<<<<<<<<<<<<<< CRC News 2015年 3月 9日 >>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位                             CRC事務局 ****< 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) >**** 日時:平成27年1月6日(月) 11:00〜18:00 場所:核物理研究センター 本館二階会議室 出席者: ・委員:大西宏明(理研/RCNP), 川畑貴裕(京大), 関口仁子(東北大), 上野秀樹  (理研), 大津秀暁(理研), 矢向謙太郎(東大CNS), 木村真明(北大), 宇都野穣  (JAEA), 成木恵(京大), 森正樹(立命館大), 山崎祐司(神戸大), 青井考(RCNP),  緒方一介(RCNP), 野海博之(RCNP), 堀田智明(RCNP) ・センター長:中野貴志(RCNP) 欠席者:小沢恭一朗(KEK), 慈道大介(首都大), 豊嶋厚史(JAEA), 民井淳(RCNP),  板垣直之(京大基研), 畑中吉治(RCNP) 報告事項 1.一般報告(中野) ・人事関連  - ImPACT関連特任助教を公募中(1/13締切).  - 海外機関とのクロスアポイントメントで、UCN関連2名(教授、准教授)及び   LEPS関連1名(教授)を招聘する.  - 特任研究員及び教務補佐員を公募中(1/26締切).  - 「物質の階層構造解明事業」の特任教員として, 郡英輝特任准教授(LEPS関   連)及び野地俊平特任助教(リングサイクロトロン実験関連)を採用した. ・プロジェクト関連  - 文科省のプロジェクト予算の大幅削減により「物質の階層構造解明事業」は   平成27年度で打ち切りの可能性がある. いくつかのオプションで概算要求の   準備を進めている.  - UCNプロジェクトのための第2回External Advisory Committeeを2月に開催   予定. ? グループからのCDR提出を受け, 2/22にKEKで開催された.  - ミュオンビームラインの整備について, KEK物構研との間にミュオン科学推   進に関わる連携協力に関する覚書を締結した(平成26年11月1日付).  - ミュオンビームラインでは, 平成26年末に行われたビームテストにおいて,   設計値を上回る強度のミュオンビーム生成を確認した.  - SPring-8に大阪大学未来戦略光科学連携センターが発足し, 阪大所属ユーザ   ーによるSPring-8, SACLA利用を推進する. RCNPからは外川助教が兼任教員   となり, 阪大との間のネットワーク整備に協力する. さらなる施設整備のた   めに概算要求を準備中.  - 医・理・核連携事業の概算要求は結果の連絡を待っている.  - LEPS/LEPS2実験は同時進行中. ・将来計画関連  - サイクロトロン施設高度化計画について, 第一回技術諮問委員会が平成26年   12月18日に開催された. 2.研計委内部委員(実験系)選出についてのメール審議結果(大津) ・過去の人事異動等の結果, 核談選出の内部委員(実験系)の改選が1年毎に1名  ないし3名となっているところを, 以前の選出方法(2年毎に4名全員改選)に戻  すため, 今年度は内部委員の改選を行わず, 3月末に任期が終了する堀田委員  を平成27年度センター長推薦委員とし, 来年度4名の新内部委員を選出する案  がメール審議により承認された旨報告があった. 3.加速器報告(福田) ・2014年9〜12月の運転状況, トラブル及びメンテナンス状況について報告が  なされた. ・加速器関連の開発の状況について報告がなされた.  - リアルタイムでのビームエミッタンス解析, イオン源チューニングの最適化   を目的として, ペッパーポット型エミッタンスモニターを開発した.  - 2.45 GHz ECR陽子源の改良を行い800 ?A以上のビーム電流を実現(1週間は   持続可能). 1 mAの安定供給も目標とする. ・重イオンビーム開発について報告がなされた.  - AVFサイクロトロン加速箱内の真空度が悪いため, 多価重イオンの等価効率   が悪い.  - 24Mg 5+ のビームは開発済. 2014年10月に加速テストを済ませている.  - 58Ni, 58Fe 既存ECRイオン源でのテストを行ったが理研の実績に比べて強度   が一桁以上低く, 改造を検討中.  - 硫黄ビームは, 毒性や腐食性が高く注意が必要であるが, 実験からの要望   があれば開発は可能である. ・加速器報告に関して質疑応答がなされた.  - Q. 高価なイオン種を必要とする実験申請への対応はどうなっているか.   A. 実際に供給可能かどうかは予算に依存する. 高価な試料の実験グループ    からの持ち込みは歓迎する. 個々の申請課題に対し, ビーム供給が可能か    どうかのコメントはしている. 4.CAGRAプロジェクト報告(井手口) ・CAGRA実験の準備状況と, Collaboration強化及び体制作りについて報告がなさ  れた.  - EN-CAGRA Campaign実験では, AVF単独利用実験を2月25日から開始する   CAGRA commissioningに続き、B-PAC採択課題4件.  - リングサイクロトロン利用実験は4月から行う予定. B-PAC採択課題2件.  - 架台等の準備が順調に進んでいる.  - これまでの日米のcollaborationに加え, 新たに中国, 韓国との研究協力が   進んでおり, 日米中韓collaborationに拡大している. 5.Q-PAC報告(上野) ・2014年12月10日に開催されたQ-PACについて報告がなされた.  - LEPS実験(報告者: 與曽井), LEPS2 BGOegg実験(村松), LEPS2 Solenoid実験   (與曽井)についての報告に基づき評価を行った.  - θ+データ取得と解析については, 次回Q-PAC(6月頃)には不変質量分布の公   表に至らないとしても, blindを外すために必要な解析の進行状況について   のレビューを要望する.  - BGOegg実験については, 各標的での物理的なアウトプット, 期待通りのイー   ルドが得られているかどうか, 今後のデータ収集方針についての計画を次回   Q-PACに提示することを要望する.  - η’の質量変化の検出可能性についてのスタディについて, 次回Q-PACで解   析の進行状況が示される事を希望する.  - LEPS, LEPS2実験ともに, 固定した大学・研究所のメンバーが実験を遂行し   て成果を上げていくだけではなく, より広くコミュニティーに参入を呼びか   け, 共同利用機関が大きな予算を使って推進するプロジェクトとしてふさわ   しい形に持って行くことが重要である.  - 理論グループとの議論・交流を積極的に行っていくことを期待する.  - 次回Q-PACを6月頃に開催したい. 6.MuSICの現状(佐藤) ・MuSICの最近の成果について報告がなされた.  - 日本初のDCミューオンビームライン, RCNP-MuSIC-M1が完成し, 調整がほぼ   完了した. (2014年12月30日)  - ユーザー利用開始に向けて準備を進めている. ・KEKからの?SR装置の移設. ・ビーム試験(ソレノイド磁場の最適化後の表面ミューオン測定, ?SR測定). ・ユーザー実験開始の体制整備. ・報告に対し, 質疑応答・コメントがなされた.  - ユーザーマシンタイムの規模については, 今後議論が必要.  - 限られた電気代, ビームタイムを調整する企画コーディネーターが必要だろ   う.  - 新しいビームラインの将来性をアピールし, 運用経費を要求していきたい.  - 早い段階での公募実験への移行を目指したい. 2016年頃の可能性. 7.BRILLIANTプロジェクト報告(青井) ・2012年4月に採択されたBRILLIANTプロジェクトについて現状報告がなされた.  - 最終的には不安定核インプラント標的による散乱実験の実現を目指す.  - 現状ではphase-0として, 安定核インプラントによる散乱(実証)実験を行っ   ている. ・報告に基づいた議論があり, 継続して研究を進めていくことが承認された. 8.サイクロトロン施設の将来計画(青井) ・RCNPサイクロトロン施設の将来計画について, 2014年12月18日に開催された,  「第一回RCNPサイクロトロン施設高度化・技術諮問委員会」の報告がなされた.  - RCNPの将来の方向性: これまで培ってきた, 高品質ビーム及び高分解能スペ   クトロメーターによる精密核分光の手法を活かし, 安定核, 比較的安定線に   近い不安定核を広い励起エネルギー領域に対して詳しく調べる.  - 中長期計画として, 粒子スペクトロメーターではBRILLIANT Phase-1 (不安   定核停止標的による散乱実験), ?線スペクトロメーターでは?線トラッキン   グアレイ(1?)によるハイパー変形状態の研究を考えている. 9.“Extension of ‘RI Beam at RCNP’ Project”報告(王) ・2012年6月に採択されたExtension of “RI Beam at RCNP”について報告がな  された.  - 2008年に採択された第一期計画において, ENコースでの不安定核ビームによ   る反応実験を展開した. プロジェクト予算, 科研費, 共同研究による検出器   開発が進められて来た.  - 2012年採択の第二期計画で, ビームのpurity向上のためQマグネットを導入   して第三焦点面(F3)を増設した. RIビームを用いた核反応研究の効率化を図   り, ENコースでの共同利用体制を整えた.  - ENコースでの不安定核ビームを用いた実験が着々と進んでいる. 協議事項 1.来年度部局予算削減の可能性とその対応, 次期拠点申請について(中野) ・中野センター長より, 来年度以降の予算状況について説明がなされた.  - 平成27年度予算は, 運営費の削減, 借入金の状況, プロジェクト経費(医理   核連携)による収入増の可能性等を総合すると約2億円の予算減となる事が   確定している. 今まで通りに実験を行うのは難しい.  - 平成28年度以降, 運営費はさらに削減される可能性がある. 阪大では具体的   な削減案を1年かけて議論する予定である.  - 拠点経費(全国共同利用・共同実施分)全体の大幅増額は見込めない.  - プロジェクト経費枠は非常に小さくなる.  - 競争的資金(大型科研費等)の重要度は増す.  - 拠点経費の大幅削減⇒従来の様に運営を続けるのは難しい. ・中野センター長より, 次期拠点申請の状況について説明がなされた.  - 次期拠点の申請は1月末であり, 現拠点の期末評価が次期拠点の認定資料と   なる.  - 拠点としての新たな取り組みとして, 拠点間連携(東北大ELPHとの連携に   よるLEPS/LEPS2共同運営, 東大宇宙線研との連携による二重ベータ崩壊実験   , 等)の実施はアピールする. ・予算削減への対応について, 議論がなされ, 以下の様な意見が交わされた.  - これまで以上に科研費を獲得出来る様, コアユーザーの中での組織的な働き   等が必要なのではないか.  - B-PAC課題に関わる競争的資金の獲得状況は調査し, 拠点申請の評価等にも   活かすべきである.  - ユーザー側の競争的資金獲得の努力が目に見える形になり、経済的な援助に   結び付くようにしたい.  - 実験報告書に決算報告的なものあっても良いのではないか. ・次回以降, B-PACの新規課題申請において, 競争的資金の獲得・申請状況を  明記することを申請者に求めることとした. ・前回の中間評価(平成25年度)以降のB-PACの課題については, RCNPが追跡調査  を行い, 拠点の評価等に活用することをRCNPに求めることとした. ・拠点の次期申請については, 6年に一度のチャンスであり, できるだけ日々の  運営にかけられる基盤的な経費が増やせるように努力したいとの説明がセンタ  ー長よりあった. 2.APCTPへの会費支援(保坂) ・APCTP(Asian Pacific Center for Theoretical Physics, Pohang, Korea)の  概要と, 会費として1国あたり年間1万ドルを支払っている旨説明があった. ・この会費を理研仁科センター, 東大ビッグバンセンター, KEK, 京大基研, 物  性研, RCNPの6機関からの支援によって継続したい. RCNPからも年間約20万円  支援したいという提案がなされた. ・支援の意義は大きく, RCNP理論部の予算から支援することに問題が無い事を確  認した. 3.H27年度前期研究会「計測システム研究会」予算について ・申請者から示された旅費の算出根拠及び過去の実績を元に審議を行い, 採択額  を40万円とした. 4.前回議事録確認 ・若干の文言の修正の上で承認することとした. 5.その他 ・H26年度後期研究会として採択されていた研究会Frontier of gamma-ray  spectroscopy (gamma14) について, 2月のCAGRA実験スケジュールとの関連  等から研究会参加者の都合を考慮し, 開催時期をH27年度前期に変更したいと  いう申し出があり, 承認した. 6.次回研計委 ・4月上旬に新旧委員の合同で開催予定. ************************************************************