<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1621:2011年 1月 6日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 **********< RCNP研究計画検討専門委員会(2010年8月10日)議事録 >********** 各位 平成22年8月10日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画検討専 門委員会の議事録が承認されましたのでお送り致します。 研究計画検討専門委員会 委員長 上坂友洋 幹事 若狭智嗣、福田光宏、 (過去の議事録は以下のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html) ----------------------------------------------------------------------- RCNP-Z-724 平成22年12月22日 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録 日時:2010年8月10日(火)10:00−17:00 場所:核物理研究センター本館2階会議室 出席者: ・委員:上坂(東大CNS、委員長)、若狭(九大、幹事)、川畑(京大理)、阪口 (阪大理)、秋宗(甲南大理)、延與(京大理)、菅沼(京大理)、萩野(東北大 理)、中田(千葉大理)、荻尾(大阪市大理)、山本(大阪市大理)、高宮(京 大原子炉)、民井(RCNP)、保坂(RCNP)、與曽井(RCNP)、オン・フィージン(RCNP) 、福田(RCNP、幹事) ・センター長:岸本(RCNP) ・研究企画室:畑中(RCNP) ・研計委要請:増田(KEK)、久野、佐藤(阪大理)、中野、野海(RCNP) 欠席者: ・委員:小林(東北大理) 配布資料: 議事次第 (資料1) 核物理研究センター運営委員会議事録(2010年4月26日) (資料2) 拠点事業評価委員会プログラム (資料3) H22年度研究会(前期)報告書(2件) (資料4) H22年度研計委・B-PAC・Q-PAC委員名簿 (資料5) B-PACプログラム(2010年8月9日開催) (資料6) H22年度研究会(後期)申請リスト&申請書(2件) (資料7) プロジェクト募集要項などについて (資料8) プロジェクト申請書(2件) (資料9) 前回議事録(案) [1] 報告事項 --------------- 1. 一般報告(概算要求、人事など) (センター長:岸本) ------------------------------------------------------ 岸本センター長より、土岐博教授が3月31日付で退職されたこと、サブアトミッ ク科学研究拠点で推進すべきプロジェクトを審議する事業評価委員会(核運委と 研計委の委員若干名から構成)が6月5日に開催されたこと、7月2日に開催された 核運委において拠点事業を担う特任助教5名の公募が了承されたこと、H21年度決 算及びH22年度予算が承認されたこと、AVFサイクロトロン棟の耐震改修工事が予 定されていることなどについて報告があった。 2. 核運委報告 (上坂委員長 東大CNS) --------------------------------------- 上坂委員長より、(資料1)に基づいて4月26日及び7月2日に開催された核運委 について報告が行われた。 3.拠点事業評価委員会報告 (上坂委員長 東大CNS) --------------------------------------------------- 6月6日に行われた拠点事業評価委員会について、上坂委員長と岸本センター長よ り(資料2)に基づき報告があり、評価委員の構成、提案された研究計画の概要、 評価結果の答申内容などについて説明があった。 4. RCNP各部報告 ----------------- 4.1 サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中 RCNP) ---------------------------------------------------- RCNPの畑中氏より、サイクロトロンの運転状況、陽子ビーム強度増強に向けた課 題と開発計画などに関して報告があった。 5. 平成22年度研究会(前期)報告 (福田幹事 RCNP) ---------------------------------------------------- 福田幹事より、(資料3)に基づき、平成22年度前期に開催された研究会(2件) に関して報告があった。 a)「超冷中性子国際会議UCN2010」 開催日:2010年4月8〜9日 開催場所:RCNP 参加者:61名(国外22名、国内39名) b)「第1回世界加速器会議(IPAC10)」 開催日:2010年5月23〜28日 開催場所:国立京都国際会館 参加者:1244名(アジア531名、欧州467名、北米246名) 6.B-PAC及びQ-PACのセンター長・委員長推薦委員について (上坂委員長 東 大CNS) ------------------------------------------------------------------------ 上坂委員長より、(資料4)に基づき、B-PAC及びQ-PACのセンター長・委員長推 薦委員の選考方針と結果について報告があった。 7. B-PAC報告  (萩野B-PAC委員長 東北大理) --------------------------------------------- 萩野B-PAC委員長より、(資料5)に基づき、2010年8月9日に行われたB-PACの採 択結果について報告があった。9件の申請課題について審議が行われ、そのうち6 件を採択、3件を条件付き採択としたこと、ビームタイム53.5日、予算1,650千円 の要求に対し、ビームタイム36.5日(採択率68%)、予算1,450千円が認められた ことなどが説明された。 8. その他 ------------ 8.1 AVF棟耐震改修工事について (野海 RCNP) ----------------------------------------------- RCNPの野海氏より、AVFサイクロトロン棟耐震改修工事の見通しと検討内容など に関して報告があった。その中で、予算の見通しが立っていないことから実施時 期は未定であること、工期は8ヶ月以上かかり、その間サイクロトロンの運転は 停止すること、H23年度内の工事実施を想定して今年度のサイクロトロンの運転 時間を延長する可能性があること、改修工事と併せて建屋機能の充実を図ること とし、その具体策についてはユーザーの要望も考慮した上で検討を進めることな どが説明された。 8.2 研計委委員用メーリングリストについて (福田幹事 RCNP) --------------------------------------------------------------- 福田幹事より、研計委委員への情報発信や委員間の意見交換などを円滑に行うた め、研計委委員用のメーリングリスト ml-ppac2010 [at] rcnp.osaka-u.ac.jp を新 設したことについて報告があった。なお、年度毎の委員の入れ替わりに伴う混乱 を避けるため、本メーリングリストは年度毎に分けて登録することとした。 ※昼食後に研計委員によるサイクロトロン施設の現場視察を実施し、加速器(福 田委員が説明)、UCN源(KEKの増田氏が説明)、不安定核実験装置(Ong委員が 説明)、中性子実験室及びTOFトンネル(若狭委員が説明)、Grand-Raiden(民 井委員が説明)、MUSIC(阪大理の久野氏、佐藤氏が説明)などについての状況 報告が行われた。 [2] 協議事項 --------------- 1.H22年度(後期)研究会申請課題採択 ---------------------------------------- 平成22年度の研究会募集(後期)に2件の申請があり、(資料6)及び世話人の 概要説明などに基づいて協議を行った結果、下記の2件を採択した。 ・「核構造の真の理解に向けて −テンソル力と高運動量成分− 戦略会議」研究 会 連絡責任者:民井淳(RCNP) 開催場所:核物理研究センター 開催時期:2010年11月25〜27日頃(1.5日間) スタイル:国内ワークショップ、国内30人程度 ・「ミューオン科学と加速器研究」 連絡責任者:佐藤朗(阪大理) 開催場所:核物理研究センター 開催時期:2010年12月頃(2日間) スタイル:国際ワークショップ、国外4人、国内50人程度 2.プロジェクト申請課題採択 ------------------------------ 2件のプロジェクト申請があり、研究代表者の説明発表と採択の審議が行われた。 その結果、1件を採択、1件を保留とした。審議結果の概要については下記の通り。 2.1 「Neutron EDM measurement with the second generation UCN source」  研究代表者 増田康博(KEK) (資料8−1) --------------------------------------------- 2004年に採択されたプロジェクト「He-II spallation UCN production」及びそ れ以降のUCN源開発の研究成果には目覚ましいものがあり、RCNPにおいて世界ト ップレベルのUCN源性能を達成したことは高く評価する。本プロジェクトは、UCN 源のさらなる性能向上を目指しつつ、次のステップとしてそれを用いた基礎物理 研究の新領域の開拓を目標としており、中性子EDM測定に主眼をおいた本プロジ ェクトの方向性とその意義・重要性、将来的な発展性などについては概ね妥当な ものと判断する。しかしながら、限られたRCNPの予算を考慮すると、要求予算額 と液体ヘリウムの費用を全てRCNPが負担するのは困難であること、予算の見積精 度が十分に高いとはいえないこと、研究開発のマイルストーンと連動した予算執 行計画が明示されていないことなどから、本プロジェクトは保留とする。なお、 審議の過程においては、より多くの予算獲得に向けて、競争的資金やKEK等の外 部機関からの支援も得られるよう自助努力すべきであるといった意見なども出さ れた。 2.2 「Hadron physics at Belle」 研究代表者 中野貴志(RCNP) (資料 8−2) ----------------------------------------------------------------------- Belle実験において取得されたデータはハドロン物理研究の多様な可能性を秘め ており、様々な角度からの解析による新たな物理の展開が大いに期待されるとこ ろである。RCNPは、Nuclear Physics Consortium (NPC)の日本側のまとめ役とし て重要な役割を担っており、本プロジェクトによりRCNPがBelle/Belle-II実験の データ解析のための計算機資源を提供し、ハドロン物理の新展開の牽引役として 主導的に当該分野の発展に貢献していくことは極めて重要であると判断し、本プ ロジェクトを採択する。なお、解析に必要とされる計算機資源は、現状のRCNP計 算機CPU及びディスク容量の1/10程度と見積もられることから、差し当たって他 の利用者への影響は少ないものと判断されるが、RCNPの計算機資源を過度に占有 し、他の計算機利用研究に支障を与えることのないよう、適宜計算機担当者と連 絡を取り合いながら、より効率的な計算機利用環境が実現されるよう配慮するの が望ましい。 3.今年度のP-PACの活動について -------------------------------- 3.1 将来計画策定に向けた進め方について ------------------------------------------ 冒頭、上坂委員長より、P-PACの活動と将来計画策定に向けた今後の流れなどに ついて説明があった。その中で、P-PACは将来計画策定の牽引役としての重要な 役割を担っており、今年度から来年度にかけて段階的に将来計画の立案を具体化 していく方針が示された。今後のP-PACでの審議予定は以下の通り。 2010年 8月 Brain storming 12月 将来計画の方向性を探る(蓄積リングやその他の可能性の検討) 2011年 4月 WG/プロジェクトの立ち上げ(複数も可)、研究会の企画など 8月 議論、方針の決定 → WGへのsuggestion 12月 議論 → センター長への答申 2012年 4月 研究計画策定 以上を踏まえ、将来計画の方向性を検討していくための戦略などについて議論が 行われた。そこで出た主な意見は次の通り。 ・将来計画は、基本的に、共同利用・共同研究拠点の延長線上に発展的に位置付 けられるべきもの。 ・コミュニティからの要請などに基づく検討だけでなく、RCNP内部が主導した提 案もあって然るべき。 ・しかしながら、現在進行中の共同利用・共同研究をこなしながら、内部の限ら れたマンパワーと予算で将来計画を検討していくには時間的に極めて厳しい状況 にある。 ・拠点事業テーマとは別に将来計画に向けた新しい提案が出てくるのは難しいの ではないか。 ・将来計画で実現される新しい施設では、物理としての新規性だけでなく、世界 初・世界一といったハードウェアのユニークさも求められるべき。 以上の議論を踏まえ、次回のP-PACにおいては、以下の項目について審議を行う こととなった。 ・将来計画の方向性についてのRCNP内部からの提案 ・世界の主な加速器施設の動向調査報告(分担は次の通り) 不安定核 : 上坂委員長 ハドロン : 阪口委員 大強度陽子 : 福田幹事 電子 : 與曽井委員 蓄積リング : 川畑委員 3.2 P-PAC委員の再任に関するガイドラインの改定について --------------------------------------------------------- 上坂委員長より、長期的な将来計画の推進のためにはP-PACにおける検討の継続 性が必要であることから、原子核実験・理論のP-PAC外部委員の再任を妨げてい る現状のルールを見直すべき、との意見が出された。これに対し、議論の継続性 を確保する趣旨には賛同するものの、委員の負担や検討内容の斬新性・発展性の 観点から任期制限は設けるべきとの意見が出され、協議の結果、次のように決定 した。 ・センター外委員(原子核実験・理論分野): 連続2期までの再任は認める 【変更】 ・センター外委員(上記分野以外): 再任は妨げない【従来通り】 ・センター内委員: 再任は妨げない【従来通り】 3.3 核反応データ取得のための共同利用について ------------------------------------------------ 現在、遮蔽計算・宇宙化学・医療等への応用を目指した核反応データ取得実験が RCNPリングサイクロトロンをはじめ、幾つかの加速器施設で行われているが、各 研究機関が個別にデータを取得しようとしているため、研究が戦略的に進められ ていないという状況にある。そこで、上坂委員長より、核反応データ取得のため のユーザー間の連携を強化し、戦略的にデータ取得を進めていくための体制作り に関して意見が出され、まず研究の方向性を定めるためのミニワークショップを P-PAC主導で開催してはどうか、という提案があった。協議の結果、P-PAC委員長 ・幹事及び萩野委員の間で方針を検討し、次回のP-PACまでに世話人を選んで内 容を具体化させる方向で了解が得られた。 3.4 拠点事業について ------------------------ 拠点事業評価委員会で認められた研究テーマについては、P-PACでは従来のプロ ジェクトと同様に取扱うこととし、各プロジェクトの進捗状況について年に1回 程度の報告を依頼して、状況の把握と助言を行っていくことになった。 4.前回議事録承認 -------------------- 2010年8月10日に開催された研計委の議事録(案)(資料9)を承認した。 5.その他 ------------ 5.1 次回の研計委開催日程に関して ------------------------------------ 次回の研計委は、2010年12月22日(水)10時〜 を第一候補とし、あらためて 委員の都合を打診した上で決定することになった。 以上 =====================================