<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.792:2005年 6月13日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ***< 天文学会企画セッション「中間質量ブラックホールと高エネルギー現象」>*** CRCの皆様 重ねて案内をさせていただきます。 次回天文学会秋季年会(10月6日〜8日 札幌コンベンションセンター) にて、企画セッション「中間質量ブラックホールと高エネルギー現象」を開催 する事になりました。以下にお知らせと一般講演募集のご案内を添付致します。 一般講演の締め切りは6月17日(金)です。ふるって申し込みください。 企画セッション: 中間質量ブラックホールと高エネルギー現象 [趣旨] 現在、長年の謎だった巨大ブラックホールの成因に手がかりが得られつつある。 まず、X線観測で M82 に中間質量ブラックホール候補が発見された。さらに超高 光度X線源(ULX)の多くが100太陽質量を超える中間質量ブラックホールであり、 高密度星団に属しているのではないかと指摘されている。一方、星の暴走的合 体により高密度星団の中心で巨大星(〜1000太陽質量)が作られることが GRAPE-6を使った重力多体シミュレーションで明らかになった。やがてそれは重 力崩壊して中間質量ブラックホールになるはずである。また、可視光観測では、 多くのULXの周りに、膨張エネルギーが普通のものの数十倍の超新星残骸が発見 されている。これらは極超新星/ガンマ線バーストの残骸なのかも知れない。さ らには、天の川銀河の中心に、中間質量ブラックホールをもった高密度星団のな れの果ての星団が存在するとの議論もされている。もしそうだとすれば、この中 間質量ブラックホールは、この後さらに落下して中心の巨大ブラックホールへ合 体する可能性がある。実際、まもなく合体しそうなブラックホール連星がある証 拠もVLBI観測で得られている。 本企画セッションは、中間質量ブラックホールの形成と進化を軸に宇宙の高エネ ルギー現象:中間質量ブラックホール形成、極超新星とガンマ線バーストの関係、 ブラックホールへの超臨界降着とULX、銀河中心巨大ブラックホールの起源、ス ターバースト活動とAGN活動の関連、ブラックホール合体による重力波バースト 放出などの現象を系統的に議論することを目的とする。これらの話題は普通なら ば別のセッションでばらばらに話されることになる。企画セッションにおいてま とめて議論することはたいへん有意義である。 [世話人の氏名・所属] 戎崎俊一 理化学研究所 牧島一夫 東京大学理学系/理化学研究所 野本憲一 東京大学 牧野淳一郎 東京大学 鶴剛 京都大学 実行委員会より割り当てられたのは4時間で、この時間内に基調講演と一般講演 を配置します(講演数、希望によりポスター講演も考慮します)。基調講演として は次の5件を予定しています。 基調講演 牧島一夫(東大・理研):「ULXの観測と問題点」 我々が「あすか」の観測により、近傍銀河に見られる異常に強いX線の点源にULX (ultra luminous X-ray source) という名前をつけてから5年がたった。その研 究は全世界に爆発的に広がった。さまざまな紆余曲折を経て、それらが中質量ブ ラックホールである可能性は、固まりつつあると考えられる。ここでは最新のX 線観測の結果と、解釈の問題点を論じる。 田代信(埼玉大)/玉川徹(理研):「HETE-2/Swift によるGRBの観測と、中質量 BHとの関係」 HETE2によるガンマ線バースト観測を総括し、また、SWIFTによる新しい観測結果 について報告する。それが理論へ与える制限と中質量BHとの関係を議論する。 野本憲一:「極超新星とガンマ線バースト」 極超新星とガンマ線バーストの連関を極超新星の観測と理論モデルから議論す る。また、銀河のハロー星や銀河団、銀河間ガスの化学組成から、宇宙初期の 化学進化における極超新星の貢献度を議論する。 牧野淳一郎(東大): 高密度星団の力学進化と中間質量ブラックホール形成 高密度星団における暴走的合体の進行とそれが起こる条件を、GRAPE-6を使った 重力多体シミュレーションの結果を使いつつ議論する。さらに、通常の球状星団 が中間質量ブラックホールを持つ可能性について、観測とシミュレーション結果 を比較しつつ議論する。 戎崎俊一(理研):中間質量ブラックホールから巨大ブラックホールへ 暴走的合体によってできた巨大星の重力崩壊による中間質量ブラックホールの形 成とそのガンマ線バーストの関係を議論する。また、中間質量ブラックホールの 銀河中心への沈降と中心ブラックホールの成長をAGN活動とスターバースト活動 の連関を含めて議論する。 [ご応募の際の留意点など] ご興味をお持ちの方は奮ってご応募ください。申し込み用 パッケージの取得を http://www.asj.or.jp/nenkai/abs/ からしていただき、予稿を作成願うのは通常通りですが、 送り先(電子投稿のみ)と締め切りが違います。 送り先: ebisu [at] postman.riken.jp   添付ファイルでなく本文に埋め込んだプレーンテキストとして お送りください。   また整理の都合上、SUBJには「企画IMBH投稿」と書き込んで いただけると幸いです。 締め切り: 6/17(金) 24時 締め切りが通常(6/28)より11日早いことにご注意ください。 これは、世話人にてセッション編成案を作成の後、普通より 数日早く実行委員会宛送らなければならないからです。 予稿原稿に[a.口頭]、[b.口頭+ポスター]、[c.ポスター]の 希望の別を明記いただくのも通常どおりです。ただし、a、b講演 の講演時間は講演数を考慮してプログラム編成時に決定する為、 天文学会の通常セッションと同じになるとは限りません。また、 a、bの区分けについて必ずしもご要望に沿えないこともあります。 予めご了承下さい。投稿いただいた方々にはセッション編成案 を6/24を目処に配信できる見込みです。(投稿時のメールアドレス に配信します。もし別のアドレスへ配信することが必要でしたら、 その旨、明記しておいてください。) なお、a講演については、 「この年会全体で1人1講演に限る」 との普通のルールが適用されることにご注意ください。 (指定された基調講演を除く。) そして、基調講演を含め、全ての 講演に通常通りの登録費が必要となることにご注意ください。 また、実行委員会から「企画セッションでは短い予稿が目立つが、 予稿集紙面の有効利用を徹底せよ」との要請が来ております。 皆様にはその点ご留意の上、予稿を作成いただくようお願いいたします。 以上。 世話人代表:戎崎俊一 ebisu [at] postman.riken.jp fax:048-467-4078 ===================================