<<<<<<<<<<<<<<<<<< CRC News No.1036:2007年 5月14日 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>> CRC会員 各位 CRC事務局 宇宙線研支部 ***********************< RCNP研計委議事録(案) >*********************** 皆 様、 平成19年4月5日に開催されました大阪大学核物理研究センター研究計画検討 専門委員会の議事録(案)をお送り致します。 なお、議事録(案)は正式承認前の案であることを申し添えておきます。 研究計画検討専門委員会 委員長 秋宗秀俊 幹事 小田原厚子、與曽井優 (過去の議事録は以下のURLより閲読できます。 http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/giji_index.html ) ----------------------------------------------------------------------- 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録(案)      日 時:2007年4月5日(木)11:00−17:00      場 所:核物理研究センター本館2階会議室    新旧メンバー合同会議    出席者:     新委員(含継続):     秋宗(甲南大、委員長)、野海(KEK)、若狭(九大)、小田原(阪大理、幹事)、     坂口(宮崎大)、延與(京大基研)、比連崎(奈良女大)、肥山(奈良女大)、     松原(名大)、横山(金沢大)、味村(RCNP)、民井(RCNP)、保坂(RCNP)、     與曽井(RCNP、幹事)     旧委員:     中村(東工大)、松多(阪大理)、宇都宮(甲南大)、浅川(阪大理)、     新旧センター長:岸本(RCNP)、土岐(RCNP)     研究企画室:畑中(RCNP)     研計委要請:丸橋(京大原子炉)、福田(若狭湾エネルギー研究センター)、     久米(若狭湾エネルギー研究センター)     陪席: 中野(RCNP)    欠席者:     新委員(含継続):下浦(東大CNS)、菅沼(京大)、飯嶋(名大)、藤原(RCNP)     旧委員:八尋(九大)    配布資料:     0.議事次第     1.委員名簿     2.核運委議事録(12/27、3/3)     3.B-PAC資料     4.H18年度一般実験費執行報告     5.研究会報告(6件)     6.「NCT(中性子補捉療法)用の加速器による中性子場形成に関する研究」       についての資料     7.研究会申請(5件)     8.前回議事録(案) [1] 委員の確認・紹介と委員長・幹事の選出 ========================================= 先ず、新委員に関する確認が3点行われた。 1. 前回選挙によって外部委員として選出された味村氏が 4/1よりRCNPに異動した ことにより、選挙で次点の坂口氏が繰上げ当選し外部委員となった。 2. 酒見氏転出による内部委員の欠員は、委員交代のガイドラインに従うと前々回 選挙での内部委員の次点である中野氏(残任期1年)となるが、今回は特例と して外部委員で選出された味村氏をそのまま内部委員(任期2年)とすること が提案され、了承された。 3. センター長推薦により、RCNP理論部の保坂氏が委員として補充された。  各委員の紹介の後、互選により、委員長および幹事が以下のように選出された。  委員長: 秋宗秀俊 氏 (甲南大)  RCNP外幹事: 小田原厚子 氏 (阪大理)  RCNP内幹事: 與曽井優 氏 (RCNP)  議事に先立って新センター長岸本氏より挨拶があり、共同利用研としてのRCNPに おける研計委への期待と将来計画に対する考え方等が述べられた。 [2] 報告事項 ============= 1. RCNP各部報告(理論部) (保坂) ---------------------------------  RCNPの保坂氏より、最近の理論部の活動について報告があった。 ・教員、ポスドク、協同研究員、大学院生合わせて22名で構成。昨年度実績で、 論文46編、会議報告78編を数える。 ・ハドロン物理ではエキゾチックス、カイラル対称性、媒質中でのバリオンの性 質等の研究を行っている。 ・原子核物理では相対論的平均場とテンソル力を中心に研究している。 ・今後はパイ中間子を鍵として、ハドロン物理と原子核物理を共通の概念で記述 することを目指す。 2. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状と開発状況に関して報告が為さ れた。 ・中性子生成用のWNコース標的を鉛から熱に強いタングステンに交換し、白色中 性子場標準データの取得を行った。 ・AVFサイクロトロンからのバイパスラインに設置したエミッタンス・モニターを 用いてビームエミッタンスを測定した。 ・超伝導ECRイオン源による、86Kr、18O、11B(有機コンパウンド使用)の加速を 行った。また、AVFフラットトップ加速ビームの開発を進めている。 3. 一般報告 (土岐) -------------------  前センター長土岐氏より、まず、6年間の任期中における研計委の協力に対する 感謝の言葉があり、その後以下のような報告が為された。 ・教授、准教授の公募を行い、准教授として味村氏の採用を決定した。教授につ いては核運委において継続審議中。 ・藤原氏が4/1より阪大のグローニンゲン教育研究センター長に就任した。それに 伴い、偏極HDプロジェクトの責任者を與曽井氏に引継ぎ、当初より主力となっ てプロジェクトを推進していた郡氏を特任助教として採用した。 ・助教の借用ポジションの3年間延長が認められた。 ・概算要求は偏極HD標的の継続とダブル・ベータ関連のインフラ整備で提出して いる。 4. B-PAC報告 (B-PAC幹事: 民井) ------------------------------- B-PAC幹事民井氏より、3月5日に行われた B-PAC の報告があった。6件、合計ビー ムタイム53.8日の課題申請があり、4件を採択、1件を開発ビームタイムとして採択、 1件をサスペンドとした。採択したビームタイムは、40.5日、採択予算は750万円-α (αは既存の36Ar分)である。  B-PAC に実験責任者が出席できない場合に代理発表者では質問、疑問に的確に回 答できないことがあり、責任者が出席することの重要性を強調すること、及び出席 できない場合でも発表者は非公開セッション時の質問に備えて、実験責任者(もし くはそれに準じる担当者)と当日コンタクトがとれるようしておくことの提案があ り了承された。次回より公募書類にその旨明記することとした。(テレビ会議シス テムの活用についても提案が為されたが、確実に保証することは困難なこともあり、 今回は見送った。) 5. H18年度一般実験費執行報告 (執行責任者: 民井) ------------------------------------------------ 平成18年度の一般実験費の執行状況と内訳に関して、RCNPの民井氏より報告があ った。  4千万円の当初予算でほぼ予算額通り執行した。尚、液体ヘリウムに関しては一般 実験費からの支出は今後300万円固定額とし、超過分は液体窒素等と同じ扱いで加速 器経常費からの支出となる旨、説明があった。 6. 研究会報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 平成18年度に行われた研計委採択研究会のうち、後期分6件に関し報告が行われた。 報告書は下記ホームページに掲載されている。 (http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/Divisions/plan/p-pac/kenkyukai2006.html) [2] 協議事項 ============ 1. 「NCT(中性子捕捉療法)用加速器による中性子場形成に関する研究」について --------------------------------------------------------------------------  京都大学原子炉実験所丸橋教授より提案のあった上記課題について、プレゼンテ ーションおよび審議を行なった。  議論の結果、研計委においては採択・不採択の結論を出さず、以下のコメントを センター長に答申することとした。 ・計画は、原子炉からの熱外中性子を用いた硼素中性子捕捉療法の癌治療への有 効性を基に、将来的に加速器を利用した中性子捕捉療法を実現するため、10-30 MeV 陽子を用いた中性子場形成に関する研究を行うものである。研計委として はその価値を認め、このプロジェクトをセンターにおいて推進することを積極 的に評価する。 ・但し、プロジェクトの諾否それ自体を研計委の場で決定するのは適当でないと 考え、結論を出しておりません。必要な実験日数は他の共同利用を大きく圧迫 することはないと思われますが、センター側からの協力体制や既に進行中の PETを用いた医学利用等との関係も踏まえて、センター内で議論して決めてい ただくことを希望します。 2. B-PAC委員、Q-PAC委員の選出 ------------------------------ 本年度のB-PAC/Q-PACのP-PAC内の委員として、下記のメンバーを選出した。 ・B-PAC委員(P-PAC内) 下浦享(東大CNS)、小田原厚子(阪大理)、肥山詠美子(奈良女大)、 民井淳(RCNP)、保坂淳(RCNP) ・Q-PAC委員(P-PAC内) 野海博之(KEK)、菅沼秀夫(京大理)、與曽井優(RCNP) 残るB-PAC委員5人とQ-PAC委員3人の研計委委員長・センター長推薦委員について は、研計委後に下記の委員が推薦された ・B-PAC委員(委員長・センター長推薦) 井手口栄治(東大CNS)、八尋正信(九大)、大西明(北大)、 P. von Neumann-Cosel(Darmstadt)、R.G.T. Zegers(MSU) ・Q-PAC委員(委員長・センター長推薦) 永江知文(KEK)、清水肇(東北大核理研)、佐藤透(阪大理) 3. 平成19年度(前期)研究会申請課題採択 -------------------------------------- 3月30日締め切りの平成19年度(前期)の研究会募集に5件の申請があった。 協議の結果、下記5件、210万円を採択することとした。 ・「Challenge to New Hadrons and Hadronic Matter」 連絡責任者: 松木 孝幸(東京家政大) 開催場所:RCNP 国内ワークショップ、20人程度 注)タイトル中の Hadronic Matter については内容説明の中に特に記述がない、 という研計委からのコメントに対し、後日、研究会世話人より研究会テーマを 下記に変更するとの連絡あり。   「Challenge to New Exotic Hadrons with Heavy Quarks」 ・「RCNP将来計画 ハドロンビーム物理の展開(仮)」 連絡責任者: 民井 淳(RCNP)     開催場所:RCNP 国内ワークショップ、30人程度 ・「重イオン衝突反応でみるQGPの現象論的研究 —— SPS、RHICからLHCへ ——」 連絡責任者: 室谷 心(松本大)    開催場所:RCNP 国内研究会、30人程度 ・「核内三体力の新機軸 —— 藤田・宮沢型三体力50周年 ——」 連絡責任者: 酒井 英行(東大理)   開催場所:東大理、小柴ホール 国際シンポジウム、国外20人、国内60人程度 ・「ハドロンと原子核におけるカイラル対称性 (CHIRAL07)」 連絡責任者: 保坂 淳(RCNP)     開催場所:阪大コンベンションセンター 国際ワークショップ、国外30人、国内70人程度  尚、採択されてから開催までにはある程度の期間を要するので、後期公募におい ては次年度早期に開催予定のものも応募可能にするのが良いとの意見が出され、了 承された。次回より公募文書にその旨記載することとした。 4. 将来計画について --------------------  RCNP将来計画ワーキンググループ(WG長大西氏)からの提言が提出されてから約1 年が経ったこともあり、この機会にRCNP将来計画について自由討論を行った。セン ター内WGでの検討状況の報告も踏まえて、以下のような意見が出された。 ・センター内WGでの検討の進め方が大西WGで議論されたことの繰り返しのように 聞こえる。むしろ、既に出ているRIBFやJ-PARCのプロポーザルを勉強して、第 3軸としてのRCNPの進む方向をはっきりさせる方が意味があるのではないか。 ・計画をジェネラルに考えるには限度があり、研究者個人からの提案の中から良 いアイデアを残し、流れを作っていって方向性を決めるというのが筋であろう。 ・現在のサイクロトロンでの研究においても、個々には良い仕事がたくさん出て いるがベクトルがそろっていないという印象を受ける。世界の中でここの占め ている位置をちゃんと踏まえて、是非ここに新たな装置を作りたい、ここでし かできない、という発展の種を見つけることが重要。 ・RIBFで行ったような、質問形式のテーマを掲げて検討するというのも良いので はないか。 ・計画の額を決めて、10億だったら何ができるか、100億だったら何ができ るか、といった議論の仕方もある。 ・大西WG答申の中で、具体化して進めるべき実験というのをもう少し詰めて検討 する必要があり、そのためにはハードとの連結が重要。あるところからは加速 器提案が先で、実験プロポーザルを募るという形でフィードバックしていく方 法も必要ではないか。  将来計画に関する研究会(今回採択)の開催にあたっては、これらの意見を踏ま えて行って欲しい旨、世話人に要望することとした。 5. 前回議事録承認 ------------------ 2007年12月25日開催の研計委の議事録案を承認した。 6. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は8月7日(火)に開催することとした。 ======================================