<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.763:2005年 3月30日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 *****************< 核物理研究センター研計委議事録(案) >***************** 平成17年2月23日に開催された、核物理研究センター 研究計画検討専門委員会の 議事録(案)をお送りします。 この議事録(案)は、正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 幹事 阪口篤志、民井淳 -------------------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター 研究計画検討専門委員会議事録(案) 日時: 2005年2月23日(水) 11:00-17:00 場所: 核物理研究センター 本館2階会議室 新旧メンバー合同会議 出席者: 新委員(継続を含む) 與曽井(京大)、阪口(阪大)、八尋(九大)、宇都宮(甲南大)、松多(阪大)、 中村(東工大)、初田(東大)、比連崎(奈良女大)、飯島(名大)、篠原(阪大)、 酒見(RCNP)、二宮(RCNP)、堀田(RCNP)、民井(RCNP) 旧委員 岡村(東北大CYRIC)、上坂(東大CNS)、福田(大阪電通大) センター長: 土岐(RCNP) 研究企画室: 畑中(RCNP) 研計委要請: 嶋(RCNP) 欠席者: 新委員(継続を含む) 浅川(阪大)、若狭(九大)、梶野(甲南大) 旧委員 櫻木(大阪市大)、大西(北大) 配布資料: 1. 議事次第 2. 新委員名簿 3. B-PAC 資料 4. 一般実験費予算執行資料 5. 研究会報告 6. 中性子生成・遮蔽、核化学実験に関する課題申請資料 7. B-PACの進め方に関する意見要約 8. 研究会申請資料 9. 前回議事録(案) [1] 報告事項 ============ 1. 進行確認、委員紹介と任期の確認 (前研計委委員長: 岡村) ----------------------------------------------- 議事進行に先立ち、協議事項において新委員長を決める前の報告事 項については前委員長が司会進行をおこなう旨の、確認が行われた。 引続き、委員の紹介および任期の確認が行われた。大阪大学の独立 法人化に伴い、研計委の任期が4月1日開始、3月31日終了(任期2年)に 変更される。現在は過渡期にあたるため、継続委員の任期は平成18年 3月31日まで、新委員の任期は平成17年2月16日から平成19年3月31日 までとなる。 2. RCNP各部報告 (宇宙核物理グループ: 嶋) -------------------------------------------- RCNPの宇宙核物理グループを代表して嶋氏から、下記の様な最近の研究 トピックスについてのプレゼンテーションがあった。 ・187Re/187Os 宇宙核時計に関連する 189Os(n,γ)反応、Osからの中性 子弾性・非弾性散乱の測定について ・12C(α,γ)反応測定について ・中性子の寿命と Big Bang での元素生成について 3. 入射サイクロトロン更新計画報告 (計画責任者: 畑中) ------------------------------------------------------- 入射サイクロトロン更新計画の進行状況に関して報告が行われた。 AVF サイクロトロンの新高周波電源が納入され、旧ディー電極を用いた 高周波試験を行った。これまで使用して来た周波数帯域と電圧において 問題なく高周波入力できることが確認された。その後旧ディー電極を解体 して取り出した。新ディー電極 は住重新居浜工場にて製作中である。 新トリム電源は、IGBT型でなくサイリスタ・トラジスタードロッパー型を 採用した。既に納入されている。 取り出しビームラインの双極電磁石が完成し近日中に磁場測定が行われ る。 新加速器制御システムのコンソールが納入された。個々の機器の制御テ ストについては大部分を終了し、ユーザーインターフェースを含めた統括 的な制御の組み込み作業を現在進めている。 新ECRイオン源については、超伝導磁石、6極磁石、ビームライン機器の 製作が進行中である。偏極リチウムイオン源については各部の設計と、 ウィーンフィルターおよび電磁石の製作を進めている。 核化学用の照射コースは、IコースからS実験室に移動する。新規製作の 照射実験装置が納入された。 4. 核運委報告 (前研計委委員長: 岡村) --------------------------------------- 12月6日に行われた核物理研究センター運営委員会に関し、以下の報 告が行われた。 センター長の今年度末の任期終了に伴い、センター長改選に関する議 論が行われた結果、土岐センター長の再任と副センター長の設置が決ま った。副センター長として畑中氏が4月1日より就任する。 LEPSを中心とする原子核ハドロン物理の実験研究を担う助教授を2月 21日締切にて公募した。 今回の新研計委委員の任期を平成19年3月31日までとする規程変更が 行われた。 5. B-PAC報告 (B-PAC委員長: 松多) ------------------------------------- 2月21日に行われた B-PAC では、15件合計ビームタイム118.5日の課 題申請があり、8件を採択、3件をサスペンドとした。残る4件について は、研計委の方針を確認するため、協議事項として提出され、今研計委 にて議論されることとなった。 採択したビームタイムは、研計委協議事項の4件を除いて44.0日、採 択予算は1250万円である。 6. プロジェクト報告 (プロジェクト代表: 松多) ------------------------------------------------ 前回の研計委にて採択された「Heavy Ion Physics with Intense Radioactive Nuclear Beams at RCNP」のプロジェクトでは、二次ビ ームラインの実験を行う上での整備を進める目的で予算を部分的に 採択し、具体的用途についてはプロジェクトグループに任せて今回の 研計委にて報告を求めることとしていた。 プロジェクト代表者から、採択された予算については、二次ビー ムラインの標的・電磁石等の制御機器の整備、およびUCN実験での中 性子による放射線障害を避ける目的で制御機器を移動させる費用とし て使用した旨の報告があった。関連して、別途予算獲得したセンター 長留め置き予算については、二次粒子のβ-NMR測定を行うための電磁 石新設に使用した。 7. 一般実験費執行報告 (執行責任者: 民井) ------------------------------------- 今年度の一般実験費の執行状況と内訳に関して報告があった。 4千万円の当初予算で最終的には約6百万円の赤字となった。要因とな ったのは、回路老朽化への対応、液体ヘリウムの使用量増加、年度途 中で採択されたプロジェクト予算などである。 液体ヘリウムについては、半期毎に実験グループから執行予定を申 請するシステムを導入することにした。 8. 研究会報告 (前研計委幹事: 民井) ------------------------------------- 平成16年度に行われた研計委採択研究会のうち4件に関し、報告が 行われた。報告書はホームページに掲載されている。次回から報告書 に共催に関する情報の記載を求めることとした。 9. 将来計画WG報告 (WG幹事: 民井) ---------------------------------- 前回の研計委にて立ち上げた将来計画ワーキンググループの経緯と検 討状況に関し、幹事から報告があった。 9月に方針の検討を行ったのち、1月にRCNPにおいて会合を行い議論を 進めた。RCNP内部が責任をもって主体的に進められる計画を検討すると いう趣旨から、RCNP内部メンバーによる将来の研究内容、および外部か らRCNPに期待する内容を叩き台として検討を進めている。3月に次の会 合を行い、その後2回程度会合を行う予定である。 検討のスケジュールに関して委員から質問があり、次回の研計委にて レポートを行う予定との回答があった。 10. 概算要求に関して (センター長: 土岐) --------------------------------------- 平成17年度採択の概算要求として、阪大理学部と共同で荷電レプトン 混合現象の研究に関する申請を行っている旨、報告があった。 RCNPとして取り組むべき課題かどうかという質問が委員からあり、加 速器のプロジェクトとして捉え、チャレンジングな開発を行うことの意 義がある、また、現有施設の維持や将来計画を阻害するものではないと いう回答があった。 11. 平成17年度予算に関して (センター長: 土岐) -------------------------------------------- 今後運営費が1%づつ減少していくが、HD偏極標的に関する概算要求が 認められたことの効果、およびクレーン点検に予算がかかることなどを 考え合わせると、ほぼ今年度と同じ予算配分になるという説明があった。 センター長留め置き予算をどうするかという点に関して質問があり、 現時点ではどの程度の額になるか不明であるが、状況をみて留め置き予 算をとり、集中的に進めるべきプロジェクトに予算配分する予定である 旨の回答があった。 12. アニュアルレポートの形式変更に関して(編集委員: 酒見) ------------------------------------------------------ 核物理研究センターのアニュアルレポートの形式変更の方針に関して 編集委員から報告があった。各研究の報告を1ページ程度に詰めること にし、1年間の実験・プロジェクトのハイライトを、トップページに数 ページ程度紹介することを検討していている。 [2] 協議事項 ============ 1. 委員長、幹事の選出 ---------------------- 新委員長および幹事に関して立候補および推薦の手続きがとられ、多 数決により下記の様に決定した。 委員長: 與曽井優氏 (京大理) RCNP外幹事: 阪口篤志氏 (阪大理) RCNP内幹事: 民井淳氏 (阪大RCNP) この決定に伴い、司会進行を新委員長に交替した。 2. 中性子生成、遮蔽実験、核化学実験の採択に関して ------------------------------------------------- B-PACからの要請により、中性子生成、遮蔽実験、核化学実験の採択の 枠組に関する議論を行った。 研計委では採択日数に関する上限を定めることはせず、B-PAC において 科学的意義を審議して採択することとしたが、核物理研究を圧迫するほど のビームタイムを配分するべきではないという意見が出された。また、デ ータベースとしての価値など B-PAC 委員内で判断が難しい内容については レビューアーを要請すべきだという意見が出された。 今回の本件に該当する申請4件のうち、1件はビームタイム日数が多い ため、申請代表者とセンター長の間で直接協議を行う事とし、残る3件に ついてはB-PACに戻し、研計委での議論を踏まえて審議した後採択決定を 行うこととした。 追記: 該当する4件のうち1件については、申請代表者とセンター長で協議を 行った結果サスペンドとした。残る3件については、B-PACにて継続審議を 行った結果2件をサスペンドとし、1件は申請ビームタイムの1部の2.0日 を採択した。 この結果を含めると、採択したビームタイムは46.0日となる。採択予算 額は1250万円で変化なし。 3. B-PAC委員、Q-PAC委員の選出 ----------------------------- 選出に先立ち、B-PAC/Q-PAC の運営に関する議論が行われた。 B-PACに関しては、B-PAC委員からの意見として、記述が不十分な申請が 多いという問題、外国人委員を入れるべきかどうか、英語表記を日本語表 記に変更すべきか、といった議論があることが幹事から報告された。 申請記述の改善に関しては、申請募集時の内容に記載事項を明記するな どの対策を含めて、申請者に徹底する方策をとることとした。外国人委員 を入れるべきかどうかについては、過去の経緯を含めて議論を行い、入れ る方向で進めることで意見が一致した。これに伴い申請の英語表記を継続 することとなったが、英語表記のシステム自身には問題がないという意見 が多かった。 Q-PACに関しては、過去2年間の申請が0であることから、存続させるべき かどうかについての議論が行われた。最終的に現在6人の委員を4人にして 存続させることとし、課題申請を増やす目的で、定期的に課題申請の募集 を呼びかけることにした。 B-PAC/Q-PACのP-PAC内の委員として、下記のメンバーを選出した。 ・B-PAC委員(P-PAC内) 中村隆司(東工大)、松多健策(阪大理)、酒見泰寛(RCNP)、 比連崎悟(奈良女大)、初田哲男(東大理) ・Q-PAC委員(P-PAC内) 堀田智明(RCNP)、浅川正之(阪大理) 残るB-PAC委員5人とQ-PAC委員2人の選出については、規程に従い、研計 委委員長とセンター長の推薦に委ねることとした。 研計委後に、下記の委員が推薦された ・B-PAC委員(委員長・センター長推薦) O. Scholten(KVI)、前田和茂(東北大理)、板垣直之(東大理)、 R. Zegers(MSU)、嶋達志(RCNP) ・Q-PAC委員(委員長・センター長推薦) 齊藤直人(京大理)、保坂淳(RCNP) 4. 平成17年度(前期)研究会申請課題採択 ------------------------------------- 2月18日締め切りの平成17年度(前期)の研究会募集に6件の申請があった。 前回の募集時に応募があった4月上旬開催の研究会の採択内定分を合わせて 7件、計310万円の申請となる。 同じテーマで毎年定例化して行うような申請や、RCNPが主催でない研究会 に対する補助の程度などについて議論があった。協議の結果、下記5件、 計170万円を採択することとした。 ・電子散乱光反応とハドロン共鳴 連絡責任者: 佐藤透(阪大理) 国際ミニワークショップ、20人程度 ・CMT29 XXIX International Workshop on Condensed Matter Theories 連絡責任者: 土岐博(RCNP) 開催場所: 国際高等研究所 共催: 阪大理学研究科物理数学21世紀COE、国際高等研究所 国際ワークショップ、100人程度 ・第11回偏極イオン源と標的に関する国際ワークショップ 連絡責任者: 上坂友洋(東大CNS) 開催場所: 東大弥生キャンパス 国際ワークショップ、70人程度 ・LEPS新ビームラインの物理 連絡責任者: 堀田智明(RCNP) 国際ワークショップ、30人程度 ・エキゾティックハドロンの研究 −HEP−原子核クロスオーバー 連絡責任者: 宮林謙吉(奈良女大)、中野貴志(RCNP) 国際ワークショップ、35人程度 5. 前回議事録承認 ----------------- 8月6日開催の研計委の議事録案を承認した。 6. 平成17年度の研計委開催日程に関して ----------------------------------- 次回の研計委は7月25日(月)に開催することとした。 次々回は11-12月頃で計年3回の予定。 ===================================