記の様に2件計100万円を採択することとした。 ・Hadron-nuclear physics probed by photon 連絡責任者: 保坂(RCNP) 開催場所: RCNP 共催: 原研との共催を検討 国際ワークショップ、55人程度 ・マイクロパターン検出器の開発と展望 連絡責任者: 酒見(RCNP) 開催場所: RCNP 共催: なし 国内ワークショップ、35人程度 4. 前回議事録承認 ----------------- 2月23日開催の研計委議事録案について、一部修正の後、承認した。 5. 次回の研計委開催日程に関して ----------------------------------- 次回の研計委を11月28日(月)に開催することとした。 *************************************************************************** 大阪大学核物理研究センター 研究計画検討専門委員会議事録(案) 日時: 2005年11月28日(月) 11:00-17:00 場所: 核物理研究センター 本館2階会議室 出席者: 阪口(阪大)、若狭(九大)、浅川(阪大)、宇都宮(甲南大)、松多(阪大)、 中村(東工大)、初田(東大)、比連崎(奈良女大)、篠原(阪大理)、 梶野(甲南大)、飯島(名大)、與曽井(RCNP)、酒見(RCNP)、民井(RCNP)、 堀田(RCNP) センター長: 土岐(RCNP) 研究企画室: 畑中(RCNP) 研計委要請: 大西(北大)、小田原(阪大)、保坂(RCNP) 陪席: なし 欠席者: 八尋(九大)、二宮(住友イートンノバ(株)) 配布資料: 1. 議事次第 2. B-PAC報告(2005年8月11日) 3. Q-PAC報告(2005年10月6日) 4. 研究会報告(3件) 5. プロジェクト申請1 6. プロジェクト申請2 7. RCNP将来計画WGからの提言 8. 前回議事録(案) [1] 研計委委員についての確認 ============================ 委員の二宮氏が10月1日付けで住友イートンノバ(株)に就職したが、残任 期が1年未満であるため、任期終了の2006年3月まで委員として継続すること に関して確認がとられた。 また、委員の與曽井氏が5月1日付けにてRCNP外からRCNP内に異動したが、 残任期が1年未満であるため、RCNP外委員の補充等の変更は行なわないこと、 および次回の研計委選挙ではRCNP内委員候補として再選可能であることに関 して確認がとられた。 委員の異動・変更に関わる細則に関しては、文章化したものを次回の研計 委に提出することとした。 [2] 報告事項 ============ 1. RCNP各部報告 理論部より (保坂) ------------------------------------------------------------ 近年の理論部の活動のトピックスとして、Θ+などのエキゾチックバリオ ンの生成メカニズム、Λ(1520)の性質などに関する研究報告があった。 2. 入射サイクロトロン更新計画報告 (計画責任者: 畑中) -------------------------------------------- 入射サイクロトロン更新計画の進行状況に関して報告が行われた。 夏のメンテナンス期間に制御系システムの本格的な更新と動作試験が行な われ、10月より使用開始した。順調に動作しており、詳細の不具合につい ては順次改善を進めている。AVF本体室内のトリム電源のシーケンサ(PLC) については、放射線障害対策のため本体室外に移動した。 超電導ECRイオン源については、年度内のビーム出しを目標として作業を 進めている。 5 MeV/UのAr8+ビームのAVFサイクロトロンによる加速およびリングサイク ロトロンを迂回したENコースへのトランスポートの試験に成功。3rd harmonics による AVF 加速は、外部イオン源に置き換わって以来初めて。 3. B-PAC報告 (B-PAC委員長: 中村) ------------------------------------- 8月11日に開催されたB-PACに関して報告があった。 採択後2年以上を経過した実験課題に関し、今回初めて状況報告を求めた。 基本的には今回提出された計画通りに進めることを求めることとし、採択見 直しは行なわなかった。 新たに申請された課題は12件、ビームタイム68.5日、予算額8,030千円で、 審議の結果11件を採択、1件をサスペンドとした。採択ビームタイムは51.5日、 採択予算額は8,030千円。 報告内容に関し、採択後2年以上経過した実験課題については、採択取消も 含めて審議して良いという意見があった。 4. Q-PAC報告 (Q-PAC幹事: 堀田) ------------------------------------- 10月6日に開催されたQ-PACに関して報告があった。 前回の研計委の議論に基づき、Q-PAC委員の人数を4人から6人に戻した。 また、期限を決めた新規課題募集を行なった 新規申請課題はカウンタ試験を目的とする1件で、審議の結果採択とした。 採択ビームタイムは21シフトである。また、既採択課題3件とLEPSグループ実 験のレビューが行なわれた。 Q-PACの進め方に関しては、共同利用実験に関し、今回同様に定期的なレ ビューと研計委への報告を行なうのが良いと考えられる。LEPSグループ実験 に関して今後もレビューを続けるべきかどうかについては賛否両論がある。 Q-PACの進め方に関して提出された議論については、論点を整理して次回の 研計委にて議論することとした。 5. 核運委報告 (研計委幹事: 民井) ------------------------------------- 10月15日に行なわれた核物理研究センター運営委員会の内容に関して報告 があった。詳細は核運委議事録を参照のこと。 核物理実験研究部門の教授である畑中氏が2006年4月から加速器部門の教授 に移ることとなり、リングサイクロトロン施設を中心とする原子核物理の実験 研究を行なう教授1名と、加速器部門の助教授、助手各1名の公募を行なうこと とした(10月27日付けにて公募が出された)。 2006年2月に核物理研究センターの外部評価委員会を行なう予定。 6. 研究会報告 (研計委幹事: 民井) ---------------------------------------- 研計委にて採択された研究会3件に関し、実施状況の報告があった。 [3] 協議事項 ============ 1. プロジェクト申請 -------------------- 2件のプロジェクト申請が提出されたが、内1件については代表者欠席の為 次回の研計委にて審議することとし、下記1件のプロジェクトについて、研究 代表者のプレゼンテーションおよび採択の審議を行なった。 ・「Gamma Ray Spectroscopy Using Heavy Ion Beams at RCNP」 研究代表者: 小田原(阪大理) 審議の結果、申請プロジェクトを採択することとし、予算額については減額 の上認めた。また、予算については2005年度と2006年度の2年度で執行すること とした。 2. 将来計画について (将来計画WG長: 大西) ------------------------------------------------- 将来計画WGからの提言(暫定版)が提出され、内容についてWG長から説明が あった。 RCNPが、photon beamとhadron beamを活用し、原子核構成要素の実体を明 らかにすることによって、クォーク多体系としてのハドロン物理、ハドロン・ 核子多体系としての核物理を追究することを提言している。 内容に関して、以下の様な議論がなされた。 ◯ 提言と主目的について ・核内からメソンをリアルなものとして叩き出す過程を念頭に置いている が、リアル(time-like)な過程とバーチャル(space-like)な過程はお互 いにカップルしている。これらを consistent に結びつけられるのかど うか。 ・将来計画の目的に理論のモデルが介在していると分かりにくくなる。提 言の部分については理論のモデルに依存しないようなものに変えるべき。 ・ストーリーとしては着実に繋がっているという印象を受けた。原子核の 中の中間子の場を調べたいというのは自然な流れである。 ・coherent なメソン生成過程をexclusiveに測定した例はない、という意 味で新しい。 ◯ 目的の設定について ・π粒子の自由度があらわに入るようなデータを選択的にとることが重要。 ・殻模型で説明できないところを集中的に攻めるべきでは? → 殻模型の有効相互作用をもっと下のレベルから説明することを目的と して提言している。 ・物理は階層毎に進めるべきである。 ◯ テーマと表現について ・キャッチフレーズが考えられるかどうか。いいテーマといい表現が欲しい。 ・「メソンバリオン多体系としての物理学」「ボーズ粒子とフェルミ粒子 の凝縮系」 ・他分野の人に分かりやすく。難しいことでも分かった様な気にさせる様 に。 ◯ 装置について ・加速器については実験屋として勝算があるかどうか。 ・high resolution の表現を付けるとすれば、それで何が分かるかという ことをはっきりさせておくと非常に良くなる。 ◯ 共同利用体制について ・中心でないテーマについては、外部ユーザーに任せて外注するという考 え方もある。ただしそれをサポートする体制をまとめておく必要がある。 ◯ 理論との協力体制。奨学金の提案。 ・奨学金の提案については、理論と実験の両方を含めてか? 理論屋が申請 する様なプロジェクトの枠を作るということか? → 理論と実験の協力体制を作るという目的での一つの案として出してい る。その為、理論の学生を主に念頭に置いている。 ・阪大の中での理論との連携が必要。 これらの議論を踏まえ、12月中を目処にWG内で提言をまとめ、1月上旬に研計 委委員内でメイルによる議論を行なうこととした。 3. 前回議事録承認 ----------------- 7月25日開催の研計委議事録の案について承認した。 4. 次回の研計委開催日程に関して ----------------------------------- 次回の研計委の開催日程については4月14日(金)を候補とし、新委員の決定 後に再調整することとした。 2006年度前期の研計委採択研究会の採択審議は、次回の研計委にて行なわれ る。研究会募集時に、今回の採択審議が4月になることを伝えることとした。 5. その他 ----------------------------------- 研計委議事録のホームページでの公開に関して議論を行ない、今回承認し た議事録から公開することとした。 *************************************************************************** ===================================