<<<<<<<<<<<<<< CRC News 2014年 12月 16日 >>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位                             CRC事務局 **********< KEK測定器開発室セミナー(01/13)のご案内 >********** 関連分野の皆様 KEK測定器開発室では高エネルギー・原子核およびその関連分野の測定器技術・ 応用に関する知見を深めるため、不定期でセミナーを開催しております。 今回のセミナーは、北海道大学工学研究院 佐藤博隆氏をお招きして「GEM型 中性子画像検出器による物質情報3次元可視化技術の進展」と題したレクチャー をしていただきます。 何卒多数ご参集いただきますよう、よろしくお願いいたします。 なお、期日が近づきましたらリマインドいたします。 TV会議システム等での中継も可能です。 ご希望の方は三部(mibe [at] post.kek.jp)までお問い合わせください。                        KEK測定器開発室 ================================================= 測定器開発室セミナー 日 時:2015年1月13日(火)15時から16時半 場 所:4号館3階輪講室1 講 師:佐藤博隆氏(北海道大学工学研究院) 題 目:GEM型中性子画像検出器による物質情報3次元可視化技術の進展 講演概要: 物質・材料を透過してきた中性子のエネルギースペクトルを測定すると、数meV から数十meVの領域において「ブラッグエッジ」、数eV以上の領域において「共 鳴吸収ディップ」という、特徴的な透過率プロファイルを観測することができる。 これらをプロファイル解析することにより、結晶構造や金属組織に関する情報、 あるいは元素(核種)の種類や量、その原子ダイナミクス(温度)に関する情報 を取得することができる。近年、これら物質情報を評価する新しい手法として、 パルス中性子の飛行時間(TOF)分光法をベースとしたエネルギー分析型透過イ メージング法が、材料科学分野を中心に注目され始めている。これは、本手法が 各種物質情報を「大面積マッピング」できるユニークなものであることによる。 この大面積マッピングを実現するためのハードウェアとして、中性子TOF分析型 画像検出器が必要不可欠なものとなっている。  パルス中性子を用いた物質情報可視化技術の進展に大きく貢献してきた中性子 TOF分析型画像検出器として、KEK宇野グループにより開発が進められてきた GEM(Gas Electron Multiplier)型中性子画像検出器がある。この理由は、パル ス中性子イメージングで必要とされる検出器性能(検出面積・空間分解能・TOF 分解能・検出効率・最大計数率・安定性・S/N比など)が、いずれも高い水準に あったためである。本講演では、GEM型中性子画像検出器の特性を活かすことに よって進展することのできたパルス中性子イメージングに関する研究トピックス として、小型加速器中性子源を利用した金属組織情報イメージング技術開発[1,2]、 ひずみ情報3次元可視化を目指した新概念テンソルCT法の実証[3]、J-PARCダブル バンチ特性を考慮に入れた高精度核種定量分析法の開発[4]、日本刀の結晶組織 構造非破壊分析への応用[5]など、材料科学・画像工学・分析化学・考古学に関 わるアクティビティを紹介する。また、今後の中性子画像検出器開発に対する期 待・要望についても述べる。 担当:宇野(shoji.uno at kek.jp) ************************************************************