<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1107:2007年 11月26日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ****< 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案) >**** 皆 様、 大変遅くなってしまいましたが、平成19年8月7日に開催されました 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会の議事録(案)を お送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 秋宗秀俊 幹事 小田原厚子、與曽井優 (過去の議事録は以下のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html ) ----------------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案)      日 時:2007年8月7日(木)11:00−18:00      場 所:核物理研究センター本館2階会議室    出席者:     秋宗(甲南大、委員長)、下浦(東大CNS)、野海(KEK)、若狭(九大)、     小田原(阪大理、幹事)、坂口(宮崎大)、菅沼(京大理)、延與(京大基研)、     比連崎(奈良女大)、横山(金沢大)、味村(RCNP)、民井(RCNP)、     與曽井(RCNP、幹事)     センター長:岸本(RCNP)     研究企画室:畑中(RCNP)     研計委要請:中山(徳島大)、篠原(阪大理)、久野(阪大理)    欠席者:     肥山(奈良女大)、松原(名大)、飯嶋(名大)、藤原(RCNP)、保坂(RCNP)    配布資料:     0.議事次第     1.委員名簿     2.B-PAC Program     3.核運委資料より     4.研究会報告(1件)     5.プロジェクト申請(2件)     6.PRISM計画に関する資料     7.研究会申請(3件)     8.前回議事録(案) [2] 報告事項 ============= 1. RCNP各部報告(リングサイクロトロン実験) (中山) --------------------------------------------------  徳島大の中山氏より、最近のリングサイクロトロン実験の成果として、「軽い核 のクラスター構造と(7Li,7Be)CEX反応による光分解反応断面積」という題で報告が あった。  ・6He,6Li,6Beの励起状態に3核子-3核子クラスター構造を持つ状態を発見した。  ・6,7Li における4Heクラスターの双極子励起状態の存在を陽子非弾性散、及び   (3He,t)、(7Li,7Be)荷電交換反応と崩壊粒子測定を通して確立した。  ・(7Li,7Be)反応とガンマ線同時測定によるΔS=0、ΔS=1成分の分離により、荷電   交換反応の応答スペクトルから低い電弱多重極遷移分布を導出した。特に、宇   宙核物理において重要でありながら過去のデータに不一致の見られた4Heの E1   遷移分布に対し、高精度のデータを提供した。 2. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状と開発状況に関して報告が為さ れた。  ・2006年度のサイクロトロン施設利用状況が示された。運転時間は 5848時間で、   8割以上を軽イオン(p、d、He)が占めている。  ・AVFフラットトップ加速ビームの開発を進めている。300MeV陽子に対して高分解   能(35keV FWHM)ビームが以前より4倍の強度で供給できるようになった。  ・リングサイクロトロンのフラットトップ真空管のショートや第2空洞電力フィ   ーダー碍子破損等の故障が起こっている。 3. プロジェクト報告 --------------------  採択から約2年を経過した以下のプロジェクトについて、現状報告が行われた。  ・ Gamma Ray Spectroscopy Using Heavy Ion Beam at RCNP (小田原) 重イオンビームを用いたγ線核分光のためにENコースの整備を行い、セットアッ プ系の製作及び回路系の整備等を行った。ゲルマニウム検出器ボールを構築し、既 に中性子数83及び51同調体の高スピンアイソマー探査実験(E277、E287)を行って いる。 4. B-PAC/Q-PAC委員報告 (委員長: 秋宗) -------------------------------------- B-PAC/Q-PAC委員のうちのセンター長及び委員長による推薦委員が報告された。 (前回選出したP-PAC内委員と合わせた、今年度B-PAC/Q-PAC委員リストについては 前回議事録を参照。) 5. B-PAC報告 (B-PAC幹事: 民井) ------------------------------- B-PAC幹事民井氏より、8月6日に行われたB-PACの報告があった。本年度B-PAC委員 長として大西氏(北大)、幹事として民井氏(RCNP)が選出された。8件、合計ビーム タイム53.5日の課題申請があり、6件を採択、2件を開発ビームタイムとして採択し た。採択したビームタイムは、42日+4日(条件付き)、採択予算は870万円である。 6. 一般報告 (センター長: 岸本) ------------------------------  センター長 岸本氏より、以下のような報告が為された。  ・教授として野海博之氏(現KEK準教授)の採用を決定した。  ・核物理研究センターに寄附講座設置の申し出があり、受け入れることとした 「宇宙核物理研究部門」として教授1、助教1からなる5年間の部門を設置する。  ・資料を基に、平成18年度決算、及び平成19年度予算について報告があった。 7. 研究会報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 平成19年度研計委採択研究会のうち、7月開催分1件に関し報告が行われた。 報告書は下記ホームページに掲載されている。 (http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/saitaku_index.html) [2] 協議事項 ============ 1. プロジェクト申請 -------------------- 申請のあった下記2件のプロジェクトについて研究代表者のプレゼンテーション および採択の審議を行なった。  ア)Study of Exotic Isomeric States through Multi-decay Modes in Very    Neutron Deficient Nuclei    研究代表者  小田原 厚子 (阪大理)  イ)Fundamental and Systematic Studies for Chemical Properties of Heavy    Elements (重元素化学の基盤研究)    研究代表者  篠原 厚 (阪大理) 審議の結果、ア)に関しては、個々の実験に関する検討、特に崩壊荷電粒子検出 装置のデザイン等に不十分な点が見られ、不採択とした。但し、要求のあった予算 項目のうち、Ge ball改良分360万円を前回プロジェクト(報告事項3を参照)への 追加予算として認めた。また、別項目で要求のあった ENコースのメンテナンス費用 に関しては、他コースと同様にセンターの経常経費の中から支出するのが妥当であ ると判断し、その旨答申することとした。 イ)に関しては、AVF更新に伴って整備を進めてきた RI製造専用のビームライン Kコースの本格的使用が可能になったことを受けて申請されたものであり、研究の意 義を認め、ビームタイム(1〜2日/月)及びビームライン改修費用170万円を申請通 り採択することとした。但し、Kコース、RI棟化学実験室の維持管理費用に関して は、研計委の採択に関わるプロジェクト予算からの支出は難しく、センター加速器 関連の維持費から支出するのが適当であると判断し、その旨、希望することとした。 2. 大阪大学核物理研究センターにおけるミューオン・ビーム源開発計画について -------------------------------------------------------------------------  大阪大学大学院理学研究科 久野教授より提案のあった上記課題について、プレゼ ンテーションおよび審議を行なった。  学術創生科研費を用いて進めてきたミューオン・ビーム蓄積リング(PRISM-FFAG) 開発のまとめとして、本年度内に6セルリングを用いた位相空間回転の実証試験を 核物理研究センターのM実験室または西実験室を使用して実施したいという提案で ある。議論の結果、研計委においては採択・不採択の結論を出さず、審議の内容を センター長に答申するに留め、センター内で議論して最終的な判断をしてもらうよ う希望することとした。  ・本年度3月までを目標とする計画には無理があると感じざるを得ないが、これ   までの経緯(M実験室におけるPRISM-FFAG用RF系の開発)を考慮して、実験装置   をセンター内に受け入れる方向で検討していただくのが適当であると考える。  ・既存のインフラの状況や今後の拡張性を考慮すると、共同利用実験のために実   験室の使用が制限されるというデメリットはあるが、M実験室よりは西実験室へ   の設置を推奨する。  ・本計画の実現、成功のためにはセンター側の積極的なサポートが必要不可欠で   あり、提案者とセンター側、特に加速器グループとの間で充分に相談して進め   ていただきたい。 3. 平成19年度(後期)研究会申請課題採択 -------------------------------------- 8月2日締め切りの平成19年度(後期)の研究会募集に3件の申請があった。 協議の結果、下記2件、60万円を採択することとした。  ・「International Symposium on Origin of Matter and Evolution of Galaxies    (OMEG07)」 連絡責任者: 加藤 幾芳(北大理)   開催場所:北海道大学 国際シンポジウム、国外25人、国内80人程度  ・「J-PARC ハドロン実験施設のビームライン整備拡充に向けて」 連絡責任者: 野海 博之(KEK)     開催場所:RCNP ワークショップ、国外5〜10人、国内40人程度 4. 前回議事録承認 ------------------ 2007年4月5日開催の研計委の議事録案を承認した。 5. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は12月26日(水)に開催することとした。 ======================================