<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1870:2012年 3月 23日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 *************************< CRC総会の素核研報告 >************************* CRCの皆様 hecforumに流れている高エネルギー研素核研運営会議メモを、 CRC総会の素核研報告として転送いたします。 素核研運営会議委員 名大 伊藤 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  高エネルギー物理学研究者会議の皆様、 2011年10月12日(水)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研 究所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、永江、中野、中家が作成し た非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は永江、中野、中家にあること を申し添えます。 -------------------------------------------------------------------------- 第50回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時:平成23年10月12日(水)10:30−12:40 場所:KEK 管理棟 大会議室 出席:赤井、伊藤、延與、岡、岡田、北澤、小林(隆)、駒宮、住吉、田中、 徳宿、永江、中家、齋藤、幅、春山、山口、山中、林、山内、中野 所長・施設長:西川、生出、平山 【1】 所長等報告 1.人事異動  7月1日付で小松原健氏、後田裕氏が教授に昇任。富沢真也氏を博士研究員に採用。 7月16日付で幅淳二氏(素核研・教授)が国際協力推進室員を併任。 9月1日付で深尾祥紀氏を博士研究員に、野秋淳一氏を特任助教に採用。 10月1日付でLIVENTSEV, DMITRIを博士研究員に採用。 2.研究員の選考結果について  田俊平氏、吉田豊氏、Lee Jong-Wan氏、石原桂子氏を研究員として選考。 3.第12回大強度陽子加速器における原子核素粒子実験施設審査委員会審査  7/08(金)〜10(日)に第12回J-PARC PACが開催され、E40実験(Measurement of the cross sections of Σp scatterings)をStage1として承認。P41実験 (An Experimental Search for μ − e Conversion at MRF)は継続審議。 4.平成24年度概算要求について  KEK予算は327億円で文科省から財務省に要求が行った。一般経費は116億円、特別 経費(プロジェクト経費)が175億円 [内、Bファクトリーが45億円、J-PARCが 91億円、放射光が28億円、他新規事業(主リングシンクロトロン(MR)ビーム強度 増強設)に11億円]。他は特殊要因経費に37億円。 5.覚書等の締結について 「希ガスシンチレータの研究」の共同研究に関する覚書が横浜国立大学工学研究 院と結ばれた。 6.Bファクトリー関係報告  SuperKEKB加速器(リング)建設状況について報告があった。主要機器の製作状況 が報告された。KEKB解体作業が進行中で、LER(Low Energy Ring)は解体終了。 震災で被害を受けた施設の復旧についても、緊急性の高いものから進めている。 2014年度のSuperKEKBビーム運転開始を目指して、建設が進行中。 7.LHC関係報告  ATLAS実験で4.34fb^-1の積分ルミノシティが記録され、今年末までに5fb^-1が期 待される。標準模型のプロセスでは10pbのZZ生成までの過程が見えている。新粒 子・新物理に対する信号はまだ見えていないが、スクォーク、グルイーノが 〜1TeVより重いことを示唆している。標準模型のヒッグス粒子は146GeV〜466GeV の領域にはないことが分かった。2012年末までに10fb^-1を貯めて、600GeV以下の 全てのヒッグスの質量領域を探索する予定。2012年末には19カ月の長期シャット ダウンが予定されており、その後LHCのエネルギー増強となる。 8.リニアコライダー関係報告(山口委員)  空洞製造技術開発施設が完成。「量子ビーム」プロジェクトの準備が進んでいる。  7月12日にリニアコライダー計画推進委員会が、9月26日〜30日スペイン・グラナ ダで International Workshop on Future Linear Colliderが開催された。ILCに 対するコスト予想が示され、実際にS1グルーバルで作製した超伝導空洞の価格を ベースにすると(大量生産のコストダウンを考慮しない場合)、RDRの価格6,619 M ILCユニット(約6000億円)より高額になった。今後、コストダウンを考えていく。 9.J-PARC関係報告(小林委員)  6/22にJ-PARC利用者協議会、6/27にJPNC、7/8〜10にPACが開催。夏の会議(EPS) でT2K実験がミューオンニュートリノ消失に関する新結果を発表した。リニアック のアップグレードのための工事が2012年から2013年に変更された。J−PARCの本年 度運転は、2012年12月上旬(12日開始の予定)にLINACビーム再開を予定、12月中 に実験標的までビームを通す計画である。MRは現在アライメントを行っている。 ニュートリノ施設は12月にビーム受け入れ可である。ハドロン施設関係でも、復 旧はほぼ予定通りで、12月にはビーム受け入れ可能である。 スイッチヤードが 屈曲しているが、ゆがみは軽微で、補正磁石で対応可能。再アライメントもその 方針で進めている。冷却水配管ベローズなど、今後の補修が必要な部分が周辺部 にまだ残存。〜30kW対応間接水冷白金標的を設置中。 実験チームともども12月か らのビーム再開、1月からの実験再開に向けて鋭意準備中。 再開に向けて、SKSが  冷却を開始した。K0TO実験の準備、ミューオンg-2実験に向けてのR&Dが進んでい る。ただし、テストビームライン(K1.1)は今年の運転には間に合わない。 10.その他 ・2011サマーチャレンジの報告  応募者総数146名中、選考90名、参加者は87名。男女比は約7:3であった。17の実 習と16コマの講義で充実したスクールが行えた。外部スタッフとして大学教員が 50名、TA(大学院生)が62名参加しており、校長の春山副所長から大学関係者に 向けた謝辞があった。物質生命コースでは11月26-27日に放射光体験実習を行う 予定。 ・次期機構長選考について  7/8締めで推薦を受け付け、その後、機構長選考会議を複数回開催し、選考を進め ている。現時点では、いつ機構長が決定されるかは明らかでない。その後、素核 研所長の選考をどうするかの議論を行った。  素核研所長の推薦を本日から11月29日正午まで受け付け、11月30日の運営会議で 審議する予定。ただし、選考は、機構長決定後とする。次期所長の選出が遅れる ことによって生じるPAC委員の選考などの問題に対しては、現委員の任期を延ばす などの措置を講じる。 【2】 協議 1.岡 真 氏(東京工業大学・教授)、原 田 融氏(大阪電気通信大学・教授)、慈道 大介氏(京都大学基礎物理学研究所・助教)、佐 藤 透氏(大阪大学・准教授) を客員研究員として承認した。 2.以下の教員公募が提案され、了承した。申し込み締め切りは全て平成24年1月6日 (金)。  (1) ニュートリノ実験の准教授1名、(2) ATLAS実験の准教授1名、(3) Belle II実 験の教授1名、 (4) Belle II実験の助教1名 3.理論(博士研究員)若干名の公募が提案され、承認した。締め切りは平成23年 12月16日(金)。 4.KEKのHPが更新されたが、素核研のプロジェクトが12GeV PS実験が主に載っている 等古いままであることが指摘され、改善を要求した。 5.KEKの63歳定年制について、議論した。 文責:永江、中野、中家 -------------------------------------------------------------------------- 第51回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ 日時 :平成23年11月30日(水) 10:00 − 場所 :高エネルギー加速器研究機構 管理棟大会議室 出席者:山内、中野、赤井、延與、岡、門野、岡田、北澤、小林、駒宮、齊藤、 住吉、田中、徳宿、永江、中家、羽澄、幅、春山、山口、山本 機構側:鈴木機構長、西川所長 1.所長報告(西川) ・人事異動 成木(育児休職)、花田(採用:特任助教)、東城(辞職→九大) ・研究員の選考結果:武田光平(継続:科研費) ・協定・覚書締結 - 共同研究契約「タングステン不安定核の核半径測定のためのガスセル・レーザ ー分光法の開発」(JAEA, 広島国際大、理研)  - 「元素選択型質量分離装置共同研究」に関する覚書(理研仁科センター) 2.その他報告 ・SuperKEKB発足記念式(11月18日)を開催した。(山内) ・J-PARCは、12/12よりリニアックのビーム調整開始予定。(小林) ・ATLAS実験、5fb-1のデータ取得。ATLAS-CMS combined analysis(1-2 fb-1)の結 果を発表。12/13にCERNでセミナー。今年取得のデータ解析の発表を予定。(徳宿) 3.次期機構長との意見交換  鈴木次期機構長と、次期運営等の方針、素核研所長選考について意見交換を行った。 4.協議 ・次期所長選考:山内正則氏(現素核研副所長)を次期所長として推薦。 ・機構理事のあり方について意見交換を行った。 (文責:永江、中家、中野) --------------------------------------------------------------------------- 第52回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時:平成24年2月15日(水)10:30−13:20 場所:KEK 管理棟 大会議室 出席:赤井、門野、北澤、小林(隆)、駒宮、齋藤、住吉、田中、永江、中家、 幅、春山、山口、山中、山本、山内、中野 所長・施設長:西川、生出、平山 【1】 所長等報告 1.人事異動について。伊藤悦子氏(阪大助教)を特任助教に採用。 2.博士研究員(理論:素核研11-3)に、関原隆泰氏(学振PD)と森田健氏(クレタ 大学)が選考された。 3.第13回大強度陽子加速器における原子核素粒子実験審査委員会(1/13〜15開催) 審査結果について報告された。 P34(ミューオンg-2/EDM)実験とP36(K^+->enu)実験がステージ1承認。  P42(Hダイバリオン)実験は継続審議、T43(ハドロンブラインド検出器テスト) 実験がテスト実験として承認された。 4.Bファクトリー実験専門評価委員会委員が改選された。 5.平成24年度政府予算案について  KEK予算総額は316億円、うち運営費交付金合計が291億円、施設整備補助金が24.8 億円。運営費交付金内訳は一般経費が117億円、特別経費が137億円。特別経費内 訳はBファクトリー(44.5億円)、J-PARC(66.2億円)、放射光(26.8億円)とな っている。平成23年度補正予算として、震災復興および施設復旧のために200億円 が措置された。 6.協定書「独立行政法人放射線医学総合研究所と大学共同利用機関法人高エネルギ ー加速器研究機構との間における連携・協力の推進に関する協定書」が締結された。 7.Bファクトリー関係報告  ビームバックグラウンドの理解が進んでいる。イタリアのSuperBと共同でワーク ショップを開催した。測定器についてはFNALでTOPカウンターのビームテストが行 われた。Fundingは日本側は順調。アメリカDOE側はCD-0。CD-1以降に進むための 評価委員会が進行中。 8.リニアコライダー関係報告  量子ビーム用加速器完成。RFの加速勾配の性能は年々向上している。 KEK製空洞0号機が完成。1号機、2号機、3号機と製作中。 9.J-PARC関係報告  ニュートリノは12月、1月にビームコミッショニング。故障したホーン電源以外は ビームラインの全コンポーネントの動作を確認した。ニュートリノビームレート は震災前と一致することを確認した。スーパーカミオカンデでも1イベント観測さ れた。ホーン電源は、(K2Kで使用していた)旧電源を復旧して使用する。現電源 は修理中。ハドロンビームラインは1月28日に震災後の初ビームを観測。  1/31から1.3kWでビーム利用運転開始。Duty factorは25%。E19(ペンタクォーク) はstep-2のデータ収集を行っている。現在は3.3kWで運転中。5kWまで可能で、ワ ンショットで10kW相当のstudyが行われた。K0TOはメインバレルがホールに搬入さ れた。ビームコミッショニングを行っている。  ストレンジネス核物理国際スクールが開催された。ミューオンg-2/EDMのR&Dが進 行中である。 【2】 協議 1.以下の教員公募が提案され、了承した。 申し込み締め切りは全て平成24年4月13日(金)。  (1) 低温グループの教授1名、(2) ハドロンの准教授2名、(3) ATLAS実験の助教1名。 2.博士研究員(実験)2名の公募が提案され、承認した。締め切りは平成24年3月 23日(金)。 3.J-PARC PACのメンバー半数が改選された。新委員長は幅淳二氏。 4.教員人事 素核研11-4(Belle実験)教授に宇野彰二さん(KEK)を所長に推薦。 5.教員人事 素核研11-5(Belle実験)助教に谷口七重さん(KEK)を所長に推薦。 6.教員人事 素核研11-6(ATLAS実験)准教授に長野邦浩さん(KEK)を所長に推薦。 7.教員人事 素核研11-7(ニュートリノ実験)准教授に中平武さん(KEK)を所長に 推薦。 8.副所長の選考について議論し、副所長に徳宿克夫氏、田中万博氏、春山富義氏の 3名を承認した。 9.技術調整役に春山富義氏、技術副主幹に池野正弘氏、高力孝氏、山野井豊氏、 川井正徳氏を承認した。 10. 西川公一郎所長をKEK名誉教授に推薦。 文責:永江、中野、中家 =====================================