<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1222:2008年 9月17日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 *****< 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) >***** 皆様、 平成20年8月12日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画 検討専門委員会の議事録(案)をお送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 酒見泰寛 幹事 味村周平、村上哲也 (過去の議事録は以下のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html) ----------------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) 日 時:2008年8月12日(火)11:00−17:00 場 所:核物理研究センター本館2階会議室 出席者:  酒見(東北大CYRIC、委員長)、青井(理研仁科セ)、味村(RCNP、幹事)、  市川(京大理)、緒方(九大理)、荻尾(大阪市大理)、小田原(阪大理)、  坂口(宮崎大)、慈道(京大基研)、末木(筑波大)、民井(RCNP)、  比連崎(奈良女大)、肥山(理研仁科セ)、福田(RCNP)、保坂(RCNP)、  村上(京大理、幹事)、與曽井(RCNP) 、若狭(九大)  センター長:岸本(RCNP)  研究企画室:畑中(RCNP)  研計委要請:田中(神戸常盤)、谷畑(RCNP) 配布資料: 0.議事次第 1.核運委議事録(7/2(案)) 2.B-PAC資料 3.プロジェクト「RI Beam at RCNP」に対する質問とその回答 4.研究会申請(3件) 5.前回議事録(案) [1] 報告事項 ============= 1. 一般報告 (センター長:岸本) -------------------------------- 岸本センター長より、以下のような報告があった。 ・7/2核運委報告があった。 ・RCNP-JPARC連携に関して現状の報告があった。J-PARCは原科研と高エネ機構 が共同で運営されるものであるが、協定を結ぶにあたってJ-PARCとして独立に 行うことになった。 ・学術研究の推進体制に関する審議について報告があった。RCNPを含む大学付 置研に関する文科省の方針が紹介され、RCNPの対応の報告があった。 ・平成21年度概算要求について報告があった。 2. B-PAC報告 (B-PAC幹事:福田) -------------------------------- ・B-PAC幹事福田氏より、8/11に行われたB-PACの報告があった。 ・委員長Neumann-Cosel氏、幹事福田氏に決まった。 ・7件、合計ビームタイム48日の課題申請があり、7件全てを採択した。採択し たビームタイムは、43+2(条件付き)日、採択予算は390万円と液体ヘリウム 1,900Lである。 ・B-PACでの審議を効率良くするため、1人ないし2人のレビュー委員を各申請 を担当し、レビューに責任を持ち全体での審議を円滑にする提案がなされた。 次回B-PACより行う。 ・委員より、採択したビームタイムでどの程度未だ遂行されていないか質問が あった。畑中氏より、現時点で163日がビームタイム待ちで、予定では今年度 3月末時点で85日が来年度へ積み残される。 3. プロジェクト報告 (田中) ---------------------------- 神戸常盤大の田中氏より、偏極3Heイオン源開発に関してこれまでの経緯を含 め報告がなされた。 ・オプティカルポンピングによる偏極3Heイオン源開発から始まって現在開発 中のスピン交換による本プロジェクトであるSEPISに至る経緯について紹介さ れた。 ・SEPIS原理検証のための装置の紹介があった。 ・ビームエネルギー4keVで10microA/10%の電流/偏極が得られた。偏極量は レーザ出力に依存し、実用のためには高出力レーザが必要。 ・偏極3Heイオン源の将来計画の一つとしてCRYOPIS(極低温偏極イオン源)の 紹介があった。 4. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) ------------------------------------------ RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状に関して報告があった。 ・4/1〜8/11の期間、AVF FT開発及び共同利用実験に供した。実施日数81日で、 調整・故障修理のため10日の延期があった。 ・その後、9/20まで夏期メンテナンスが行わる。通常メンテナンス以外に、A VF共振器異形部冷却水配管修理が行われる。 ・3月に大型電源(100kW, 50kW)の更新を予定。 ・Liビーム開発が完成。6Li(3+,2+)@60MeV/uをほぼ1週間安定に供給可能。 ・18GHz超伝導ECRイオン源の開発状況について報告があった。 ・高輝度陽子源開発について紹介があった。 ・金属イオン源について質問があり、有機金属化合物に関しては現在でも可能 だが、固体金属に関しては予定はない。ユーザーからの要求により開発を行っ ていく。 5. プロジェクト経費について (民井) ------------------------------------ 平成20年度の一般実験費の状況に関して、執行責任者民井氏より報告があった。 ・当初予算4000万円に対して、現在の残高は1300万円程度。 ・今後、共同利用実験の未執行分、新規採択共同利用実験、グランドライデン のマルチポール修理に供される予定。それら合計で現在の残は消化予定。 ・グランドライデンのマルチポール修理費に関しては一般実験費以外の可能性 を検討中。 [2] 協議事項 ============ 1.プロジェクト申請 -------------------- 申請のあった下記のプロジェクトについて研究代表者の説明発表および採択の 審議を行った。 ・「RI Beam at RCNP」 研究代表者 谷畑勇夫氏(RCNP) 最近加速器グループにより精力的に行われている重イオン源開発により、高強 度の重イオンビームが可能になったことを受けて申請されたものである。審議 の結果、RCNP加速器の特徴を活かした実験であり、物理的意義の重要性を認め られることから、当プロジェクトを強く推進すべきとする。早急にプロジェク トを進めるために、要求のあった予算項目のうちアクティブターゲットチェン バー装置の構築部分を認める。ビームモニターなどENコース整備に関わる経費 に関しては他コースと同様にセンターの経常経費により支出するのが妥当であ ると判断した。他の申請項目に関しては、特定の実験課題専用の物品となるも のであり、B-PACに共同利用実験費として申請するのが望ましい。今年度の予算 執行を含め、一般実験費執行責任者と相談して進めていただくこととした。な お、次年度以降も外部資金獲得状況に応じて、実際に執行する予算に関しては、 適宜、調整することとした。現在ENコースには複数の実験グループが共存する。 効率的に実験を行うために何らかの対処が必要であり、加速器グループ及び各 実験グループによる検討が今後必要である。 2.H20年度(後期)研究会申請課題採択 ------------------------------------- 8/5締め切りの平成20年度(後期)の研究会募集に3件の申請があった。協議の 結果、下記3件、50万円を採択することになった。 ・「J-PARC ハドロン物理の将来研究計画を考える」 連絡責任者:肥山詠美子(理研) 開催場所:理化学研究所、大河内ホール スタイル:国内ワークショップ、50人程度 ・「International SpaceWire Conference 2008」 連絡責任者:能町正治(阪大) 開催場所:奈良県新公会堂 スタイル:国際会議、国外50人、国内100人程度 ・「広い意味での核反応研究のこれから」 連絡責任者:前田幸重(宮崎大) 開催場所:宮崎大学/宮崎市内ホテル スタイル:国内ワークショップ、国内50人程度 3.将来計画について -------------------- 民井氏より、将来計画検討委員会(大西委員長)での議論、RCNP内での活動経 緯、関連する研究会などの報告があった。報告を受けて自由議論を行った。 ・大西委員会による答申以降目立った変化がないように見えるが、答申で与え られた路線に乗って研究の進展がなされてきた。 ・コミュニティが何をしたいのかが将来計画を実現するために必要。 ・測定器や加速器の基礎研究に対する概算要求を通して将来計画に対する芽を 作る時期ではないか? ・大西委員会で検討された将来の加速器の一つに近いものとして中国・蘭州の 加速器施設の紹介があった。 ・RCNPとしてFFAG加速器開発に関わることを考えているのか? ・昨年度及び今年度の概算要求に関して改めて説明があった。概算要求が認め られた場合、それはセンターの将来計画の一つという性格を持つ。 ・ミューオン物理やUCNなど既に将来計画の芽はある。 ・大西委員会の答申にあった「人的体制・外部との協力体制」について説明が あった。菊池スクールなどのような若手を対象にしたセミナー・研究会を昔と どうよう活発化してはどうか。 ・理論では、人的交流を活発化する努力をしており、実を結びつつある。 ・核研で盛んに行われていた滞在型研究会があるとよい。センターとしてサポ ートしてはどうか。 ・広報がよくなされていないが、センター長・研計委委員長裁断で認められる 20万円以下のワークショップが用意されている。グループミーティングといっ たものから少人数による研究会などに適している。 ・現在の研究や将来計画において、センターとして特徴のある研究であること を示す何らかのスローガンが必要。 ・理研その他で不安定核研究が盛んに行われているが、RCNPで代表される安定 核の研究の確固たる基盤が必要となっている。RCNPの意義の一つはそこにある。 ・日本中にある加速器施設をつなぐネットワークのコアとしてRCNPに蓄えられ た知識・経験を共有するため中心的な役割を果たして欲しい。 ・他加速器施設との共同研究によりネットワーク型の協力体制に近いものが自 然発生的にできている。 ・新規の加速器のような日本全体で進めていく将来計画も検討しなければいけ ないが、現施設の拡張など比較的小さな予算規模の将来計画の検討も重要であ る。 ・宇宙線分野との比較で、ユーザー側の将来計画に対する要求が弱く見える。 例えばプロジェクトに関して複数申請からの採択ではなく、競争がない。 ・ハードの具体案を並べて将来計画の議論をしたい。 ・核化学など低エネルギーの加速器を利用する立場から、それら加速器がどん どん無くなっていく中どうやって研究体制を維持するかが課題になっている。 各大学・研究所にある小規模加速器群に対し、センターがコアとなって全体と してサポートして欲しい。 ・研計委の最重要課題はまさに将来計画を検討することにある。今後も議論を 続けるべき。 ・大西委員会の答申では、センター内人員配置に対しても記述があること指摘 があった。そこでの主旨は、人員にたいして稼働しているプロジェクトが多す ぎ、もっとプロジェクトを厳選して、1つ1つのプロジェクトに人員を集中す べき、とある。それを踏まえた議論も重要。 ・現在までに測定器・装置の開発がなされてきた。それらの開発を踏まえ開発 者達にそれぞれの将来を持っているはず。研計委として積極的に取り上げるべ き。 以上の意見をふまえて、委員長・幹事・センター長・研究企画室を中心に適宜 関係者をまじえて、研計委での将来計画議論の方針に関して意見交換しながら、 次回以降の手順を検討することとした。 4.前回議事録承認 ------------------ 2008年4月16日開催の研計委の議事録案を承認した。 5.次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は12月26日(金)に開催することにした。 ======================================