広報室
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文部科学省2階エントランス広報スペースにおける「スーパーカミオカンデ」の展示のお知らせ

2011年8月16日より、文部科学省2階エントランス広報スペースにおいて、東京大学宇宙研究所におけるニュートリノ研究とその観測装置「スーパーカミオカンデ」の展示を開始しましたのでお知らせします。
世界をリードする最先端研究分野の貴重な展示物となりますので、ぜひご覧ください。

■展示概要■
-ニュートリノ研究と観測装置スーパーカミオカンデ紹介展示-

1996年から本格稼働しているスーパーカミオカンデは、5万トンの超純水タンクを1万本以上の光センサーで囲んだ世界最大の水チェレンコフ観測装置です。1998年にニュートリノ振動を発見し、現在はJ-PARCと共同でT2K実験を進めています。
2011年6月に素粒子物理学業界に衝撃を与える結果(*1)を出したスーパーカミオカンデとT2K実験。その知名度と功績は、物理学業界内だけでなく、日本の科学技術業界を代表するものと言っても過言ではないほどの大きさと言えます。それはこれまでにスーパーカミオカンデに関わってきた多くの科学者・技術者の類稀なる創意工夫、そしてたゆまぬ日々の努力がもたらした結果です。
本展示では、まずスーパーカミオカンデがどのようにして誕生したのか、その経緯を映像でご覧頂けるように、ディスプレイによる動画放映を行ないます。また、そもそもスーパーカミオカンデとはどのような装置であるのかについても、ポスター展示によって映像を補完する形で解説し、それとともに精密模型を展示しています。さらには、他ではあまり見ることの出来ない、スーパーカミオカンデで使用されているエレクトロニクスの開発段階バージョン、また、月面上の懐中電灯の明かりすらも検出可能な世界最大の光センサー、スーパーカミオカンデ用光電子増倍管も展示しています。
スーパーカミオカンデとT2K実験は、そう遠くない将来、ニュートリノのCP対称性の破れの測定(*2)や、陽子崩壊の探索(*3)など、素粒子物理学や宇宙論に関わる極めて重大な研究テーマに切り込み、新たな知見をもたらすことが期待されています。

(*1)
ミュー型ニュートリノが飛行中に電子型ニュートリノへ変化する電子型ニュートリノ出現現象の発見を最大の目的とするT2K実験(東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験)で、2011年3月までに遠隔検出器スーパーカミオカンデにて取得した全データを解析したところ、電子型ニュートリノに起因すると考えられる事象を6事象発見し、電子型ニュートリノ出現現象の兆候を捉えることに成功した。電子型ニュートリノ出現現象の発見は、今後のニュートリノ物理の方向性を決定づけると考えられており、特に、なぜ宇宙は物質が支配的であり反物質が少ないか、という謎を解くための最大の手がかりを与えるものと期待されている。

(*2)
分かりやすく言うと、ニュートリノと反ニュートリノの性質の違いの測定。

(*3)
素粒子物理学で宇宙初期に成立していたと考えられている大統一理論がもし正しいとすると、
> 水素原子の原子核である陽子は、単独で崩壊することが予言されている。しかし、陽子の単独崩壊は現在まで検出されていない。陽子崩壊の探索は、大統一理論の検証の鍵となるため、極めて重要な研究テーマの1つとなっている。

新しい科学のフロンティアの先端を駆け抜けるスーパーカミオカンデとT2K実験に関して、ぜひ本展示をご覧いただき、知っている方は改めて、知らない方は新たに、世界に誇る素晴らしい日本の業績の一端をぜひご覧ください。