<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1765:2011年 9月17日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 **************************< KEK素核研報告 >************************** CRCの皆様 KEK素核研報告として、運営会議議事メモを転送いたします。 文責は各報告の末尾をご覧下さい。 名大STE 伊藤 -------------------------------------------------------------------------- 第45回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時: 平成23年1月18日(火)10:30−12:30 場所:  KEK 管理棟 大会議室 出席:伊藤、延與、岡、北澤、小林(隆)、駒宮、田中、徳宿、永江、中家、羽澄、 幅、春山、山口、山内、中野、 所長・施設長:西川、平山、下村 【1】 所長等報告 1.人事異動    杉本康博氏と関本美知子氏が12月16日付で講師に昇任。田窪洋介氏が1月1日付で 助教に採用。野尻美保子氏が男女共同参画推進室長を併任。 2.素粒子原子核研究所における共同利用実験の募集・選定・実施に関する方針について   Bファクトリー実験の承認過程について。提出された研究実施計画を、Bファクト リー実験専門評価委員会(機構外委員8名)が評価・助言し、素核研運営会議の 議を経て、計画を承認することが示された。 3.平成23年度政府予算案について   295.7億円の要求に対して、291.2億円。一般経費が118億円、特別経費はBファ クトリーが要求額通り44.5憶円、J-PARCは66億円、PFは28.3憶円、超低速ミュ ーオンに関しては平成22年度の補正予算で承認された。 施設整備費補助金はBファクトリーの高度化のために16億円。 4.覚書等の締結について   各種の覚書を確認。 5.Bファクトリー関係報告   H23年度の政府予算案に盛り込まれ、国会の承認を待つ状況。総額約60億円。 4月8日にGround Breaking Ceremonyを企画している。昨年12月末にイタリアの SuperBにゴーサインが出た(270Mユーロ、放射光施設併設。2016年の実現開始 を目標としている)。米DOEはIntensity Frontier計画へのコミットの方針を 発表し、B関連は米研究者のSuperKEKBへの参加を承認した。ただし、イタリア のSuperBに対して、SLACの加速器の移設費用を認めた。米国の財政事情で、 FY12に新規計画の予算はない。Belleはロールアウトされ、カロリメータより 内側の測定器はすべて取り外された。 6.リニアコライダー関係報告   S0状況:国産9連空洞として、初めてILC仕様を満たし、40MV/mを超える性能が 出た。微小サンプルに対する電解研磨の施設ができた。IHEP-KEK超電導空洞に 関する協力を承認。S1-Global:MAクライストロンのトンネル内設置。 ATF:4極永久電磁石の設置とビーム試験、3.5セルRF電子銃のビーム試験。 7.J-PARC関係報告   11/16〜12/25にニュートリノラン。ビームパワーは最高114kWに達した。T2K実験 は7.5E19POTのデータをこれまで貯めた。115kWで入射キッカーの問題で頭打ち。 要改善。第1回J-PARC MR大強度化検討会を持った。T2Kの目標は夏までに3E20POT (150kW×107s)。E19(ペンタクォーク)実験の速報がPACで発表。Missing Mass分布にピークは見えていない。K0TO実験はCsIの〜2/3を設置しビームサーベ イ。今後SXのビームパワー増強に向けて、加速器−SXの連絡会を持つ。ミューオ ンのg-2実験グループはTRIUMFでミューオニューム生成量測定実験を行った。 8.LHC関係報告   重心系エネルギー7TeVでの物理ランで、最大ルミノシティ2.1E32cm-2を達成。 積分ルミノシティは45pb-1。目標は今年中に1fb-1。1TeVを超える世界最高エネ ルギーのジェットも観測されている。重イオン衝突では、jet quenchingが見え ている。今後の予定は、おそらく2012年末まで走ることになりそうである。 8TeV、10fb-1のデータを貯め、Higgsのすべての質量について3σで発見を目指 す。SUSYは1.2~1.4TeVを探索が可能となる。”European Strategy”のアップデ ートを2011-2012年に行う。 【2】 協議 1.名誉教授候補者について   藤井啓文教授をKEK名誉教授として承認。 2.教員公募(案)素粒子原子核研究所 教授 1名(ハドロン)を承認。職務内容は 「J-PARC ハドロン実験施設でのK 中間子稀崩壊実験などの素粒子実験プログラ ムを推進」。公募締め切りは平成23年3月31日。 3.教員公募(案)素粒子原子核研究所 教授 1名(Belle2)を承認。職務内容は 「SuperKEKB 計画における研究グループBelle-II において指導的役割」。 公募締め切りは平成23年3月31日。 【3】 その他 1.KEKの現状と将来に対するコミュニティからの意見について   KEKとコミュニティの関係、コミュニティの代表が入っている素核研運営会議の 役割、KEK理事と所長の関係、研究計画やその推進に関する方針、等について自 由に議論した。今後、コミュニティの意見をより広く汲み取るため、このような 議論の時間を取る。また、都合がつけば、機構長にも直接KEKの現状を紹介して もらいたいとの意見も出た。 文責:永江、中野、中家 -------------------------------------------------------------------------- 第46回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時:平成23年4月19日(火)10:00−12:30 場所:KEK 管理棟 大会議室 出席:赤井、岡田、北澤、小林(隆)、齋藤、住吉、田中、徳宿、永江、中家、 羽澄、幅、春山、山口、山中、山本、林、山内、中野 所長・施設長:鈴木、西川、平山、生出 【1】 意見交換 1.KEKの被害状況と復旧見通しについて   鈴木機構長からKEKの被害状況について説明があった。全般的に、現在は目視確 認が終わり、通電試験の段階である。つくばキャンパスの電力事情は当初2MWか ら現在10MW程度まで回復。4/22頃までに復旧の見積もりを行う予定である。 できるだけ早く、日常に戻るよう活動する。秋からは実験が立ち上がるように 努力する。4月末頃には復旧予定をWebで公表できるようにする予定である。 CERNからこの震災に対して500万円程度の寄付があった。KEKとしては震災孤児の ための奨学金等に使うことを考えている。 2.KEKの現状と将来に対するコミュニティからの意見について   鈴木機構長と運営会議メンバーによる意見交換を行った。今後、大学がKEKに来 てKEKの予算で研究するだけでなく、大学の方のアクティビティを上げるため、 従来KEKにあてがわれていた予算の一部を大学に直接配分するような議論を文科 省と行っている。将来計画は、最終的にはKEK研究推進会議で議論しているが、 その会議にコミュニティがどのように意見を上げるか議論した。KEK研究推進会 議の構成そのものの見直しも考えている。 【2】 所長等報告 0.所長報告   現行の施設の立ち上げ、復旧が最優先課題。J-PARCは夏までに電磁石等の通電 試験を終え、秋から運転再開、今年中にビーム供給を目指す。 1.人事異動  ・3月31日付けで藤井啓文氏が定年退職。  ・4月1日付けで小沢恭一郎(准教授)、原康二(助教)、山中真人(博士研究員) 、藤井啓文(加速器科学支援センター・シニアフェロー)を採用。  ・西川所長が東海キャンパス所長、J-PARC副センター長を併任。  ・その他、兼務、任期満了、任用更新について報告があった。 2.素核研10-8(理論)の博士研究員として、山中真人(京都産業大学)、富沢真也 (日本学術振興会:採用予定は平成23年10月1日)を人事委員会が了承した旨 報告があった。 3.科学研究補助金で雇用の研究員について報告があった。 4.第11回大強度陽子加速器における原子核素粒子実験審査委員会審査結果について 報告があった。 5.素核研と社団法人日本数学会の間で合意書を交わした。素科研と(独)理化学研 究所仁科加速器センターとの間で「低エネルギー不安定核ビーム科学」に関す る研究連携協定書を交わした。 6.Bファクトリー関係報告   震災の被害報告。Belle測定器は衝突点外側に置いてあったが、震災の時に6cm 動いた。CsI、RPCの部分確認を行ったが、これまで確認したところは問題無し。 ただし、実験室については、ひび割れ等の被害がある。加速器の方でもクーリ ングタワーが傾いたり、トンネル部expansion joint床に亀裂が生じている。 7.リニアコライダー関係報告   S1グロルーバルはDRFS実証実験を行い、パルス内の振幅位相安定度は0.017%、 0.027°であり目標の0.1%,0.1°を十分下回った。LL空洞はJLABで表面処理、 縦測定後40MV/mを達成。更に45MW/mを目指す。ATFクライストロン電源火災があ った。また、震災でATF加速器もビームダクト亀裂、モニターに使っている絶縁 用セラミック破損等の被害があった。STFは目視での損傷は無し。 8.J-PARC関係報告   震災の被害と、その復旧予定について詳細な報告があった。詳細は多岐にわた るため、ここでは割愛。秋からの運転再開を目指す。 9.LHC関係報告   約50pb^-1のデータを2010年に取った。新物理探索を行っているが、今のところ 兆候は無い。シングルトップ生成、ダイボソン生成のイベントを観測した。 2011年のランは3月からスタートし、既に50^-1pbを超えた。50nsecのバンチ間 隔の運転に成功し、3.73^32cm^-2s^-1のピークルミノシティを達成。2011年は 2〜3fb^-1のデータを取れる見込み。2013年のシャットダウン時に最内層のピク セル(IBL)を設置する。HL-LHCのスタートは2022年以降の予定。 10.その他 計算科学センター長のスパコンに関する報告があった。震災の影響で、次のシ ステムは西日本に設置する予定である。 【3】 協議 1.短寿命核分離加速実験装置共同利用実験審査委員会規程の廃止(資料7)につい て承認した。 2.教員公募(案)素粒子原子核研究所 博士研究員(実験系) 若干名が提案され 、承認された。締め切りは5月31日(火)の予定。 3.技術副主幹の選考について 川井正徳氏が技術副主幹に推薦され、承認された。 4. 岡田宣親氏(アラバマ大)、中野貴志氏(阪大RCNP)、野海博之氏(阪大RCNP) 、山下了氏(東大ICEPP)、肥山詠美子氏(理研)を客員研究員として承認した。 文責:永江、中野、中家 -------------------------------------------------------------------------- 第48回素核研運営会議議事メモ 日 時:2011年6月22日(水) 10:30 出席者:山内議長、中野副議長、西川所長、生出施設長、 赤井、岡、岡田、門野、北澤、小林、駒宮、齊藤、住吉、田中、永江、 中家、羽澄、幅、春山、山口、山中 所長報告  復旧工事は順調に進んでいる。J-PARCの施設関連復旧は、秋にはビーム試験がで きる方向。  機器のアラインメントの問題が判明しており、これが律速となるだろう。  リニアックの400 MeVへのアップグレードはH25にひとまとめとしてやる方向。  5/1国際協力推進室:岡田、徳宿、長谷川 5/31石野氏が京大に転出。  次期機構長選考が行われている。推薦締め切りが近い。覚え書きの締結(2件) B-Factory報告(山内)  B中間子におけるCP非対称性の破れの最終結果がまとまった。  ボトミウムのスペクトロスコピーにおいて、荷電をもった新しい状態(Zb)の観測 に成功。 SuperKEKB開始記念式典を11/18にKEKで開催予定。  イタリアINFN SuperBが4月に正式発足。 LHC関係(山内)  1fb-1を既に先週達成した。  標準模型の精密測定に加えてヒッグス粒子、SUSY粒子などの探索が行われている。 今年の夏の国際会議での発表が注目される。   LC関係(山口)  MHI製の空洞の試験が進行中。歩留まりは2回の測定で3/6。  ATF 5/22よりビーム試験再開。  空洞製造設備の電子ビーム溶接機の据え付け完了、トレーニングを開始した。 J-PARC報告(小林、田中)  5/20に復旧スケジュールを発表。  T2Kの最新結果:6事象の電子ニュートリノ出現事象を観測。  Θ13の兆候を捉えた。バックグラウンドは1.5±0.3事象  復旧は順調。T2Kは今年11月末にはビーム受け入れready  ハドロンホールの大シャッターが仮修復(4/27)  5/20にハドロンホール冷却水が仮復旧。  ハドロンホール東壁横梁の破損が判明。  ハドロンホールも12月にビームを受け入れready   サマーチャレンジについて(春山)  90名の参加学生を決定した。(応募は146名) 総務課より  4/1よりつくバスがKEKまで運行開始した。  協議事項  次期所長選考の手順について議論した。機構の教育研究評議会より11/25までに 意見を述べるよう依頼がきている。   本委員会の各委員から推薦を受け付ける。コミュニティの意見を汲み上げるか どうかは各委員の判断。  選考を行っているアナウンスはコミュニティへ流す。推薦理由は要求しない。  K中間子実験 教授 小松原氏(KEK)を所長へ推薦。  Belle II実験  教授 後田氏(KEK)を所長へ推薦。 (文責:永江、中家、中野) =====================================