<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1171:2008年 4月17日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 *****< 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) >***** 皆 様、 平成19年12月26日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究 計画検討専門委員会の議事録(RCNP-Z-691)をお送り致します。 前年度研究計画検討専門委員会 委員長 秋宗秀俊 幹事 小田原厚子、與曽井優 (過去の議事録は以下のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html ) ---------------------------------------------------------------------                            RCNP-Z-691                            平成20年4月16日 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録    日 時:2007年12月26日(水)11:00−17:00    場 所:核物理研究センター本館2階会議室  出席者:   秋宗(甲南大、委員長)、下浦(東大CNS)、野海(RCNP)、若狭(九大)、   小田原(阪大理、幹事)、坂口(宮崎大)、延與(京大基研)、比連崎(奈良女大)、   肥山(奈良女大)、松原(名大)、飯嶋(名大)、横山(金沢大)、味村(RCNP)、   民井(RCNP)、藤原(RCNP)、保坂(RCNP)、與曽井(RCNP、幹事)   センター長:岸本(RCNP)   研究企画室:畑中(RCNP)   研計委要請:谷畑(RCNP)、中野(RCNP)  欠席者:   菅沼(京大理)  配布資料:   0.議事次第   1.委員選出と交代に関するガイドライン   2.核運委議事録(9/3、11/8(案))   3.研究会報告   4.前回議事録(案) [1] 報告事項 ============ 1. 研計委委員の異動についての確認 (委員長:秋宗) -------------------------------------------------  センター外委員の野海氏が9月よりRCNPに異動したが、「委員選出と交代に関す るガイドライン」に従って平成20年3月までは野海氏が委員を務める旨確認した。 尚、野海氏が次回のセンター内委員として選出されることは妨げない。 2. RCNP各部報告(LEPS実験について) (中野) -------------------------------------------  RCNPの中野氏よりLEPSビームラインでの研究活動ついて報告が為された。  ・レーザー2台の同時入射に成功し、ビーム強度が2MHzまで上がった。これによ   りΘ+ に関する実験データは以前の3倍の統計量が取得されている。また、以   前のデータについても解析方法が改良され、よりはっきりしたΘ+ のピークが   確認されている。  ・液体水素/重水素標的と併用できるタイムプロジェクション・チェンバーが新   たに建設され、それを用いた実験が1月より開始される。  ・LEPS2 については、計画趣意書をSPring-8/JASRIに提出し、レビューを経て   BL31IDビームラインが割り当てられた。 3. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状に関して報告があった。  ・核化学用のKコーストランスポートの開発を行い、ビーム輸送効率を改善した。   重元素化学の基盤研究プロジェクトのための開発・整備が進められている。  ・AVFからのビーム(3He, 73 MeV)を直接 Grand Raiden に導いて実験に供した。   その際、分析コースでの分解能測定に基づくAVF調整が有効であった。  ・入射ビームラインの一部変更と新たにENNコース(大型散乱槽を設置)の整備を   予定している。 4. 一般報告 (センター長:岸本) -------------------------------  岸本センター長より、以下のような報告があった。  ・寄附による新設の「宇宙核物理学研究部門」の教授として谷畑勇夫氏、助教と   して王惠仁(Ong Hooi Jin)氏の採用を決定した。発足記念の講演会・パーティ   を1月9日(水)に行う。  ・PRISM計画について、今年度中のM実験室の使用を認めたこと、及び概算要求等   関連事項について説明が為された。  ・科学技術・学術審議会の研究環境基盤部会における大学附置全国共同利用研究   施設に関わる審議経過について説明があり、委員がRCNPを訪問したことが報告   された。  ・共同研究員宿泊施設の改装が次年度より行われる。 5. 研究会報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 平成19年度研計委採択研究会のうち、10月以降開催分6件に関し報告が行われた。 報告書は下記ホームページに掲載されている。 (http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/saitaku_index.html) 尚、幹事より過去3年間の採択状況(課題採択率は平均75%、採択額/申請額は約58%) をもとに、次年度研究会費用の50万円増額をセンターに申請することが提案され、 了承された。 [2] 協議事項 ============ 1. 「宇宙核物理学研究部門」発足にあたって ------------------------------------------  RCNPの谷畑氏より「宇宙核物理学研究部門」において進めていく研究について説 明があり、以下のような3つの方向性が示された。  ・中性子過剰物質のEOSを決定する。そのために、逆運動学による中性子過剰核の   陽子弾性散乱を測定する。(GSIで課題採択済み。)  ・核内核子の波動関数中のテンソル力で生じる中高運動量成分を、(p,d)や(p,pd)   反応を使って抽出する。先ず、12_Cと16_Oの s-wave の運動量分布の違いを見る。  ・中性子過剰核の精密核分光により、隠されていた相互作用をあぶり出す。ENコ   ースのRIビームを用い、新しい検出器を整備して核子移行反応の測定を行う。 研計委としては特にまとまったコメントを出すことはせず、コラボレーションをど うしていくか等の議論を行った。 2. 将来計画について --------------------  RCNP将来計画ワーキンググループ(WG長大西氏)からの提言受けて、その中から、 ハドロンビームによる研究として提案されている内容の物理的意義を深めるため、 RCNP研究会「核子と中間子の多体問題の統一的描像に向けて」を12/14-15に開催 した。その報告も踏まえて自由討論を行い、以下のような意見が出された。  ・中間子と核子の多体系としての原子核を、これまでは核力の中で最も重要なπ   の役割があまり陽に現れない平均場という形で取り扱ってきた。最近の理論的   な核構造に対する進展もあり、今が原子核中のπを調べるチャンスである。但   し、πを見るために何を測定したら良いかというのはまだ詰め切れていない。   そういう意味で、今回の研究会は種を出した段階と云える。  ・深さを求めるだけでなく広がりを求める方向も重要。国外の動向も調べながら   unique で broad で deep という物を目指すべき。  ・センター長より、現状では新しい加速器計画の実現は基本的には難しいので、   ここでできること、他でできること、どうしてもここで欲しい物というのを分   けて考えることも必要との意見があり、1GeVクラスのハドロンビームが出せる   研究施設の例として、蘭州重粒子加速器施設の紹介があった。  ・具体的なハードウェア、具体的な実験というものがないと、特に他分野に対し   ては説得力がない。何か出すべきである。  ・現状に対する不満が新しい計画に対するドライビング・フォースとなる。短・   中期的には必ずしも新しい加速器に拘らず、ユニークな測定器等の具体的提案   を出してもらい、現状のアクティビティを維持・拡張していくことで長期的な   将来計画に繋げていくのが良い。 今後も、フェードアウトさせないように、定期的に議論を継続していくこととした。 3. 前回議事録承認 ------------------ 2007年8月7日開催の研計委の議事録案を一部修正して、承認した。 4. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は新旧合同となるので、新委員確定後に調整をして決定することと した。 ======================================