<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.785:2005年 5月19日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ****< 学術会議主催・世界物理年フォーラム 量子ビーム・テクノロジー革命 >**** 世界物理年フォーラム 量子ビーム・テクノロジー革命 — 未来型社会・産業を拓く21世紀の先端技術 — 日時: 2005年5月25日(水) 10:00〜17:00 会場: 東京・乃木坂 日本学術会議・講堂 主催: 日本学術会議  物理学研究連絡委員会  核科学総合連絡委員会  応用物理学研究連絡委員会 共催: 世界物理年日本委員会 日本原子力研究所/理化学研究所/高エネルギー加速器研究機構 放射線医学総合研究所/物質・材料研究機構 日本物理学会/応用物理学会/日本原子力学会/日本放射線化学会 レーザー学会/日本中性子科学会/日本放射光学会/日本加速器学会 日本放射化学会 後援: 文部科学省(依頼中)/経済産業省(依頼中)/原子力委員会(依頼中) 科学技術振興機構 朝日新聞社/毎日新聞社/読売新聞社/日本経済新聞社/産経新聞社 協賛: 日本電機工業会/日本原子力産業会議/日本化学工業協会 事務局: 日本科学技術振興財団 問合せ先: 世界物理年日本委員会 事務局 「量子ビーム・フォーラム」担当:高畑 電話:03-3212-4785 FAX:03-3212-7790 電子メール:wyp2005 [at] jsf.or.jp 開催趣旨  20世紀の100年間は、物理学が飛躍的に進歩した時代であります。1905年、アイン シュタインが「光電効果」「ブラウン運動」「相対性理論」の理論を発表し、これ を契機に古典物理から現代物理の時代に入りました。その中核を担う量子科学は、 100年後の今日に至るまでに画期的な進歩を遂げ、その成果は物理学のみでなく、原 子力技術や通信・情報技術などに大いに活用され、社会・経済活動に極めて大きな 恩恵をもたらしてきました。量子科学の主役は、電子、陽子等の様々な粒子や素粒 子であり、エックス線やガンマ線等の電磁波であります。また、最近では、先端的 加速器や高性能のレーザー装置が国内外で開発され、様々な粒子線、中性子線、更 には21世紀の光とも言える放射光、レーザー光などを加えた「量子ビーム群」は、 今や、物質科学・ナノテクノロジー、医学・生命科学、情報科学、環境科学等の様 々な科学技術、産業分野における利用・応用へと発展し、将来の大きな夢と期待を 感じさせる時代に入っています。  量子ビームを利用して既に実用化されている技術は、例えばイオン注入による高 機能半導体の製造、品質の安定度を高めたラジアルタイヤの製造、重イオンビーム や中性子線による生活の質(Quality of Life)を維持したガン 治療などであり、 極めて大きな成果を上げています。これら産業利用、医学利用を中心とした実用目 的に、国内だけで既に一千台以上の加速器が利用されています。また、電子ビーム によるダイオキシンの分解・除去、畜産廃棄物の堆肥化なども実用化直前の段階に 入っています。新材料の開発として、高性能燃料電池膜、マイクロチューブ、機能 性材料等の開発は、産業界に大きなインパクトを与える可能性があります。更に、 最先端の大型放射光、高強度レーザー、パルス中性子発生装置の導入により、最先 端量子ビームが利用可能となりつつあります。例えば、これらを利用したタンパク 質の構造・機能解析は国際的競争の中で行われており、その成果は創薬につながる 技術として大きな期待がもたれています。  現在我が国だけで、既に年間約9兆円を越える経済規模の製品製造や診断・治療 技術等にこれら量子ビームが様々な形で用いられています。今後の加速器技術や量 子ビームの応用技術の進歩を勘案すれば、わが国の社会・経済活動にとって、いわ ば「量子ビーム・テクノロジー革命」とも言える大きな波及効果が期待されるもの であります。米国、欧州においても、量子ビーム・テクノロジーに係わる技術開発 や研究開発が進められております。わが国も国際的競争環境の中で、新しい加速器 の開発や量子ビームを利用した研究開発に戦略的に取り組んでいく必要があります 。わが国は現在、この分野で世界最先端の位置につけています。引き続き、加速器 等の研究開発プラットフォームの拡充・整備や、外部に開かれた利用システムの構 築が行われる必要があり、それら研究開発基盤を活用しつつ産官学が連携・協力し 、量子ビームに係わる基礎基盤的研究や新しい技術、手法、製品の開発に取り組む ことが「未来型社会・産業を拓く21世紀の先端技術」の創成にとって重要かつ喫急 の戦略的課題であると思われます。  本フォーラムは、今日の物理学の礎となった量子科学の誕生100周年を記念すると ともに、21世紀における先端的な科学技術の発展、社会・経済への応用、新産業の 創出への大きな役割が期待される量子ビームの科学技術に焦点を当て、その将来を 展望するものであります。 プログラム 10:00-10:05 開会挨拶 北原和夫(日本学術会議物理学研究連絡委員会委員長 /世界物理年日本委員会運営委員長) 10:05-10:30 来賓挨拶 棚橋泰文科学技術政策担当大臣 小泉顕雄文部科学大臣政務官 近藤駿介原子力委員会委員長 10:30-12:00 基調講演・特別講演(各30分) 基調講演「量子ビームが拓いた世界」  有馬朗人(世界物理年日本委員会 会長) 特別講演「21世紀へむけた日本の科学技術政策: On the Occasion of ‘the Centennial of the Annis Mirabilis’」  黒川 清(日本学術会議 会長) 特別講演「企業の研究開発と量子ビームへの期待」  有信睦弘(東芝 執行役常務) 12:00-13:00 昼休み/パネル展示:量子ビーム施設紹介 13:00-15:00 講演会(各30分) 「量子ビーム施設と先端研究」 永宮正治(高エネルギー加速器研究機構 教授 /日本原子力研究所 客員研究主幹)      「量子ビームが切り拓くナノテクノロジー・材料の新展開」  田川精一(大阪大学 教授)      「ライフサイエンスにおける物理ツールの有用性」  和田昭允(東京大学 名誉教授)      「量子ビーム技術の産業応用について」  高橋直樹(住友重機械工業 取締役) 15:00-15:20 休憩 15:20-16:55 パネル討論「量子ビーム・テクノロジーの未来を語る」 モデレータ: 吉川和輝(日本経済新聞社 編集委員) パネリスト: 小田公彦(文部科学省大臣官房審議官) 橋本 昌(茨城県知事) 若槻壮市(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 教授) 藤井保彦(日本原子力研究所 中性子利用研究センター長) 辻井博彦(放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター長) 16:55-17:00 閉会挨拶 ===================================