<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1458:2010年 3月20日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 crcjimu [at] icrr.u-tokyo.ac.jp *************< CRC総会報告:KEK報告(素核研運営会議メモ) >************* CRCの皆様、 総会でのKEK報告として、HECNET等に流れたKEK素核研運営会議メモ4回分 (2009年10月30日,12月8日,2010年2月5日、3月9日)をまとめて回覧しておきます。 名古屋大学太陽地球環境研 伊藤 -------------------------------------  高エネルギー物理学研究者会議の皆様、 2009年10月30日(火)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研 究所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、中野(阪大RCNP)と中家が 作成した非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は中野と中家にあること を申し添えます。 -------------------------------------------------------------------------- 第38回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時: 平成21年10月30日(火)13:00− 場所:  KEK 管理棟 大会議室 出席者:山内、中野、山本、林、山中、山口、春山、齋藤、幅、羽澄、中家、徳宿、 田中、住吉、小林(隆)、北澤、門野、岡田、延與、伊藤。 西川所長、平山施設長、生出施設長。 【1】所長等報告 1. 9月と10月に機構会議、連絡運営会議、役員会議、所長会議、J-PARC運営会議、 機構シンポジウムが開かれた。そこで、次のことが協議された。 (ア)機構長補佐のポジションが新たに設けられた。 (イ)グルジア文科省とKEKの間でMOUが結ばれた。 (ウ)東海地区に50室を目標に宿泊施設を建設する計画である。(H23年2月利用開始) (エ)メルボルン大学とBelleの間でMOUが結ばれた。 (オ)短寿命核グループの将来計画国際レビューが行われた。 (カ)理研・仁科加速器センターとKEKの間でMOUが結ばれた。 2.人事異動と研究員選考結果について報告があった。 3.平成21年度補正予算見直し結果について   当初予算50.51億円のうち、17.75億円が執行停止となり、見直し後予算は 32.76億円となった。CPDクライストロン関連設備と先端加速器の基礎開発用設備 が大きく減額された。 4.Bファクトリー関係報告   10月14日から実験再開。12月24日までΥ2S(2週間)、1S(1週間)、5Sのラン を行う予定である。BAS(Belle Analysis School)を今年から開催する。 5.リニアコライダー関係報告   超電導空洞縦測定の最近の結果として33.6MV/mを達成した。STF2スケジュール 等の議論を行っている。 6.J-PARC関係報告   10月1日から秋のビーム再開。RFQ改善・改良の効果が見え始めている。大強度 運転のために、パルス幅を広げたトライアルもしている。ニュートリノビームラ インのディケイボリューム真空問題で、ニュートリノは10月にランをしなかった。 10月にはスローの取り出し(SX)が21日と22日に、デザイン値の0.025%で行われ た。K1.8ビームラインで電子、π、K、陽子・反陽子が観測された。ただし、 電源の安定性の問題でビームにリップル構造が見えている。これからフィードバ ック系の開発を行いリップル構造をキャンセルすることを目指す。SKSが励磁され た。J-PARCで液体ヘリウムの回収システムが実現された。J-PARC利用者協議会が 開かれ、J-PARCのパワー増強計画案(RCS、MR(FX))が示された。また、遅い取り 出しの見通しが議論されている。 【2】協議 1.J-PARC実験課題審査委員会(PAC)について 平成22年3月31日で任期切れとなる委員の改選が行われた。ただし、徳宿PAC委 員長とMike Shaevitz氏は再任を認めた。 2.特任助教(理論:「宇宙初期進化の直接観測による究極理論探査」)1名の公募 (12月14日締切)を了承。 (議論)特任助教と研究員の違いに関して議論があった。特任助教は教員であり、 運営会議で公募に関して決議する。一般の研究員は科研費の責任者が直接雇用で きる点が違う。 3.特任助教(UCN:超冷中性子(UCN)源の開発と実験)1名の公募(12月14日締切) を了承。 4.博士研究員(理論・実験) 若干名の公募(12月18日締切)を了承。 5.教員人事 素核研 准教授(素09-1)に田中秀治さん(KEK)を推薦。 6.教員人事 素核研 教授(素09-2)に家入正治さん(KEK)を推薦。 7.教員人事 素核研 助教(素09-3)に阪村豊さん(理研)を推薦。 8.教員人事 素核研 助教(素09-4)に郡和範さん(東北大)を推薦。 9.教員人事 素核研 助教(素09-5)に吉田誠さん(大阪大)を推薦。 【3】次の活動報告が書面であった。 (1)素粒子原子核研究所、(2)物質構造研究所、(3)加速器研究施設、 (4)共通基盤研究施設 文責:中野・中家 --------------------------------------------------  高エネルギー物理学研究者会議の皆様、 2009年12月8日(火)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核 研究所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、中野(阪大RCNP)と中家 が作成した非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は中野と中家にあるこ とを申し添えます。 -------------------------------------------------------------------------- 第39回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ(案) 日時: 平成21年12月8日(火)10:00− 場所:  KEK 管理棟 大会議室 出席者[委員] 山内、中野、山本、山口、齋藤、幅、羽澄、中家、田中、住吉、 小林(隆)、北澤、岡田、岡、赤井 [施設長・所長] 西川、平山、生出 【1】所長等報告 1.人事異動、研究委員の選考結果について報告があった。 J-PARCのPAC委員が決定した。1月のPACは新旧合同の委員会とする。 また、規程の改正を行い「特別な事由により運営会議において承認された委員の 任期は、さらに2年を上限に延長することができる」とした。 徳宿委員長とMichael Shaevitz委員に適用。 2.「行政刷新会議による事業仕分け」について4法人合同で声明を出した。 また、仕分けの影響についてコメントを募っている。国内のKEKユーザーも積極 的にコメントを出してもらいたい。 3.Bファクトリー関係報告 Υ(5S)、Υ(2S)でデータを順調に収得。あと数fb^-1で目標の1000fb^-1に達する。 Belle2コラボレーションが発足した。現在TDRを作成中である。Bの物理関係の 研究会を東大、奈良女子大、下呂温泉で開催した。 4.リニアコライダー関係報告 空洞の縦測定の最近の結果が16MV/mとなり、前回の測定から大幅に低下した。 原因を調査中である。表面研究チームがJ-Labを訪問した。S1-Globalに向けて参加 ラボと日程を調整中。ATFの高速キッカーのテストが行われ、6バンチ5nsecビーム (バンチ間隔~400nsec)の蹴り出しに成功した。 5.J-PARC関係報告 JPNCがビーム運転調整のために数回開かれた。RFQの調子は改善している。 MRで40kW相当のビーム試験を行った。入射で2%程度のロスが見られた。 また、ハイパワー試験の際に真空が悪くなるという現象が見られている。 ニュートリノは前置測定器で初ニュートリノ事象を観測した。 ハドロンは2次ビームラインの調整中で荷電K中間子、中性K中間子共に観測された。 1~3月の暫定スケジュールが固まってきた。1月15〜17日にPAC、3月11〜13日にA-TAC (加速器Technical Advisory Committee)、3月15〜16日にIAC(International Advisory Committee)が開催される。 【2】協議 1.所長より提案のあった、ATLAS教授1名、ニュートリノ教授1名、Belle准教授2名、 理論(弦理論・場の理論)教授1名、CMB特任助教1名の公募を了承した。 【3】次の活動報告が書面であった。 (1)素粒子原子核研究所、(2)物質構造研究所、(3)加速器研究施設、(4)共通基盤 文責:中野、中家 ------------------------------------------- 高エネルギー物理学研究者会議の皆様、 2010年2月5日(金)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所 の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、中野(阪大・RCNP)と山中 (阪大・理)が作成した非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は中野と 山中にあることを申し添えます。 --------------------------------------------------------------------------- 第40回素粒子原子核研究所運営会議メモ 日  時 平成22年 2 月 5 日(金) 13:00 〜 15:00 場  所 高エネルギー加速器研究機構 管理棟大会議室 出席者(委員) 山内(議長)、赤井、伊藤、延與、岡田、北澤、駒宮、小林、 齊藤、住吉、門野、田中、徳宿、幅、春山、田中、羽澄、山中、山口、山本、 林、中野 (所長・施設長)西川、生出、平山 [1]所長等報告 1)第1次補正予算の見直しについて報告があった。 2)事業仕分けの結果を受けて、今後、KEKが何をしている施設か、国民に理解 して頂く努力をしていくという報告があった。 3)1月7日にKEK経営協議会議が開かれた。委員を理事が戸別訪問し、KEKが 世界やアジアの中でどのような役割を果たしているか明確にする。知的財産権 の問題に取り組む。語学力だけでなく、コミュニケーション能力を磨く。 等が必要であると提言を受けた。 4)J-PARC運営会議の報告があった。 5)以下の人事異動報告があった。 辞職 谷口 敬、清道 明男 昇任 関本 美知子 (研究機関講師) 採用 吉田 誠 (素核研助教、阪大から) 併任 藤本 順平 (機構長補佐) 5)博士研究員の選考結果について報告があった。服部恒一氏と木村哲士氏 (共に理論)を採用する。 6)J-PARC PAC報告(徳宿)第9回PACが1月15~17日に開かれた。審査結果について 報告があった。50GeV-MRを使わないプロポーザル(EDM.g-2)についても議論した。 近日中にminutesが公開される。 7)共同開発事業の変更について報告があった。平成22年度以降は、機構内で共同 開発に関する提案をとりまとめ、各研究所長が審査し、所長会議において採否 を決定する。 8)平成22年度政府予算案について報告があった。(三沼主計課長)国立大学法人 運営費交付金全体は前年度比0.9%の減のところKEKは1.7%の減(総額296億円)に なっている。一般経費(旧基盤経費は、15億円の増だが、これは主に特別経費 から先端加速器の基盤開発研究と加速器科学連携協力事業経費が一般経費に組 み替えられたため。この組み替えがなければ1.2億の減。プロジェクト経費は、 J-PARCが2.7億円増(6サイクル分)、KEKBが5.5億円の減。大型特別機械整備と して、KEKB設備の増強(ダンピングリングの整備)のため5.8億円が認めら れた。全体的に厳しい予算。 Q) Super-KEKBが通ったと巷では言われているが、本当か?  A) ダンピングリングの予算が認められてpreliminaryapprovalを得たという認識 である。 Q) KEKBに対する予算は前年度並か?  A) 財源が違うので簡単には答えられない。 Q)人件費については?  A) 毎年、1%(人件費、ポスト数ではない)を削減している。 9) Bファクトリー関係報告 (幅)今年1月から実験はお休み。トリガーとDAQ についての会議をソウルで、ピクセル検出器についての会議をプラハで開催した。 SuperKEKBのTDRは、今月から来月にかけて第0稿が完成の予定。2月18日に 積分ルミノシティが1000/fbに達したことを祝うセレモニーを開く。また4月から のrunをどのようなrunにするか議論中。 10)リニアコライダー関係報告 (山口)超伝導空洞(S1-Global)のテストが終わった。 29 MeV/mを達成。 11) J-PARC関係報告 (小林)。RFQの問題が解決した。FXでは大強度オペレーシ ョンのトライアル(100kW運転)を行った。SXでは20 kWでefficiency 98%を達 成した。T2Koff-axis検出器でニュートリノを観測。ハドロン実験施設が施設検 査に合格、K1.8のビームコミッショニング,KLのビームサーベイ、g-2/EDMのR&D が進展している。 Q)RFQの問題解決は何が鍵だったか? A)真空系の改善である。 Q)テストビームの利用はいつから出来るか?  A)10〜12月頃の予定である。 Q)T2Kの国際競争の状況は? A)厳しいが2011年には世界のトップに立てる。NOvAが始まる2014年までに測定を 終えたい。 [2]協議 1)今里 純氏を名誉教授として推薦することにした。 2)教員公募案(素粒子原子核研究所 特任教授(ILC))について説明があり協議の結果、承認した。素核研におけ るILC計画の推進において主導的役割を果たし、検出器と加速器のインターフェ ースを務める。最大2年(単年度契約)。 3)助教人事(Belle, 素09-6) 中山 浩幸氏を推薦。 4)特任助教人事(UCN、素09-7) 川崎 真介氏を推薦。 5) 特任助教人事(CMB理論、素09-8) 中山 和則氏を推薦。 文責 中野・山中 -------------------------------------------------  高エネルギー物理学研究者会議の皆様、 2010年3月9日(火)に開催された、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研 究所の運営会議のメモをお送り致します。このメモは、永江、中野(阪大RCNP)、 中家が作成した非公式な議事メモであり、その内容に関する文責は永江、中野、 中家にあることを申し添えます。 -------------------------------------------------------------------------- 第41回素粒子原子核研究所運営会議 議事メモ 日時:平成22年3月9日(火)13:30ー 場所:高エネルギー加速器研究機構 管理棟大会議室 出席者:山内議長、中野副議長、赤井、岡、岡田、北沢、小林、駒宮、     齊藤、住吉、田中、徳宿、永江、中家、幅、春山、山口、山中、山本     機構側:西川所長、平山施設長、生出施設長 前回議事録の確認。 議事に先立ち、今回、山内副所長、高崎理事が平成基礎科学財団の折戸賞を受賞 されたとの報告があった。 所長報告  B-Factory PACが開催された。  3/8 教育研究評議会が開かれた。  - 第二期の中期目標・中期計画。  - 小林ホール完成記念シンポジウム(4/21予定)  - 名誉教授:素核研関係では今里氏  博士研究員:飯沼裕美、Jean Wichtの2氏を採用。 B-Factory報告(山内)  2/18 1000 fb-1達成を記念するセレモニーを開催。  Belle-II TDRをまとめている→外部評価を受ける。 LC報告(山口)  ベースライン空洞縦測定において30.7 MV/mを達成した。 J-PARC報告(小林)  Run#30(2/14-3/1)   T2K:SuperKでニュートリノ初イベント観測(2/24)。    MR 100kWで調整を行った。ニュートリノへは30 kW。   遅い取り出しについてDuty Factor, Beam Lossの改善。     K1.8, K1.8BR, KLでスタディ進展。   JPNC(2/5):来年度、小関氏が議長。 協議事項  レプトンコライダー計画諮問委員会規程及び関係規則の廃止が提案された。   外部委員を含むSPCを別途立ち上げるべきとの意見があった。  教員公募提案   研究機関講師(所内公募)を了承した。  副所長:所長より、山内副所長に加えて春山氏を副所長にすることが提案された。   素核研内の技術系職員のまとめ役としての位置づけもある。 → 了承。  技術調整役:現在の安主任技師と交替して、春山副所長を選出。  特任助教(CMB):松村知岳氏(CALTEC, PD)を所長に推薦。  教授(ニュートリノ):長谷川琢哉氏(素核研)を所長に推薦。  准教授(Belle)2名。足立一郎氏(素核研)とKarim Trabelsi氏(素核研)を 所長に推薦。  教授(ATLAS):佐々木修氏(素核研)を所長に推薦。  特任教授(ILC):吉岡正和氏(KEK加速器)を所長に推薦。 文責:永江、中家、中野 ======================================